動画配信時代の日本アニメ

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Netflix

最近、テレビはNetflixを見ることが多くなった。
地上波のテレビをライブで見るのはニュースくらいで、アニメは録画したものを週末にまとめて見ている。
それ以外の時間は、テレビはNetflixの番組を映している。
テレビはBGV(バックグランドビデオ)にもなっているので、なにがしか流しておくのにNetflixはちょうどいい。地上波のバラエティやドラマはつまらない番組ばかりだからね。

Netflixの番組は過去作品でもあるわけだが、一大ライブラリーにもなっている。
その中で、アニメの占める割合は多い。
Netflixオリジナルの作品も登場してきて、動画配信時代は新しい時代に入ったようだ。

スター・ウォーズを超えろ、日本のアニメが握る動画配信戦争の行く末 – Bloomberg

スター・ウォーズを超えろ-。「機動戦士ガンダム」や「超時空要塞マクロス」など新しいアニメ映画が次々と公開された1980年代、日本の若いクリエイターらはハリウッドの大作を超えるクオリティーの作品を目指していたという。

(中略)

日本アニメの海外売り上げは2017年で1兆円弱と過去5年で4倍以上に拡大している。長谷川氏によるとその制作費は多くて10億円程度とハリウッドの大作に比べれば格安で、独自の制作体制を築いたネットフリックスは「一足先に動いている」と評価する。

(中略)

ネットフリックスは制作に介入せず、作りたいものを作れる点を評価する一方、制作費は通常より「若干いい」程度の印象という。アニメ業界は昔から「安い値段で情熱だけでなんとか持ち上げてきた」が、ハリウッドと互角に戦うにはやる気だけでは難しく「10倍ぐらい予算を出してもらえればなんとかなる」かもしれないと述べた

2019秋アニメの寸評でも書いたが、制作本数が多く、粗製濫造気味になっている。
仕事があることはいいことだが、質が低下していけば、結局自分の首を絞めることにもなっていく。

地上波でスポンサーをつけて無料放送する……という、これまでの体裁から、有料のネット配信で作品を公開する体裁に変わっていくのかな。

制作費は通常より「若干いい」程度……というのに苦笑してしまった。
動画配信でも、アニメは安請け合いしているんだなと。
「スタートレック・ディスカバリー」もNetflix配信だったが、こっちは相応に金かけてるよね。それを思うと、日本アニメは足下を見られているのかもしれない。

アニメ業界は昔から「安い値段で情熱だけでなんとか持ち上げてきた」が、ハリウッドと互角に戦うにはやる気だけでは難しく「10倍ぐらい予算を出してもらえればなんとかなる」

そうなる日は来るだろうか?
来ない気がするなー(^^)
仮に10倍の予算を出したからといって、10倍いい作品ができて、10倍ヒットするかっていうと、そう単純な話でもない。

その10倍の金が、どこに使われるかということ。
制作現場がそれで潤えばいいのだが、そうはならずに親会社のお偉いさんたちの懐に消えそうだ。公共事業などがいい例だが、巨額の税金を投入しても、儲かってるのは元請けとなるゼネコンだけで、現場で働く下請け人たちは低賃金で過重労働を強いられる。
アニメ業界の構図も、ほぼ同じだからね。

いずれにしても、アニメ業界の労働条件を、普通のサラリーマンなみに引き上げることが先決だね。
5年辛抱して一人前のアニメーターになったら、年収は1千万円超え……と、そんな時代が来れば、ハリウッドのように優秀な人材が集まるだろうし、制作費も10倍出してくれるようになる……かもしれない。

と、明るい未来が待っているか?
それともさらに環境は深刻になり、日本アニメは衰退するか?

どっちだろうね。

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