受動喫煙のリスクをいうなら、飲酒のリスクも同列に

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タバコの受動喫煙に関する販売元であるJTの発言に対し、国立がんセンターが異例の反論をしたという。

受動喫煙:国立がんセンター 異例の反論文 – 毎日新聞

JTの肺がんリスク疑問視に対し

他人のたばこの煙を吸う受動喫煙を巡り、国立がん研究センターが28日、ウェブサイトで「肺がんのリスクを高める」との研究結果を疑問視するコメントを出したJTに対して「リスクは科学的に明確な結論」とする見解を公表した。国の研究機関が一企業のコメントに反論するのは異例だ。

研究結果は同センターが8月31日に公表。国内の9本の論文を統合して解析し、家庭内で受動喫煙がある人は、ない人に比べて肺がんになるリスクが1.3倍高いという内容で、受動喫煙の肺がんに対するリスクは「確実」と結論づけた。

これに対し、JTは同日付で「いずれの研究も統計学的に有意でない結果を統合したもの」「科学的に説得力のある形で結論づけられていない」などとする社長名のコメントを載せた。

同センターはこれに反論する形で長文の見解をサイトに掲載し「科学的アプローチに十分な理解がされていない」「リスクは明確に立証されており、世界共通の問題」などと指摘。「たばこの煙にさらされることは、人々の健康に危害を与えることだと、社会全体に強く認識されるべきだ」と主張した。

言わんとすることはわかる。
受動喫煙が健康リスクを高めることは確かだろう。
だが、ちょっと待て。
それを言うなら、自動車の排気ガスだって肺がんリスクを高めるし、サンマを焼く煙だってリスクはあるはずだ。交通量の多い通りを歩いていると、排ガス規制が行われているとはいっても、やはり排気ガス臭にむせてしまう。
タバコは厳しい制約を受け、パッケージにデカデカと警告を表示させているのに、自動車にはなにもしないのは不公平ではないか?

自動車のボディに、
「この排気ガスは、あなたの肺がんリスクを高めます」
と、書かなくちゃいけない(^_^)。

そのことを知らされずに排気ガスを吸わされるのは、受動喫煙と同じじゃないか?
まぁ、半分冗談ではあるが、タバコには厳しく、排気ガスにはやさしいようだ。

前にも書いたことではあるが、タバコのリスクを厳しく言うのに比べて、飲酒についてのリスク評価はかなり甘い
以下、まとめサイトから。

ホントはヤバイ飲酒アルコールの悪影響まとめ – NAVER まとめ

“飲酒により生成されるアセトアルデヒドは極めて毒性が強い”

出典:お酒に強い人、弱い人 アルコール代謝の個人差 酒は、なによりも、適量です。 サントリー

アルコールが体内に入ると、まずアセトアルデヒドに分解されますが、この物質は極めて毒性が強く、顔面の紅潮、頭痛、吐き気、頻脈などの不快な症状を引き起こします。


“日本人の約半数はアセトアルデヒド分解能力が弱い”

出典:KIRIN_CSR・環境活動_知る・楽しむお酒と健康_飲酒の基礎知識_日本人の約半分はお酒に弱い!?

ALDH(アルデヒド脱水素酵素)にはアセトアルデヒドが低濃度の時に働く「ALDH2」と、高濃度にならないと働かない「ALDH1」があります。日本人の約半数は、生まれつき「ALDH2」の活性が弱いか欠けています。


“アセトアルデヒドには発がん性がある”

出典:アセトアルデヒド – Wikipedia

アルコール飲料の摂取によって体内で生じるアセトアルデヒドには発がん性がある。
建築材から放出されるアセトアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質のひとつとして問題視されている。アセトアルデヒドはたばこの煙にも含まれている。


“飲酒はがんの原因となる”

出典:酒 – Wikipedia

WHO(世界保健機関)では、飲酒は口腔癌・咽頭癌・喉頭癌・食道癌・肝癌・大腸癌と女性の乳癌の原因となる[8]として注意喚起を行っている。飲酒は喫煙と同じく深刻な健康被害をもたらすため、多くの人々に問題を知らせ、極めて有害であるアルコールの真実を効果的に伝える必要があるとし呼びかけを行っている。


◆適量を飲んだほうが健康に良いとは言えない◆

適量のお酒を飲む人の方が、飲まない人より死亡率が低い統計結果も存在するが…

“お酒を飲まない人のグループの中に昔は飲んでいたけれども健康を害して止めた人や、もともと身体が悪くて飲めない人などが含まれている。”

出典:飲酒とがん死亡率との関係について:たばこの影響 | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 独立行政法人 国立がん研究センター がん予防・検診研究センター 予防研究部

今回の調査では、ときどき飲む人よりも、飲まない人の方が、がん死亡率が高くなっていました。 この結果は、ときどき飲むことががんの予防につながったためという可能性もあります。けれども、より可能性が高いのは、お酒を飲まない人のグループの中に、昔は飲んでいたけれども健康を害して止めた人や、もともと身体が悪 くて飲めない人などが含まれているからだと思われます。


“米誌「New York Times」の記事によると、これまでの様々な研究において、適量飲酒と死亡リスクに因果関係があることを証明したものは存在しない”

出典:「適量飲酒=長寿の源」はウソ? – ライブドアニュース


◆アルコールの悪影響~依存性◆

“アルコールは、麻薬、覚せい剤、タバコ、睡眠薬などと同じく、依存性のある薬物の一種”

