過日書いていたエントリの、関連記事が目に留まったので、補筆して再エントリ。
ブログ等に広告を入れて報酬をもらう「アフィリエイト」
稼いでいる人は、すごいなーと思う。
アフィリエイト、報酬申告を…2千万所得隠しも : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
インターネットサイトに広告を掲載する「アフィリエイト」で報酬を得ている個人に対し、国税当局がプロバイダーを通じて税務申告を促す取り組みを始めた。
アフィリエイトは手軽な副業として全国で100万人以上が手がけているとされるが、意図的に収入を隠す人が後を絶たないためだ。税務調査で2000万円を超える所得隠しが発覚したケースも出ている。
2000万円も儲けていたら、もはや副業じゃないだろ(笑)。
私のブログにも、いちおうAmazonなんかの広告が入ってはいるが、ほとんど収入にはなってないね。まぁ、あまり積極的ではないからでもあるのだけど、そもそもPVもUUも、微々たるものだからね。端からブログで稼ごうとかいう気がない。
どのくらいのアクセスがあれば稼げるのかというと、こんな記事があった。
ネット副業 ブログって儲かるの? | THE PAGE(ザ・ページ)
ここではブログに貼り付けられている広告を読者が自然にクリックしたり、ブログからネット通販サイトに自然に誘導するという、紳士的なやり方を前提として考えてみましょう。
プロ・ブロガー(ブログで生計を立てている人)と呼ばれる人の中にはおおまかなPVと収入を公表している人もいるので、この情報は大いに参考にすることができます。プロ・ブロガーの一人であるイケダハヤト氏は、2013年には500万円近い売上げがあったと述べています。彼のブログの2013年の平均月間PVは約55万PVですから、その数字が本当だとすると、1PVあたりの売上げは約0.76円ということになります。
(中略)
世の中に存在しているブログの80%以上が月間5000PVを超えられず、イケダハヤト氏のように月間数十万PVをたたき出すブログは全体の0.1%以下ともいわれています。
「1PVあたりの売上げは約0.76円」という計算が成り立つには、最低限のPVがある程度のしきい値をこえないと成立しないわけで、その最低ラインを知りたいところ。
私のブログはマイナーな部類だけど、ときどきBLOGOSに転載されることで、多少は増えている。
それでも、月間PVは1万~2万程度。
80%を占める月間5000PV以下よりは多いけど、2万PVでは稼ぎの「か」の字にもならないよ(笑)。
稼げるかどうかの最低ラインのしきい値は、もっと上……おそらく10万PVを超えるあたりではないかと推測する。
そのへんのデータ分析って、だれかやってみないかな?
稼いでいるブロガーの協力が必要ではあるけれども、実態を調べるという意味で、興味深いデータになると思うのだけど。噂や推測の話しかないから、具体的なデータがあれば、裏付けが取れるかも。
で、上記の記事で一例として挙げられている、イケダ氏が……
業界健全化のためにも、優秀なブロガーは積極的にアフィリエイトをやるべき
ぼくらブロガーがアフィリエイトに積極的に取り組めば、企業側のアフィリエイト施策のコストパフォーマンスは高まっていくと思われます(無論、企業側が良い製品・アフィリエイトプログラムを提供することが前提ですが)。
……と書いていたりする。
彼のいう「優秀なブロガー」の定義はなんだろうか?
たとえば、
(1)文章がうまく、面白い記事を書く人
(2)PVを稼げる人
(3)タレントや有名人として、知名度の高い人
3つともそろってる人もいるが、どの条件を満たすと「優秀なブロガー」といえるのだろうか?
