セルフレジの功罪

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セルフレジ

セルフレジ(photoAC/photoB

 いまやセルフレジは当たり前になった感があるが、便利になったようでそうでもないことに、みんな気がついたようである。
 というか、セルフレジは店側のごり押しだよね。やらされてる感が半端ないと思うのだが。

スーパー・コンビニで急速に普及するセルフレジ、なんとかならないか? 客は「自分で会計しても同じ料金なのは納得いかない」、店側も「結局、有人レジに長い列」で双方から不満の声 | マネーポストWEB

多くのスーパーやコンビニなどで設置されるようになったセルフレジ。一般社団法人全国スーパーマーケット協会の「スーパーマーケット年次統計調査報告書」によると、2024年のセルフレジ設置企業の割合(半数以上の店舗に設置と半数未満の店舗に設置の割合の合計)は37.9%で、コロナ禍以前となる2019年の11.4%からおよそ5年で約3倍に増えたことがうかがえる。

(中略)

 そう明かすのはIT企業勤務の40代女性・Aさん。「セルフレジで会計するメリットがないことにみんな気づいたのでは」と話す。

「スーパーでは、基本的に買う品数が多い。その分スキャンする数も増えます。セルフレジは『自分でスキャンして会計してね』というシステムですが、スーパーが人件費を抑える代わりに、こっちが店員の仕事をやってるんだから、その分何らか対価があってもいいような気はします」

 Aさんは、「一種のタダ働きのように感じるし、ある意味“労働搾取”なのでは(笑)」と、口ぶりこそ冗談めかしたものの、「あるいは、有人レジを有料にするとかですかね?」と、終始どこか納得のいかない表情だった。

 私のブログの過去記事でも取り上げていた。

SEIYUのスグレジがあまり効率的ではない件 – 諌山裕の仕事部屋(2018年8月22日付)

スグレジだと会計の時間が短くなる……という触れ込みなのだが、実際のところはそんなに早くならない。客が不慣れな手つきで、ノロノロと商品のバーコードを読みとらせていくから、店員にレジをしてもらうよりも2倍〜3倍は時間がかかる。人件費は削減できるかもしれないが、レジのスピードアップにはなっていないように思われる。

そもそもスグレジというのは、精算にかかる労働コストを客が肩代わりしているわけで、ただ働きさせられているようにも感じる。スグレジをしたら1%引きとかのメリットがあるわけではなく、自分でやらなければいけない面倒な作業でしかない。客にとっての大きなメリットはないんだよね。

 6年前の記事だが、同じようなことを今になって取り上げている。導入当初から予想されたことなんだけどね。
 セルフレジで万引きが増えたというデメリットもあるようだ。故意ではなくても、バーコードのスキャン漏れも発生しているという。セルフレジは人々の性善説に基づいている。多くの人はちゃんと会計するが、誤魔化す人は一定数いるものだ。万引きしやすいシステムというのは、欠陥だと思うけどね。

 余談だが、SEIYUはまたまた売却されてトライアルホールディングスの傘下に入ることになったようだ。もともとは西武(セゾングループ)の傘下で、西武線の沿線に店舗を展開していたのは、今は昔。

 海外ではセルフレジを撤去する動きがあるという。

セルフレジで客が減る? 欧米で「セルフレジ撤去」の動き、日本はどう捉えるべきか(1/3 ページ) – ITmedia ビジネスオンライン

 現状のセルフレジは、顧客に負担を強いているために不評になっている。商品をひとつひとつ顧客がスキャンしなくてはいけない手間が面倒なのだ。一部店舗では行われているが、商品をカゴに入れた時点で自動的にスキャンされるシステムの方が利便性は高い。
 セルフレジは過渡期の産物かもね。
 数年〜十年後には、
「昔のセルフレジは面倒だったよね」
 なんて、いってるかもしれない。

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