日清の大坂なおみ「アニメCM」の肌色問題


カップヌードルの日清が、アニメにテニス選手の大坂なおみをキャラとして登場させたが、その肌の色が違うことで炎上した。
この問題は、日本は人種差別に鈍感だという、典型的なケースだといえる。

NYタイムズ、大坂なおみ「アニメCM」を批判 日清に取材すると「公開停止へ」 : J-CASTニュース

 テニスの大坂なおみ選手(21)をアニメにした日清食品のCMについて、米ニューヨーク・タイムズ紙が「肌が白いと日本で批判されている」と指摘し、同紙の取材に対し、日清食品は配慮が不十分だったと謝罪したと報じた。

白人のように描くことはホワイトウォッシュと海外で呼ばれているが、日清では、「そのような意図はない」とJ-CASTニュースの取材に答えたうえで、騒動を受けてCMの公開を停止することを明らかにした。

(中略)

記事では、CMが公開されると、大坂選手のファンらから、とても失望したとする声が出ているとし、「ハーフと呼ばれる人たちがその肌のままでは不十分だと言っているのに等しい」などとする日本在住の黒人作家、バイエ・マクニールさんのコメントも紹介された。

日本の社会では、「みんな同じ、同じでなければいけない」という同調圧力が強い。
平等と均質を区別できないのだ。

学校の校則は、髪は黒でストレートヘアでなければいけないと決められ、生まれつき赤毛の場合には黒く染めるようにいわれ、天然パーマだとストレートのパーマにするようにいわれる。
不揃いのリンゴは許されず、規格にあったリンゴのみが認められる。
「みんな同じ」が平等だと勘違いしている。

いまはなくなったと思うが、昔は色鉛筆の色の名前に「肌色」というのがあった。
日清の問題動画で、大坂なおみキャラに塗られた色が、昔の「肌色」だ。
実のところ、あの肌色は黄色人種の肌色ではなく、白人系の肌色なのだが、日本人の願望的な意味合いもある色だった。

だが、日本人は「肌色」というのが、差別的であるという認識がない。
日本人同士であれば、肌色は微妙な違いはあっても、ほぼ共通した色だったからだ。
私は色白で、あまり日本人っぽくない。
背が高く、足も長いため、「ハーフ?」と聞かれたこともある。
日本人離れしていると、違和感を感じるのだ。

問題動画を作った人たち、それを承認した日清の人たちは、大坂なおみキャラを日本人的に変換したことに違和感は感じなかったのだろう。
なぜなら、それが多くの日本人の普通の感覚だからだ。
「日本人なら、肌色はこうだよね」と。

「テニスの王子様」という作品自体も、リアルな日本人ではなく、理想化された白人的なキャラに変換されている。
日本人の白人化はいいけど、褐色の肌の白人化はだめ。
この線引きもおかしな話なのだが、違いが大きいことと、人種的な過去の経緯が絡んでいる。

この騒動で一番の問題点は、制作された動画を公開するまで、関係者が誰も肌色を変えたことに異議を唱えなかったことだ。
「これ、いいんですか?」
と、言った人はいなかったのか?
それがスルーされてしまったことが、日清の、ひいては日本社会の問題点なんだ。

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