地球温暖化をはじめとして、未来の気候を悲観的に予測するのは、もはや既定路線になっている感があるのだが……。
それらは説のひとつであって、異論を唱えると邪道扱いされる風潮にある。
スパコンでシミュレーションしたりもするが、気候変動の仕組みが完全に解明されたわけでもなく、パラメーターとして設定される要素は限定的だ。
短期的な来週の天気でも正確には予測できないのに、100年後、数百年後の予測はさらに変動要素が多くなる。以前から、温暖化懐疑論は少数ながらあったのだが、最近は新たな理論や予測が出てきている。
そんな論文記事。

地球の気候予測に誤りがある可能性、研究 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News

地球温暖化の影響で、20世紀には前例がないほど異常な降水量となるとした予測は誤りだとする研究論文が6日、発表された。将来の傾向を予測する方法についても、疑問視している。

英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文によると、北半球の過去1200年の降水量について大規模な調査を実施した結果、化石燃料に起因する地球温暖化が始まる以前の、平均気温がより低かった時代に、こうした極端な現象がより多く発生していたことが明らかになったという。

これにより、地球温暖化が原因で1900年代に記録的な降水量となると予想された際に使用されたデータモデルが、今後を予測する際の基礎になっていることは、問題だとしている。

これは正論だと思うね。
近代的な気候観測が可能になったのは、ここ150年ほどなので、それ以前の気候データは古文書の記述や地質学的な残存物からの推測でしかわからない。地層や化石から推測される過去の気候には、現在よりも温暖化していた時代があったことはわかっている。
たとえば、縄文時代の最盛期(およそ7000年前~5000年前)は、年平均で1~2℃気温が高く、海面が現在よりも2m~4mほど高かったという。この時代の温暖化の原因やプロセスは説明できていない。
長い地球の歴史をみれば、温暖化と寒冷化を周期的に繰り返していて、縄文時代以降は寒冷化の傾向にあった。それが温暖化のサイクルに転じているのかもしれない。その原因として、機械文明で吐き出されている二酸化炭素が関与しているのかどうかの確証はないと思われる。縄文時代初期の時代は寒冷な時代で、縄文時代最盛期に温暖化したときの気温上昇ペースは、現在以上のハイペースで温暖化していた。
人類の人口も少なく、機械文明もなかったのに、なぜ?……という問いの答えは明確ではない。

次の記事は、二酸化炭素主犯説に疑問をつける説。

雲の温暖化抑制効果は?従来予測より気温上がる可能性 米研究 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

 論文の主著者でエール大学のアイビー・タン(Ivy Tan)氏は、気温上昇幅はこれまでの科学的モデルでは4度だったが、雲に含まれる液体と氷の量を観測結果に近付くように修正した各種モデルでは5~5.3度になることが分かったと述べた。

雲に含まれている氷が多い場合、気温が上昇すればより多くの液体を生じ、雲の中の液体が増えれば温暖化は抑制される。しかし大半の科学的モデルでは、雲に含まれる氷の量が実際より多く見積もられているという。

共同執筆者のマーク・ゼリンカ(Mark Zelinka)氏は「温暖化抑制についていえば、雲は私たちの役に立ってくれそうにない」と述べた。

この理論では、温暖化の犯人は二酸化炭素の単独犯ではなく、雲……つまり水蒸気も共犯だとしている。
快晴の冬の夜は、放射冷却で気温が低くなる。逆に、厚い雲が空を覆っていると、地面から放射される熱が雲にさえぎられて逃げずに、あまり温度が下がらない。このことは天気予報でもよくいわれていることだが、雲は熱を逃がさない布団のような役割をするためだ。
水蒸気は二酸化炭素以上の温暖化効果がある、ということは以前からいわれていた。しかし、主犯は二酸化炭素にされてしまっている。
それはなぜなのか?
二酸化炭素の排出削減をしようと、国も企業も取り組んでいるわけだが、単独犯でないとしたら共犯の水蒸気の排出も規制しないといけないことになってしまう。

