ウィリアム・ギブソンの小説「The Peripheral」を原作とする、ドラマシリーズ。
シーズン1の全8話を見た。8話目が2022年12月2日の配信だった。
ギブスン原作なので、サイバー感たっぷりのドラマになっている。
物語上の時代設定は、2032年。現在(2022年)からは10年後の近未来だ。
バーチャルのシミュレーションという設定で始まるが、じつは2100年の未来世界にシンクロしていることが判明する。
これを見ていて思ったが、メタバースのイメージはコレなんだよね。
理想的なメタバースを、疑似体験しているような感覚になる。SFドラマや映画で、未来のサイバースペースをリアルに見せてくれるから、現在のメタバースのチープさにガッカリしてしまう。
時間軸を移動するタイムトラベルものにもなっているが、移動するのは意識だけで、未来には人体と同等のアンドロイドがあり、その中に意識が入るという設定。映画「アバター」のアバターと似たような設定だね。攻殻の擬体にも相当する。
この物語では「ペリフェラル」と呼ばれる。
時間テーマものだと、タイムパラドックス問題が生じるが、このドラマでは未来から過去に干渉すると、時間軸が分岐するという回避策を採っている。
時間軸違いのパラレルワールドだ。
分岐した世界は「スタブ」と呼ばれていた。スタブ(stub)は「切り株」の意味。
2100年の未来世界は、人口が激減し、荒廃した世界になっている。しかし、ホログラム技術によって、見かけ上は復興した街に見せかけている。
その荒廃した世界をもたらしたのは「ジャックポット」と呼ばれる、複合的な災厄。
未来世界が過去に干渉するのは、ジャックポットを阻止、あるいは意図的に誘発することで、対抗する勢力争いを有利にするためだと思われる。
その戦いに、2032年の主人公たちが巻き込まれる展開。
なかなかスリリングなストーリーで、謎解きの面白さと、銃撃戦のアクションも見せ場だ。
ここ最近のサイバーパンクものとしては、クオリティはかなり高い。
シーズン1では、まだ物語は序盤。
シーズン2の制作も予定されているとのことなのだが、確定はしていないようだ。
このまま終わらせるにはもったいない物語なので、続編を制作してほしいものだ。