出典:アルコールと依存|e-ヘルスネット[情報提供]


“アメリカ国立薬物乱用研究所の評価によるとアルコールによる切望感はニコチンを超え、禁断性、陶酔性はヘロイン、コカインを越える”

出典:ニコチン依存症 – Wikipedia


◆アルコールの悪影響~脳の萎縮◆

“飲酒量が増えるほど脳が萎縮する”

出典:アルコールと認知症|e-ヘルスネット[情報提供]

最近の調査によれば、飲酒量と脳萎縮の程度には正の相関が見られることが報告されています。すなわち、飲酒量が増えるほど脳が萎縮するということです。一方、飲酒による脳萎縮は断酒することによって改善することも知られています。萎縮以外の影響としては、アルコールが加齢による記憶、学習低下を促進することが動物実験では証明されています。


あなたの飲酒 大丈夫? – NHK クローズアップ現代

アルコール依存症の人の脳は前頭葉が萎縮した分黒い隙間が見えています。前頭葉は酒を飲みたいという欲求を抑制する機能があります。しかし、アルコール依存症になると飲みたいという欲求が大きくなるにもかかわらず前頭葉の脳細胞の一部が破壊されて欲求を抑制できなくなる。


◆アルコールの悪影響~自殺リスクが高まる◆

“飲酒量が増加することで自殺リスクが高まる”
出典:飲酒と自殺リスクとの関連について | 社会医学講座公衆衛生学分野

多量飲酒者(1日当たり日本酒換算で2合以上)の自殺リスクは、非現在飲酒者(非飲酒者+過去飲酒者)と比べて3.3倍高く なりました。さらに、1日1合未満の少量飲酒者においても自殺リスクが1.7倍と高いリスクが示されました。また、飲酒量が増すにつれ、自殺のリスクが直 線的に高くなりました。


◆アルコールの悪影響~肥満のリクス◆

“アルコールの分解の過程で中性脂肪の合成を促進させる酵素を発生させてしまう”
出典:アルコールで中性脂肪が増える?

そのため肝臓での中性脂肪の合成が進み、肝臓での中性脂肪が増えるのです。また、アルコールを摂取すると、肝臓で中性脂肪が合成されるのですが、その中性脂肪の合成のピークはアルコールを摂取してから12時間後です。さらに中性脂肪が肝臓から運び去られるまでには12時間かかります。毎日アルコールを摂取していると、肝臓が中性脂肪を処理しきれなくなり、中性脂肪が肝臓にたまってしまうのです。


“アルコールは筋肉の成長を阻害する”
出典:お酒(アルコール)と筋トレの関係 肉体改造研究所(筋トレ&ダイエット)

筋肉を成長させ、大きくするホルモンにテストステロンというものがあります。
これはいわゆる男性ホルモンなのですが、アルコールを飲むとテストステロンの分泌量が下がってしまうんです。またアルコールを飲むとコルチゾル(コルチゾン)という物質の分泌量が増えますが、このコルチゾルには筋肉を分解する働きがあります。
大量に飲酒した場合、タンパク質を合成する力が40%以上も低下するというデータもあるので、飲みすぎれば深刻な影響が出ると考えられます。


◆アルコールの悪影響~社会的影響◆

“飲酒は貧困問題の原因となっている”

出典:酒 – Wikipedia

飲酒と貧困 には、世界の貧困問題と不可分である。世界的に、学歴が低く、低所得、失業中などの人において飲酒率が高いことが多数の統計的研究によって裏付けられている。複数の研究では、貧しい国の中には家計の約18%が飲酒に費やされていることもあると指摘されている。そのため、少ない所得から食費・健康管理費・教育費などがさらに削られ、栄養不良・医療費増大・早死・識字率低下をもたらし、社会階層の固定化に影響している(WHOによる)


“アルコールの飲み過ぎによる社会的損失は年間4兆1483億円に達する”

出典:アルコール関連問題を正しく理解しよう | アル法ネット(アルコール関連問題基本法推進ネット)

アルコールの飲み過ぎによる社会的損失は年間4兆1483億円に達する、という厚生労働省研究班の推計がある。 2008年のデータを基にした推計で、内訳は、肝臓病・脳卒中・がんなど飲み過ぎによる病気やけがの治療に1兆226億円。 病気や死亡による労働損失と、生産性の低下などの雇用損失を合わせて3兆947億円。 自動車事故・犯罪・社会保障などに約283億円。

……飲酒のリスクはだまだあるが、これだけあってもタバコに対する嫌煙・禁煙運動のような、嫌酒・禁酒運動は起こらないのだ。
不思議というか、ご都合主義だよね。

飲酒運転による悲惨な交通事故は、たびたび起きている。「二度とこんな事故が起こらないように……」と定型句のようにいわれるが、事故は繰り返される。
だが、それでも嫌酒・禁酒運動は起こらない。
なぜか?

酒は、必要悪と考えられているように思う。
害はあるが、なくなると困る人がたくさんいる。酒を禁止すると、かつてのアメリカの禁酒法時代のようなことになってしまうかもしれない。
経済のかなりの部分は、酒なしには成り立たなくなっている事情もある。

▼缶ビールにも、タバコ同様の注意書きを入れると、こんな感じ。

缶ビールにも、タバコ同様の注意書きを入れると、こんな感じ。

缶ビールにも、タバコ同様の注意書きを入れると、こんな感じ。

インパクトとしては、タバコよりも強烈かな。
冗談抜きに、こういう注意書きは必要な気がするのだが……。

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