次は、気温の増減には硫酸塩エアロゾルも関与しているという説。

エアロゾルが温室効果による温暖化を隠している | Nature Geoscience | Nature Publishing Group

大気中に放出されたエアロゾルによる冷却の効果で、1964年から2010年の間の陸上における温室効果ガスの放出に関連した温暖化のおよそ3分の1が隠れているとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。また、もう1つの論文は、より地域的なスケールで、ヨーロッパの汚染レベルの減少(特に硫黄の放出)が過去30年間にわたる北極域温暖化の増幅に寄与していることを示している。

硫酸塩エアロゾルの放出は、歴史的に温室効果ガス放出と同時に起きてきた。大気中の硫酸塩エアロゾルレベルが高くなると、気候寒冷化をもたらし、入射する太陽放射を暗くして温室効果ガスの温暖化効果の一部を隠すことができる。

わかりにくい記事だが、硫酸塩エアロゾルとは、「二酸化硫黄が大気中で化合・吸着した微小粉塵(エアロゾル)」のこと。その発生源は、自然界では火山の噴火、産業では硫黄分が多く含まれる石炭の燃焼によって生じる。
硫酸塩エアロゾルは寒冷化させる効果があるということで、これが減少しているために温暖化が優位に進行していると述べられている。
つまり、記事中にある「ヨーロッパの汚染レベルの減少(特に硫黄の放出)が過去30年間にわたる北極域温暖化の増幅に寄与している」というのは、かつて主要な燃料であった石炭の消費が少なくなったことで、硫酸塩エアロゾルが減り、北極域の温暖化が増幅した……となっている。
え? え?
じゃ、石炭を燃やして硫酸塩エアロゾルをたくさん出した方が、温暖化を抑制できるということになるのか?
最近、あちこちの活火山が活発に噴火しているが、火山がたくさん噴火してくれた方が、温暖化を抑制してくれるからいいってことにもなる。

温暖化問題は、過去記事でもときどき取り上げているが、賛否いろいろな説があり、どれが未来なのか不透明だ。

氷河期と温暖化
温暖化の真偽
続・温暖化の真偽
地球温暖化の歪曲?
2030年…地球寒冷化が始まる?

このテーマのときの毎度の結論なのだが……
人間中心の考え方はやめようよ。
地球は人間のためにあるわけではなくて、地球の表面に、たまたま人間が繁栄している時期が「今」なんだ。
6500万年前の主役は恐竜だった。恐竜が滅んだあと、小さな齧歯類からはじまって、ほ乳類が主役の座に躍り出て今日に至っている。
温暖化が原因でなくても、人類はいずれ滅びるだろう。これから先、数万年~数千万年に渡って、人類が地球を支配することは……かなり難しい。
第6の大量絶滅は起こるだろう。
しかし、過去の大量絶滅がそうであったように、生き残る生物はいるはずだ。生き残った種が、新たな進化をする時間は十分に残されている。
地球の主役が交代するだけなんだ。
地球の一生の時間スケールで見れば、人類が繁栄していられる時間はほんのわずか。そのわずかな時間を、つつましく生きればいいじゃないか。

ケセラセラ。

温暖化問題の本質は、数百万年後の世界を心配しているのではなく、今、生きている人間にとって不利益を被ることが問題なのだ。
時間スケールとしては、50~100年前後の話。
気候変動によって、経済的、政治的な影響が出てくる。それによる世界の混乱が、今生きている人たちにとって死活問題になる。
世界的な戦争が起きるかもしれない。
食糧危機が起きるかもしれない。
海面の上昇で、生活圏が狭まるかもしれない。
これまで築き上げてきた、国家や経済システムが崩壊するかもしれない。
それらのことは、人口の著しい減少を招くかもしれない。
自然環境の悪化は増えすぎた人間によるものでもあるので、世界人口が10分の1とか100分の1になってしまえば、原因は取り除かれることになる。それが究極の温暖化対策でもある。
地球を“ガイア”とするなら、温暖化はガイアが世界をリセットしようとしているのかもしれないね。

LINEで送る
Pocket
LinkedIn にシェア