そこが問題。
アフィリエイトとして稼げるブログは、月間PVが数十万は必要だと思われるので、それに該当するブロガーは、全体の0.1%くらいしかいないことになる。
日本国内のブログ数はどのくらいか?……というと、ブログサービス提供会社それぞれのブログ数を集計すれば概数は出せそうだが、それは休眠ブログやスパムブログも含まれているので、アクティブユーザーのブログの数はわからない。
一説には、2008年1月時点で日本国内のブログ総数は約1690万(総務省発表)というデータがあるが、TwitterやFBのユーザー数と同じように、非アクティブユーザーも含まれた数字だ。
その一方で、40%のブログはスパムブログだというデータもある。
有効ブログ数は……1690万×60%=1014万
その1014万ブログのうち、アクティブユーザーは1~2割くらいだろうと仮定すると、100万~200万ブログ。
最近は、この手の調査は行われていないようで、古いデータしかない。
おそらく、2014年の現在は、SNSにかなりの人が流れていると思われるので、純粋なアクティブブログ数は減少しているのではと推測する。
アクティブなブログが推定200万と仮定すると、その0.1%は、2000ブログとなる。
ブログでアフィリエイトをやって稼げる人は、多めに見積もっても約2000人。それを多いと見るか、少ないと見るか。アフィリエイトが有効な収入源となるには、月間PVが10万以上は必要だろうから、イケダ氏のいう「優秀なブロガー」は2000人以下だろう。しかし、2000人もいるとは思えず、数百人がいいところではないかというのが実感。
少なくとも「ぼくらブロガー」として、仲間に入れてもらえるブロガーは少数派だってことね。もちろん、私のブログは月間PVが足りないので対象外だ(笑)。
また、イケダ氏は、
そうしてアフィリエイトのパフォーマンスが高まっていけば、自然と広告主が増えて、魅力的なプログラムが増えていく…という好循環が生まれうるわけですね。
とも書いているのだが、それはちょっと疑問。
優秀なブロガーの数百人~2000人のために、そこまでアフィリエイトに投資するのかどうか?……ということ。名目上、ブログ総数が1000万くらいあるということで、広告の露出度が高いことがアフィリエイトの広告市場を裏付けている。しかし、広告効果として有効で優秀なブログがMAX2000しかないとなったら、広告価値は大きく下がる。
アフィリエイトの広告効果は、「コンバージョン率」と呼ばれるが、
クリック単価の損益分岐とコンバージョン率の関係 | Web担当者Forum
コンバージョン率
「CVR(ConVersion Rateの略)」または「コンバージョンレート」とも呼ばれる。広告効果だけでなく、オンラインショップをはじめとしたWEBサイトの有用性を計る上でも重要な指標。
つまり、クリック数に対して購入や契約に至る実質的な効果のこと。
このコンバージョン率は、優秀なブログか否かに関わらず、あまり変わらないだろう。優秀な2000ブログを対象にするよりも、有象無象を含めた1000万ブログを対象にした方が、同じコンバージョン率であれば総数は増える計算だ。その方が、出稿する企業にとってはメリットがある。
したがって、優秀なブロガーが優秀な記事を書くことで、「魅力的なプログラムが増えていく」という因果関係が成立する必然性は乏しいと思うのだ。
アフィリエイトは、企業や店舗にとっては「広告費」のひとつだが、広告費全体の中でインターネット関連に投じる広告費は、増加傾向にあるものの広告費全体の15.7%しかない。
2013年「日本の広告費」、1.4%増の5兆9762億円 2年連続で増加 #宣伝会議 | AdverTimes(アドタイ)
インターネット広告費は前年比8.1%増の9381億円。内訳は、媒体費が7203億円(同108.7%)、制作費が2178億円(同106.2%)。
このインターネット関連15.7%のうち、アフィリエイト関連はさらに少なくなる。
多額の広告費を出せる企業は、インターネットよりも既存のメディアに出稿する。テレビCMをドンッと打てるような企業は、インターネット関連にかける広告費は少なくなる。また、売りたい商品やサービスの特性もある。ネットから購入しやすい商品・サービスであれば、アフィリエイトは有効だが、そうでなければあまり利点はない。
広告のための予算が少ない企業は、広告費が安く上がるアフィリエイトを利用する。アフィリエイト・プログラムに、建築や自動車産業などの大企業が少なく、対象となる商品やサービスの価格が比較的安価な理由はそこにある。
マイナーな私のブログを見て、ときどき営業のメールが来たりする。
「広告を掲載しませんか」とか「当社の製品を宣伝してくれませんか」とか、そんなの。
おそらく、手あたり次第にメールしているんだと思うけど、もうちょっとリサーチしてから勧誘した方がいいよ。
私のブログ程度のPVでは、広告効果はない(きっぱり)。
勧誘が来ても、ほとんど無視している。中には、差出人がどこの会社であるかを書かない人、連絡先メールアドレスがG-mailやYahoo!メール等のフリーメールアドレスの人もいる。フリーメールアドレスは信用できないし、ビジネスメールの基本もできていない勧誘には乗らない。
