タバコ規制を掲げることは、反対の声が上がりにくいから、政治家にとって都合のいい人気取り政策になっているようだ。
また、増税は反対されるが、タバコに限っては税金を上げやすい。タバコは悪者にされながらも、都合良く利用されている。
私のブログでも度々取り上げてきたが、タバコの「害」をいうのであれば、酒の「害」も同様にいわなければいけない。
しかし、嫌煙運動は支持されても、嫌酒運動は起きない。
そうした矛盾について、マスメディアでようやく正論が載せられていた。
もはや「タバコ規制」は根拠を失った | プレジデントオンライン
1つ目は、「タバコは絶対禁止」にするのであれば、タバコよりも社会的に損失を与え、健康被害が明確に確認されている「お酒」についても「絶対禁止」にする必要があるということだ。
英国のがん研究所は「がんに関しては安全な飲酒量などない」と断言している。口腔がん、咽頭がん、食道がん、乳がん、肝臓がん、大腸がんは、アルコールとの関係が指摘されている。飲酒による事故やDVなどの社会的損失は、厚生労働省研究班の調査によると4兆円以上で、タバコは半分の2兆円だ。タバコが子どもにとって危ないという以上に、酔った人物による幼児虐待、暴力事件は後を絶たない。そういったお酒の被害者の声に耳を傾けずに、タバコだけはダメ、ということにはならない。
(中略)
兵庫県は「現時点で健康被害の恐れがないとの証明がなされていない」という。しかし、これは「悪魔の証明」と呼ばれるものである。「健康被害の恐れがない」との証明などできるはずがない。そんなことを言うなら、兵庫県庁の職員よ、身の回りにあるもので、健康被害の恐れがないことを証明してみてほしい。大根でもきゅうりでもいいのだ。健康被害の恐れがないことなど証明できようはずがない。
ちなみにでいうが、白米だって、牛肉だって、健康被害の証明はされている。
・白米には、糖尿病のリスクと正の相関関係がある。つまり、糖尿病になる危険が増す。
・加工肉の摂取量が1日あたり50グラム増えると脳卒中のリスクが13%増加する。赤い肉の場合は、1日あたり100~120グラム増えるごとに脳卒中のリスクが11%上がる。
(津川大介著『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』より)兵庫県は、健康被害が明らかになっている白米やソーセージを禁止しようというのだろうか。そうではないだろう。きちんと加熱式タバコの調査もせずに、感情論で先走るのは止めたほうがよい。
私の過去記事と、ほぼ同様の指摘だ(^_^)。
▼過去記事
喫煙と飲酒の死亡率(2008年4月4日)
喫煙による経済的損失について(2008年9月17日 )
嫌煙は盛んだが、なぜ嫌酒はないのか?(2010年5月7日)
嫌酒運動は起こるか?(2010年7月7日)
受動喫煙のリスクをいうなら、飲酒のリスクも同列に(2016年9月30日)
私は喫煙者だが、現在は加熱式タバコになっている。
だが、健康のために、タバコは吸わない方が良いことには賛成する。
加熱式タバコ(プルームテック)にして、タバコ臭がつかなくなったし、ニコチン依存度は下がった。歯につくヤニもなくなったので、歯はきれいになった。
ニコチンもアルコールも、依存性があることでは同等なので、摂らないにこしたことはない。どちらも、体には不必要な化学物質であることは同じ。
タバコと同様に飲酒も禁止すれば、酒が原因で死ぬ人はいなくなる。
アルコール中毒になる人はいなくなるし、飲酒運転による悲惨な事故もなくなる。酒におぼれて、人生を台無しにする人もいなくなる。
みんながハッピーになれるではないか。
ぜひ、禁酒法を成立させるべきである。
……とは、ならないんだよね。
それはなぜか?
一番の理由は、量の多少にかかわらず、酒を飲む人が圧倒的多数派だからだ。
また、酒を造る会社、酒を提供する店が多数で、規制することに反対される。
つまるところ、タバコと酒の違いは、多数派であるかどうかということ。
健康被害のことを第一に考えるなら、酒も規制すべきなのに、それをしないのはご都合主義でしかない。
件の政治家が、タバコ規制ではなく飲酒規制を打ち出したら、人気取りどころか猛反対をされるだろう。
飲酒規制は、政策としてのメリットがない。
それだけの理由だ。
全面禁酒は無理だとしても、路上や電車内などの公共の場での飲酒規制はしてほしいものだ。
ときどき通勤電車内で飲酒している人に出くわすが、酒臭くてかなわん。
酒臭い呼気には、エタノールが分解されて発生するアセトアルデヒドが含まれている。アセトアルデヒドは毒性の高い化学物質であり、発がん物質でもある。これはタバコの受動喫煙と似たようなもの。
これを規制しないのは、なぜか?
私は酒は飲まないので、飲酒規制には諸手を挙げて賛成する(^_^)。
酒は料理に使うだけ。
たばこの税率は約63%ということだが、酒類の税率はビールで約40%。
ここはタバコと同等にしたらいい。
税収が上がるだろうし、飲酒量の抑制になる……かもしれない。
スーパーの酒コーナーは、かなりのスペースを取っているから、いかに消費量が多いかがわかる。
飲酒規制はした方がいいよ。
国民の健康と安全を優先して考えるならね。
それが医療費の抑制にもつながるはずだ。
日本では、アルコールを取り締まり出来ない理由は、この本に書かれています。
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106107996/aic-22
「禁酒派」が弥生人の子孫で、「飲酒派」が、縄文人の子孫なのでしょうか?
アルコールを絶対禁止したら、日本は人種問題を抱えることになりかねません。