ドキュメンタリーを見て絶望感が…

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 ときどき取り上げている、NHKの「世界のドキュメンタリー」。
 不定期の再放送を含めると、週に4〜5本が放送されている。録画しているのだが、溜まっていた録画を一気見した。

 明るいテーマよりも、深刻なテーマが多いので、見ていると絶望感を感じる。
 以下、最近見た番組タイトル。

「ガザに留学した医学生」※字幕スーパー

パレスチナ暫定自治区のガザ地区に留学したイタリア人医大生。病院にはイスラエルの攻撃で負傷した人が次々運ばれる。過酷な状況の中、大人になっていく青年医師の物語。

イタリア人医大生のリッカルドが留学したのはパレスチナ暫定自治区のガザ地区にある大学。原理主義組織ハマスが実効支配するこの地区は、周囲をイスラエルによって張り巡らされたフェンスで囲まれ「天井のない監獄」と呼ばれている。救急医療の現場に飛び込んだ彼を待っていたのは空爆。過酷な状況の中、医師として大人になっていく若者の姿を見つめる。 原題:ERASMUS IN GAZA(スペイン 2021年)

ガザに留学した医学生

「フラとニョニョの“助産録” 〜ミャンマー・ラカイン州〜」

ミャンマーのラカイン州。ロヒンギャのニョニョは、仏教徒ながら彼らを受け入れる助産師の元で見習いをしている。民族間の争いの中で、逞しく生きる2人の女性を見つめる。

ミャンマー西部のラカイン州に住む助産師見習いのニョニョ。何世代もここで暮らしてきたイスラム教徒のロヒンギャだ。2017年以降、国軍による武力弾圧が激化し、満足な教育や医療が受けられない中、ニョニョの師匠フラは仏教徒ながらロヒンギャの妊婦も受け入れている。2021年のクーデター後、さらに民族間の争いで混乱する中を生きる2人を見つめる。 原題:Midwives(ミャンマー・ドイツ・カナダ 2022年)

「女性たちの“戦争” 報道写真家が見たウクライナ」

ウクライナ各地で戦争の惨劇に向き合いながら闘い続ける女性たちの姿を伝えるフォトジャーナリスト、ヴィゲリーに密着。ロシアの爆撃をかいくぐりながら撮影した緊迫のルポ

カメラマンのヴィゲリーは、首都キーウ防衛のために戦地をパトロールするボランティア戦士団の女性リーダーや、前線近くで通信を担当する女性兵士を取材。また、激戦区ハルキウの病院、人々が身を寄せる地下鉄の駅を訪れる。集団虐殺があったとされるブチャでは、息子を探して死体安置所をまわる親たちにも遭遇。戦時下の過酷な日常を伝える。 原題:Ukraine:Women in the War(フランス 2022年)

「戦時下の大統領 ゼレンスキー」

軍事侵攻される前「ロシアと戦争が起きたら第三次世界大戦に拡大するだろう」と語っていたウクライナのゼレンスキー大統領。戦いの背景と行方は?インタビューからひも解く

2021年5月に「ひとたび戦争が起きたら、第三次世界大戦に拡大するだろう」と語っていたウクライナのゼレンスキー大統領。当時プーチン大統領は「NATO加盟は認めない」と圧力を強めていた。9か月後ロシアのウクライナ侵攻は現実のものに。この戦いはなぜ起きて、どこに向かうのか。ゼレンスキー大統領のインタビュー等からたどる。 原題:ZELENSKY-A PRESIDENT AT WAR(ドイツ 2022年)

戦時下の大統領 ゼレンスキー

「ディープフェイク 進化するAI技術の光と影」

近い将来、本物と見分けが付かない“ディープフェイク”映像を誰でも作れる時代が来る。実例を紹介しながら、新しい技術が私たちの社会にもたらす変化を考察していく。

人工知能で合成した精巧な映像、“ディープフェイク”。今後技術が進歩すると、顔を別人のものに差し替えて他人になりすますことも可能になる。“なりすまし”による犯罪のリスクの増加が予想されるが、規制は進んでいない。一方“ディープフェイク”を利用した心理セラピーも始まろうとしている。“ディープフェイク”で変わる未来を考察。原題:Backlight:Seeing Is Believing/オランダ・2021

「アフガニスタンの亡霊」

政権を奪取したタリバン。その再来を一人のカナダ人ジャーナリストが予見し、現地で何年間も撮影を続けていた。アフガニスタンの20年の戦争は何だったのか、現地ルポ。

政権を奪取したタリバン。その再来を一人のカナダ人ジャーナリストが予見し、現地で何年間も撮影を続けていた。2005年に現地いりしたグレアム・スミス。彼はそこで平和な時代が来ることを夢見て学校に通う少女たちと出会った。一方、治安部隊にとらえられたタリバン兵たちが拷問される様も目撃し、大きな矛盾を感じてタリバン台頭の兆しを予見した。 原題:Ghosts of Afghanistan(カナダ 2021年)

「中国 デジタル統治の内側で〜潜入・新疆ウイグル自治区〜」

大勢のイスラム系少数民族ウイグル族が中国政府によって収容施設に拘束されているとされる新疆ウイグル自治区。潜入取材により、その実態を明らかにする。

新疆ウイグル自治区での中国政府のウイグル族への締め付けについては、住民を拘束し、収容施設で厳しい規律のもと徹底した思想教育が行われていると国際社会から批判を浴びている。数週間にわたる現地潜入取材、拘束経験者や失踪者家族の証言から、その実態を明らかにする。2020年国際エミー賞最優秀時事番組。原題:Undercover : Inside China’s Digital Gulag(イギリス 2019年)

中国 デジタル統治の内側で〜潜入・新疆ウイグル自治区〜

扉に貼られているQRコードは、この家に住む人たちについての個人情報(差別情報)を示しているという。

 これらに共通しているのは、差別、偏見、民族および国家の対立、戦争や虐殺、貧富の格差、憎しみと悲しみ……等々、人間が何千年も解決できずにいる根源的な問題ばかりだ。

 科学技術の発展はめざましく、それについては良い評価をできるが、国家や社会のありようについてはまったくといっていいほど進歩していないように思える。
 一連のドキュメンタリーを見ていて思うのは……

 人類は、なぜ、これほどまでに愚かなのか?

 あまりにも愚かすぎる。
 絶望感に打ちひしがれる。
 希望はあるのだろうか?

 なんだかんだいっても、日本は比較的平和で安全で恵まれた国だ。
 いまのところは。
 しかし、将来はわからない。
 危機は忍び寄っているように思う。

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