ときどき、ある作品(映画、本、音楽など)や商品のレビューを書くこともあるが、それは私が購入して気に入ったものに限られる。ステマに協力する気はないし、宣伝のためのレビューは書かないよ。
BLOGOSに転載されると、そこのコメント欄がにぎわっているようなのだけど、じつのところあまり見ていない。だいたいどんな反応があるのか想像はできるので、議論の肴にしてくれればいいかなと。
ある記事に対して、なにかを言いたい気持ちはわかる。私のブログも、動機は同じだからね。
BLOGOSにピックアップしてもらえるというのは、恵まれた立場なのだと思う。
長文で貴重なご意見と情報をありがとうございました。
いろいろと参考になると思います。
こういう質の高いコメントは少ないので、とても役に立つと思います。
>それは私が購入して気に入ったものに限られる。ステマに協力する気はないし、宣伝のためのレビューは書かないよ。
支持します。スポンサーに魂を売らなくても収益は上がります。読者の目もどんどん肥えてきていますから、姑息なことをするとすぐばれますしね。結局は正しいことをやっている人がGoogleの変更にも影響されず生き残っています。
アフィリエイトというと不正が横行しているのも事実であり、後ろ暗いイメージを持つ方が多いですが、ブログや記事が誰かの課題解決の役に立っているならばアクセスは伸び、報酬が返ってきます。
逆に言えばPVがあっても収益が出ないブログは読者の役に立ってない、ただの自己表現であるということです。そういうブログが悪いとは全く思いませんが、そもそもの目的が違うため、自己表現ブログの空きスペースにとりあえずで広告リンクを貼っても収益は上がらないでしょう。
>私のブログ程度のPVでは、広告効果はない(きっぱり)。
この認識は誤りです(きっぱり)。
月間PVでこれだけお持ちであれば世間の上位2割には入り、立派なブランド価値のあるブログです。
広告で稼ぐつもりがないと仰っているので口を出す理由はないのですが、率直に言えばもったいないと感じます。サイドバーのAmazonをはずして、ご自身が気に入っているサービスや商品のレビューをこってりと書いた記事に単発で広告を貼っていけば成果が変わると思いますよ(余計なお世話ですが)。
長文乱筆・連投失礼しました。
>このコンバージョン率は、優秀なブログか否かに関わらず、あまり変わらないだろう。
実際は大きく違い、適当に作ったブログと、専門家が書いた中身のあるブログでは手元のデータによると倍以上の開きがあります。
ブログを商品として見た時の営業努力とはすなわち、(1)PVの確保(2)コンバージョン率の向上(3)広告単価交渉、になります。コンバージョン率は日々の研究と努力で上げられますし、それが高いブログが優秀なブログ。それを実現できるのが優秀なブロガーなのです。
>優秀なブロガーの数百人~2000人のために、そこまでアフィリエイトに投資するのかどうか?
ブログの数よりも質へシフトする流れがあります。高単価な広告を配信しているスポンサーに最近増えている手法は、企業側が選んだ良質なブログにのみ広告を配信するといういわばスカウト制です。低質なスパムブログにいくら資金を投じた所でコンバージョンには結びつかず、かえってブランドイメージを毀損しますので、商品名や類推キーワードでトップに表示されていて中身の質も高いブログにのみ、広告リソースを配分するという考えが広まりつつあります。時間が経てば新規参入は難しくなっていくでしょう。
アフィリエイトの月収200万円ほどの者ですが、興味深く拝読致しました。いくつか私見を述べさせていただきますね。(長いのでコメントを分けます)
運営しているブログの月間PVは4万程度です。1PVあたりの収益は50円となります。
ちなみにブラックハットな手法は全く手を付けていません。
>稼げるかどうかの最低ラインのしきい値は、もっと上……おそらく10万PVを超えるあたりではないかと推測する。
月10万円程度の報酬でよければ1日300PVもあれば可能です。転換率に結びつかない無料属性の読者が増えても収益にはなりません。1日10万人が来て100件購入して頂くか、300人が来て100件購入して頂くかの違いですね。
>彼のいう「優秀なブロガー」の定義はなんだろうか?
「優秀なブロガー」の定義を私見で申し上げるならば、
(1)読者の役に立つブログを作れる
(2)ブログを辞めずに継続できる
(3)文章を書くことが大好き
この3点かと思います。
およそ「アフィリエイトで稼げるらしい」といった動機でブログを始められる方のほとんどは、これら3点をクリアできずに1~2ヶ月で頓挫し、ブログの残骸だけが放置されているケースとなります。文章を書くことが好きでもない人が「手軽にお小遣いゲット」なノリで参入している。
アフィエイトは他の副業と比べ即金性に乏しく、成果が出るまでにまっとうな手法では数ヶ月以上かかるため、その間アクセスのないブログを無報酬で更新し続けるのはそれなりに忍耐が必要です。
お金が欲しいと思って始めたのに「数ヶ月無報酬が続くよ」と言われて次に考えるのは「楽してアクセス伸ばせないか」ということです。そして怪しい商材やツールに手を出し、自滅する方がとても多い印象です。