アスファルトが大気を汚染している?

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アスファルトが大気を汚染している?

文明の利器は、快適さや利便性を高める「いいところ」ばかりではなく、害をなす「悪いところ」もある。
メリットとデメリットを天秤にかけて、デメリットが大きければ「有害」として規制や排除の対象となる。
PCB、アスベスト、フロンガスなどが典型的な例。
そのリストに「アスファルト」が加わるのだろうか?

アスファルトが大気汚染物質を放出していることが判明。車と工場を止めても空気は汚れる | ギズモード・ジャパン

イェール大学の研究チームが科学誌Science Advances上で、「アスファルトは二次有機エアロゾルの発生源である」という新たな研究を発表しました。二次有機エアロゾルとは、喘息や公害病のもととなる粒子状物質の一種。今回の研究で、夏場のアスファルトが「ガソリン車やディーゼル車よりも多くの汚染物質を放出している」ことがわかったのです。

(中略)

今回の研究のきっかけとなったのは、過去に行われたロサンゼルスの大気汚染に関する調査です。同市の大気中には半揮発性有機化合物と呼ばれる汚染物質が含まれていたのですが、どうしてもその原因が特定できなかったのです。そこに注目した研究チームが、「もしかしてアスファルトじゃない?」と興味を持ったのが始まりでした。研究では、道路舗装と汚染物質の関連性を判断するため、アスファルトをさまざまな温度にさらす実験を行いました。

(中略)

「都会は暑い」といいますが、暑い都市部のほうが涼しい農村部より大気が汚染されていることも事実。これは数々の研究が証明しています。これまでは自動車や工業などが身近にあるから、という要因が主でしたが、今回の研究で「アスファルトまでもが都会の大気を汚染している」と判明してしまったのです。

なるほど、大都市圏に喘息や様々なアレルギー患者が多いのは、これが一因かもね。
私たちはアスファルトに囲まれて生活している。緑に囲まれた田舎は別にして。

都会では地面が露出しているところの方が少なく、いたるところをアスファルトで固めている。道路だけでなく学校の運動場までアスファルトで固めてあったりする。汚染物質の放出源の上で生活しているようなもの。そりゃ、健康を害する人が多いわけだ。

かつてはアスベストが耐火性に優れているなどの利点から、建築に多く使われたが、のちにその有害性が判明すると、アスベストは撤去に舵を切った。

アスファルトはどうなるか?

記事にもあるように、代替品は難しいとなると、問題にしない可能性もある。
コンクリートで代替できないのは、コンクリートは固まるのに時間がかかるからだ。道路の工事現場を見ればわかるように、アスファルトは道路に敷きつめてローラーで固めるだけで完成する。使い勝手がいいわけだ。

道路は地下に埋設されている水道管やガス管を、メンテナンスするときに掘り返すことがある。掘り返すときに、アスファルトは剥がしやすく、埋め戻すのも容易。継ぎ接ぎだらけで見た目は悪くなるものの、工事はしやすい。

コストも安く利便性もいいとなれば、これに代わる代替品は見つかるだろうか?

すでに、ほぼ全部の道路に使われているアスファルトを、別のもので舗装し直すのは、膨大なコストがかかる。
それは現実的に無理だろうね。

ということは、私たちはアスファルト公害とその健康リスクを受け入れるしかない。
それが寿命を縮めることになるとしてもね。

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