禁煙運動をする医師らは、「タバコゼロ社会」を目指しているという。
それほどまでにタバコを目の仇にしている様は、ヘイトやナショナリストにも似ている。
麻薬等の禁止薬物ならまだしも、タバコは一定の条件の下で許可されているものだ。
それは酒類と同じ。
禁煙運動家たちの主張には、疑問を感じることは多い。
加熱式もやはり有害=「タバコゼロ」目指し医師が総会(時事通信) – Yahoo!ニュース
「タバコゼロ社会」を目指す日本禁煙推進医師歯科医師連盟学術総会が千葉市で開かれた。2020年の東京オリンピック・パラリンピックや25年の大阪万博を見据え、受動喫煙防止条例の制定を目指す自治体の動きが加速している。総会では、既に条例を制定している3自治体の関係者や禁煙運動を進める医師らが報告。加熱式たばこも紙巻きたばこと同様に有害だとした上で、誤った認識に警鐘を鳴らした。
(中略)
岡本氏は「大人がたばこを吸うのは、児童虐待の一種だ」
(中略)
参加した産業医科大学の欅田尚樹教授は「吸収する有害成分の減少と健康被害が生じるリスクは比例しない。加熱式たばこと紙巻きたばこで健康リスクを比較すれば、ほとんど違いはない」と指摘。また、加熱式たばこで生じる霧状のミストに含まれている化学物質の総量自体は紙巻きたばこと大きな違いがないと報告した。
(中略)
大和教授は「加熱式たばこのエアロゾルにも有害物質が含まれ、周囲に受動喫煙と同様の問題を引き起こす可能性が高い」と指摘。
(中略)
「特に影響を受けやすい乳幼児ではぜんそくや中耳炎の原因になることが考えられる」と警鐘を鳴らした。
この記事は「時事通信」が配信元なのだが、本家の時事通信のサイトには記事が出ていなかった。昨日の配信なので、出ていないのが不思議なのだが……?
ともあれ、この過激なまでのタバコ叩きはすさまじい。
加熱式タバコも許さないと強気だ。
「加熱式たばこのエアロゾルにも有害物質が含まれ、周囲に受動喫煙と同様の問題を引き起こす可能性が高い」……ということだが、その科学的データは示されておらず、「可能性」を推測しているだけ。
それが医師、科学者のいうことなのか?
前エントリ(死因は大気汚染が喫煙を上回る?)にも関連するが、喫煙よりも大気汚染の方が死因として高くなるのだから、有害性を問うなら「タバコゼロ社会」ではなく「クルマゼロ社会」の方が目指すべき方向である。
彼らの主張を踏まえると、こう言い換えることもできる。
- 「大人が車に乗って排気ガスを出すのは、児童虐待の一種だ」
- 「加熱式たばこと紙巻きたばこ、車の排気ガスで健康リスクを比較すれば、ほとんど違いはない」
- 「車の排気ガスには有害物質が含まれ、周囲に受動喫煙と同様の問題を引き起こす可能性が高い」
- 「大気汚染は、特に影響を受けやすい乳幼児ではぜんそくや中耳炎の原因になることが考えられる」
タバコゼロと同様に、クルマゼロを目指すのに十分な主張ではないか?
健康被害の可能性をいうのであれば、酒は量の多少に関わらず脳細胞がダメージを受けるし,飲酒による健康被害はいろいろとあるし、飲酒運転による悲惨な事故はあとを絶たない。
また、加工肉はよくないとか、魚や肉の焦げた部分には発がん物質があるとか、肉そのものがよくないとか、糖質がだめ、脂質がだめ、牛乳がだめ……などと、いろいろなことがいわれる。
「酒ゼロ社会」「肉ゼロ社会」「糖質ゼロ社会」「脂質ゼロ社会」「牛乳ゼロ社会」……etc
世の中にまったく無害なものなどあるはずもなく、つきつめていくと、地球環境にとって人間が害である……ということになってしまう。
「人類ゼロ世界」
人類が地球からいなくなれば、すべての生物にとってありのままの自然な環境になる。
家畜にされ食べられることもなく、食糧として狩られることもなく、森は切り倒されることもなく、環境汚染にさらされることなく、生物は本来の生き方で生きていける。
話がそれた(^_^)
日本の喫煙人口は、2018年調査で、推定1,880万人。
日本の自動車保有数(2018年12月末現在)は、8,219万2,828台。
自動車は喫煙者の、約4.4倍。
量的には圧倒的に車の方が多い。その排気ガスの量的な健康被害の可能性は、タバコよりはるかに大きい。
しかも、車の交通事故によって、毎年4000〜5000人が死んでいる。
それなのに、なぜ車は問題にしないのか?
たびたび書いていることの繰り返しになるが、タバコは世間の評判が悪いから、叩きやすいために攻撃されているように思う。
「タバコは悪」
といわれても、喫煙者自身が体に良くないことを自覚しているから、反論しようがない。
喫煙者をいじめても咎められることがない。
嫌煙・禁煙をふりかざすことは「正義」になっている。
なんかねー、それは違う気がする。
タバコゼロ社会より、クルマゼロ社会の実現こそが、次世代の、未来のために必要なことではないかと思うのだ。
受動喫煙が原因と思われている疾患が、じつは大気汚染によるものという可能性だってある。
いや、そもそも疾患原因で、タバコと大気汚染の違いを明確に区別できるのだろうか?
喫煙者は年々減っているのに、がん患者は増えているのは、なぜなのか?
禁煙運動家たちのタバコに向ける敵意を、大気汚染、車の排気ガスに向けて欲しい。
タバコゼロ社会になっても、大気汚染による死亡リスクの方が高いのだから、あまり効果は期待できない。
タバコ産業を潰すことにはなるだろうけど。
それとも、JTを潰したいだけなのかな?
嫌煙・禁煙の世論のお陰で、タバコを吸える場所はかなり少なくなった。
喫煙者は肩身の狭い想いをしている。
それでもなお叩くのは、喫煙者いじめにしかなってないように思う。
健康に悪いことは承知の上で、タバコは法律で許可された嗜好品だ。それをたしなむ権利もある。
それは酒と同じ。
一定の条件のもとで、喫煙を容認することも必要ではないだろうか?
どうしてもダメというのなら、法律を変えて、禁止するしかない。
タバコの販売が違法になれば、タバコゼロ社会は実現できる。
だけど、健康問題、環境問題の本丸はタバコじゃない。
むしろ、タバコは後回しでいいくらいだ。喫煙者は、喫煙室に放り込んでおけばよい。
マジでクルマゼロ社会を目指さないと、数十年後に大変なことになるかもしれないぞ。