1960年公開の映画『宇宙のデッドライン』を見た。
モノクロの映画で、タイムトラベルもののSF映画だ。科学的な設定は、当時としては新しかったと思われるが、いま見ると陳腐なのはしかたない。
宇宙のデッドライン(字幕版)
軍の試験飛行パイロットが時空を超えて2024年に瞬間移動する。そこでは伝染病が世界人類を不妊にさせ多くの人々を恐ろしい変異体へと変えるのであった。
興味深いのは、1960年の主人公が飛ぶ未来が、2024年だというところ。
2023年に生きる私たちにとっては、来年の話だ。
それを思うと、1960年から見た2024年は、遠い未来だったんだなー。
2024年の未来は荒廃していて、人類は絶滅の瀬戸際にあった。その原因が疫病により、人々は不妊になり、ミュータントとして人間性を失っていくというもの。
「疫病」というのに、ちょっとドキッとした。新型コロナを始めとして、21世紀は新種の感染症が次々と出現しているからね。あながち的外れでもない。
過去から来た主人公は、感染していないクリーンな人間として、貴重な存在として扱われる。1960年代のSF映画にはありがちだが、美女が出てきて、主人公と恋に落ちる展開もある。
で、出てくる女性のスカートが、短い!(^_^)b
そうか、ツイッギーのミニスカートブームの時代だからか。記録映像でしか見たことはないが、当時としてはセンセーショナルで、エロいブームだったらしいからね。
ご都合主義的に、同じようにタイムトラベルで、主人公よりもあとの時代の過去から来た科学者がいて、過去に戻る方法があるという。
主人公は過去に戻って、絶望的な未来が来ないように警告しようと考える。
紆余曲折の末、主人公は過去に戻るが、しかし……。
さすがに古典としてのSF映画だが、くそ真面目に作ってあって、当時の核開発に対する批判的なメッセージが含まれている。
1960年の未来観が、垣間見られる作品だと思う。