ティラノとニワトリは「血族」…はちょっと誤訳

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ティラノとニワトリは「血族」…はちょっと誤訳

 恐竜関係のニュース。
 以下の記事に関するブログを見ていたら、多くの人が恐竜≒鶏と解釈し、「イメージが壊れた」とか「味は鶏肉なのか?」などいったコメントをしていた。
Yahoo!ニュース – 時事通信 – ティラノとニワトリは「血族」=6800万年前の骨から証拠-米研究班

ティラノとニワトリは「血族」=6800万年前の骨から証拠-米研究班

4月13日12時1分配信 時事通信

 【ワシントン12日時事】米ノースカロライナ州立大学などの研究チームは、6800万年前の恐竜ティラノザウルスの骨からタンパク質を抽出して分析した結果、遺伝的にティラノザウルスがニワトリの「血族」に当たる証拠を得たと明らかにした。研究論文は13日付の米科学誌サイエンスに掲載される。ロイター通信などが伝えた。
 鳥類と恐竜が進化上、近い関係にあるとの仮説は唱えられてきたが、分子レベルで確認されたのは初めて。鳥が恐竜から進化したとの説を補強する材料になるとみられている。 

 ……と、日本語で配信された記事はこれだけなのだが、タイトルとなった、
『ティラノとニワトリは「血族」』
 というのは、いささか飛躍しすぎの誤訳だ。
 原文の記事は以下にある。
T-rex thigh shows chicken family ties
 タイトルには「血族」などとは書いていない。
 鶏とつながりがある、と書いてあるだけなのだ。
 また、原文の記事中には、
「コラーゲンを比較して、鶏がもっともマッチして、次いでイモリとカエルにもマッチした」
 とある。つまり、進化の系統図からいけば、両生類は共通の先祖だから、マッチする部分があるということだ。
 鶏に関することでは、
「現代の鶏の遠い従兄弟(いとこ)にあたる」と書いてある。
 ここが「血族」と解釈した部分なのだろうが、人間の場合、遠い従兄弟のどこまでを血族と呼ぶだろうか?
 たまたま電車に乗り合わせた、見知らぬ赤の他人であっても、遺伝子解析すれば日本人である以上、かなりの部分が似ている。では、その人とは血族だというのだろうか? それをいうなら外国人だって、恐竜と鶏よりは、はるかに近い関係だ。だが、それを血族とは言わない。
 誤解を与えるような意訳は、すべきじゃないと思う。
 また、原文記事では、今回の化石が、18メートル地下の砂岩の地層にあったことが、保存状態がよかった条件だろうと書かれている。

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