ウォー・オブ・ザ・ワールド|Amazon Prime Video

ウォー・オブ・ザ・ワールド SF/Fantasy

 この作品は、映画というより「脳トレ的カルト映像」だ。
 海外では酷評されているようなのだが、感覚的に新しすぎるがゆえに、このノリの面白さやスピード感についていけないんだと思う。

ウォー・オブ・ザ・ワールド

 酷評記事のひとつが以下。

『宇宙戦争』を新解釈で映画化した『ウォー・オブ・ザ・ワールド』、Prime Videoで配信もRotten Tomatoesスコアが異例の0%に / IGN Japan

H・G・ウェルズのSF小説『宇宙戦争』を新たに映画化した、Prime Videoで配信中の『ウォー・オブ・ザ・ワールド』が、Rotten Tomatoesの批評家スコアで異例の0%となり、観客スコアもそれに迫る低さとなっている。

(中略)

今回新たに『ウォー・オブ・ザ・ワールド』として製作された映画では、ミュージックビデオやCMで知られるリッチ・リーが監督、アイス・キューブとエヴァ・ロンゴリアが主演を務めている。物語はZoomのカメラ、スマートフォンの配信映像、Googleマップの表示画面などを通じて展開され、アイス・キューブはほぼ全編を通してコンピューターの画面を見つめている。

(中略)

本作は批評家と観客の双方から酷評されている。The Telegraphは5点満点の評価で1点のレビューを掲載し、「Amazon版『宇宙戦争』は世に出してはならなかった。このH・G・ウェルズ原作の再解釈で唯一驚くべきは、これが日の目を見てしまったという事実だ」との見出しがつけられた。

 公開がつい先日の2025年なのだが、『ユニバーサル・ピクチャーズの棚に4年間据え置かれていたらしい』という。
 つまり、4年前に撮られた映画なのに、4年後のいま見ても、まだ新しすぎる感覚があるんだ。
 傑作とはいわないが、怪作ではある。

 監督はミュージックビデオなどを手がけているとのことで、なるほどというカット割りだ。パッパッパッと短く画面が切り替わり、そのテンポの速さについていけるかどうかで、動体視力とか情報処理能力が試されているようだ。画面の情報量も多く、これについていけないと、流れに乗れなくなってしまう。
 この速いリズム感が心地よかったね。

 万人受けする映画でないことは確か。だからカルト的であり、数歩先を行く新感覚になっている。海外では酷評でも、日本のAmazonではそこそこの評価をされているというのも、日本のSFアニメ的な雰囲気があるからだろう。サイバーな空気感は、攻殻あるいはエヴァ(使徒にハッキングされるあたり)に通じるものがある。
 エイリアンがハッキングしてくるところは、「ああ、エヴァだ」と思ったよ(笑)。この監督、エヴァを見てるんじゃないか?

 ただね、ツッコミをすると、敵が地球の衛星網を破壊し、インフラを集中的に攻撃しているので、もっと早い段階でネットは寸断されてしまっただろう。そうなると主人公達が活躍する手段はなかった。最後までネットが生きていたのは、ちょっとご都合主義かな。

 余談だが、現実の日本で、来たる大震災などの防災対策で、ネットありき、スマホありきの対策を立てているが、通信網が寸断されたときのプランBがないのは致命的だ。東京が壊滅的になるような大地震や富士山の噴火などがあったら、通信網は相当なダメージを受けるだろう。それに対する備えは聞いたことがない。

 ともあれ、この映画は見る人を選ぶ。
 たぶん、攻殻やエヴァが好きなら、はまると思う。

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