学校の校則には意味不明、理不尽なものも多い。
問題なのは、校則が憲法よりも優先されていることだろう。憲法で保障されていることでも、校則では保障されない。軍隊式の管理が行われているのが、学校という閉鎖環境にもなっている。
校則による髪型についての記事。
先生、この髪形だめですか ツーブロック「高校生らしくない」 校則違反、基準に疑問|【西日本新聞】
「なぜ、ツーブロックの髪形がだめなのでしょうか」。ツーブロックは頭頂部を長く残し、サイドや後頭部を短く刈り上げた若者に人気の髪形だ。取材班が福岡県立の高校・中等教育学校全95校の校則を調べたところ、少なくとも約3割の27校が禁止項目に明記していた。
男子生徒は中学1年だった2015年4月、服装検査で教員の指導を受けた。「君の髪はツーブロック。校則違反だからすぐに直してくるように」。中高生の散髪も手掛ける美容師には、ツーブロックが校則違反と伝えてカットしてもらっていた。それでも教員に指摘されて素直に従い登校するも「まだだめだ」。
もう一度、美容室で髪を切り、ほぼ丸刈りにしたがなおも認めてもらえず、憤った保護者が学校に抗議。違反の基準や根拠を示すよう求めた。しかし学校側は「見た目で判断しており、明確な基準はない」と回答しただけだったという。
(中略)
禁止する理由として、多くは「高校生としてふさわしくない」ことを挙げる。
こういう学校の対応を見ていると、無性に腹が立つ。
私の中学〜高校時代と、あまり変わっていない。学校現場は、いまだ昭和の時代のままだ。
私の時代も、変な校則はいろいろとあったが、当時から髪型には厳しかったね。ちょっと長くなると注意されるし、癖っ毛の私はパーマを疑われたりもした。
男子はヒゲが生え始める年頃でもあるので、無精ヒゲが伸びていても注意された。子供はヒゲが生えてはいけないとばかりに。若い頃は、ヒゲが伸びるのも早いので、1日ヒゲ剃りをさぼると、うっすらと無精ヒゲになる。それは許されなかった。
そもそも制服というのが嫌いだった。私の時代は、男子は学ラン、女子はセーラー服だったが、あれは軍服がベースだ。学校とは軍隊の代替物だったのだと思う。
なぜ、みんなと同じ格好をしなければいけないのか?
「みんなと同じ」というのが大嫌いで、「オレはオレだ! その他大勢と一緒にするな!」と心の中で吠えていた(^_^)。
教育で、「多様性」とか「個性的」とか「創造性」とか、偉そうな建前を掲げるくせに、髪型や服装の自由は認めないし、集団から突出した行動や発言は注意される。
出る杭は打たれるだ。
「高校生らしくない」あるいは「高校生らしさ」の定義はなんなのだ?
教師にとっての高校生らしさとは、管理しやすい、聞き分けのいい生徒で、従順な子供なのかもしれない。リンゴやミカンの選別のように、粒ぞろいで、形も良く、傷や汚れもないものとしての、高校生らしさを求めているのだろう。
いい商品(生徒)を作るのが、いい教師の仕事……なのかもね。
「高校生らしくない」……この発想は、ある枠の中に子供(人間)を当てはめることであり、その枠からはみ出たものは、規格外品というレッテルを貼ることでもある。
それはつまり、差別や偏見の発想と同じだ。
その考え方を拡大すると、「日本人らしくない」とか「日本人らしさ」を求めることになる。
その典型例が、テニスの大阪なおみ選手をアニメ化したCMの「肌色」問題だ。
褐色の肌は「日本人らしくない」から、日本人らしい色にした。
「高校生らしさ」を子供たちにはめ込むのと同じ発想だ。
記事に出てくる生徒への教師の対応は、教師による生徒へのイジメだ。
パワハラであり、生徒の人格否定であり、基本的人権の侵害だ。
教師は学校という閉鎖世界での支配者であり、生徒は虐げられる臣民のような立場。逆らうことは許されないし、口答えしようものなら「問題児」にされる。
教師は自らの力を誇示するために、校則という武器を行使して、生徒を従わせる。
学生だった昔を思い出すと、今でもある教師を思い出してムカムカと怒りが沸き上がってくる。その教師は、おそらく高齢で死んでるだろうけど、記憶の中にあいつは生きている。
だが、生徒が理不尽な校則や教師に、まともに対抗できるはずもない。不本意であっても、従うしかなかった。ささやかな抵抗として、嫌いな教師のテストを白紙で提出したりもした(^_^)。そんなことをすれば呼び出されて説教されるのだが、口答えはしないが肯定的な返事もせずに対峙した。
「おまえに従う気はない」と、沈黙で反抗していた。
昨今では、生徒が教師に暴力を振るう事件が起きたりもするが、昔は教師の立場はずっと強力だった。生徒は絶対服従だったのだ。
いちいち校則なんか作らなくても、憲法と法律があるじゃないか。
憲法・法律を守っていれば、健全な社会生活は営める。
悪い教師ばかりではなく、尊敬できる教師もいた。
しかし、名医が希少であるように、名教師も希少だ。
7割は凡庸教師、2割はダメ教師、1割がいい教師だったね。
生徒は先生を選べない。
嫌な先生に当たったら、不幸な学生生活になる。
声を大にしていおう!
校則なんて、クソ食らえ!