大気汚染で認知能力が低下する?

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©Mysticsartdesign / Pixabay

大気汚染が健康に良くないことは誰しも認識していることだが、呼吸器系の疾患だけでなく脳の認知機能も低下するという研究報告。

これって、けっこうヤバイ問題かもしれない。

大気汚染で認知能力が低下、年齢が高いほど顕著 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

 汚れた空気を吸うと肺が傷つけられるだけでなく、知能が低下する可能性があることが新たな研究で示された。

(中略)

大気汚染と脳の健康について盛んに研究されるようになったのはこの10年ほどだ。

(中略)

大気汚染は肺だけでなく、心臓、脳、そして生殖器系にも多少の影響を及ぼすことが、これまでの研究で示されている。

「毒性のある物質が体の中に入ってしまったら、その影響はあらゆるところに及ぶ可能性があります」とコスタ氏は言う。汚染物質は血液によって脳に運ばれると氏は考えている。

(中略)

世界保健機関(WHO)は2018年、世界中で10人に9人が汚染された空気を吸っていると報告した。米国の場合、米国肺協会が発表したその割合は、10人中4人である。

私の過去記事の、「タバコの煙」 vs 「車の排気ガス」、どっちがより有害か?……では、タバコと排気ガスの比較をしたが、大気汚染の大きな原因のひとつである車の排気ガスは、タバコと比べれば、数も排出量も圧倒的に多い。ちなみにこの記事は、アクセス数の多い記事にもなっている。

温暖化だけでなく、人々が将来的にバカになるとしたら大変な問題なのではないか?
冗談みたいなほんとの話。

しかし、だからといって大騒ぎにはならないんだよね。マスメディアは取り上げないだろうし。
タバコでは喫煙者は罵られ排斥されるが、車を運転している人が同様の扱いを受けることは、おそらく起こらない。
将来的には電気自動車にシフトしていくだろうが、まだ数十年はガソリン車やディーゼル車は残る。その間も、大気汚染は続くことにもなる。

通りを歩いていて、車が往来していれば、否応なく排気ガスを吸うことになる。ずっと息を止めていられるわけではないし、完璧な防毒・防塵マスクをするわけでもない。人々は、排気ガスが臭いと思いつつも、自動車メーカーや政府に文句をいったりはしない。

認知症の遠因が大気汚染だとしたらどうだろう?
認知症になる年代は、50年以上、汚染された大気を吸ってきたわけだから、まったく無関係というわけでもないのではないか?

私が子供だった時代はひどかったね。
工場からは絶えずモクモクと煙が噴き上がっていたし、川は垂れ流される廃液でヘドロがたまり、悪臭を放っていた。農薬はガンガンまかれ、周りに住宅があるのに、小型飛行機で空中から散布もしていた。夏になると、蚊の駆除のために、殺虫剤をエンジン駆動のポンプで煙のようにして、ボーボーと家々と排水路にまいていた。

今では考えられないような無茶苦茶をやっていたのだ。ほんの40〜50年前の話。
そんな環境で育った私たち世代は、長生きしないと思うよ。長生きしても、認知症になってしまうのでは生きている意味が薄れる。

大気汚染と脳の健康について盛んに研究されるようになったのはこの10年ほどだ。」ということで、まだまだ解明されていないこともあるのだろう。深刻度としては、タバコ以上ではないかと思うのだが……?
東京都は受動喫煙防止条例を可決し、禁煙を促進しているが、大気汚染が認知機能を低下させることは、タバコによる健康被害以上のことではないか?
ならば、今度は電気自動車以外の車を禁止する、受動排気ガス防止条例を作らないといけない。

しかし、嫌煙運動のような、嫌車運動は起こりえない。
交通事故で毎年4000人あまりが亡くなっていても、排気ガスで大気汚染や温暖化の原因になろうが、汚染した空気によって認知能力が低下しようが、生活に欠かせない自動車のメリット、産業としてのメリットの方が、害よりも重要だと考えられているからだ。

はてさて、どうしたものか。

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