コロナ19)の感染者が増えて、またまたパニックに陥ってるのだが、闇雲に怖がっても益にならない。

コロナ19の科学的特徴は、世界の研究者たちが取り組んでいて、日々情報が更新されている。その新しい知見に基づいて、対応や対策を立てる必要がある。
しかしながら、2〜3月頃の初期インパクトが強かったために、いまだに過剰に恐れる状態のままだ。

ほぼ最新の情報について、よい記事が出ていた。

恐れていた感染第2波、正体は感染力を増したG系統 フルゲノム解析で明らかになった新型コロナ「欧州株」の強度(1/4) | JBpress(Japan Business Press)

日本ではまだあまり認識されていないが、新型コロナウイルスは6つのグループに分かれることが明らかになっている(Clade=クレードと称される、以下では系統と示す)。

(中略)

さらに、7月に著名科学誌の『セル』オンライン版で、先に紹介したロスアラモス国立研究所のグループは、世界で圧倒的な存在感を示すG系統の感染性の高さを確認した。実験からウイルス量が3倍高いと報告したのだ。ただし、G系統に感染した人を調べたところ、病気が重症になっているわけではなかった。感染のしやすさと病気の重症化との関係については別である可能性があるようだ。

専門的なことになると「難しい」という人は少なくないが、この記事はわかやすく書いてくれている。これで難しいなどという人は、そもそも読解力や理解力が乏しい人だろう。

クルーズ船のダイヤモンド・プリンセスで、コロナ19の感染が発覚したのが2月。
このときが初期型の武漢株による、第一波。
緊急事態宣言が出された4〜5月が、欧州株の第二波。
そして、現在は記事中でいうところのG系統の第三波……ということになるようだ。

重症者および死者の数からいえば、毒性がもっとも強かったのは第一波(2〜3月)だ。
第二波(4〜5月)になると毒性はいくぶん弱まり、感染者数は多くなったものの、重症者は減った。そのため、緊急事態宣言で8割減を達成できなくても、感染者数ならびに重症者数は、さほど増えることはなかった。ようするに、自粛や休業が功を奏したというより、ウイルスそのものが変異して弱毒化していたために、最悪の事態にはならなかったともいえる。

そして、緊急事態宣言の解除後。休業要請やイベント開催の規制をゆるめた、6月以降から7月現在は、第三波。
PCR検査の実施数が増えたことで、感染者の発見数が上がっているものの、多くが軽症もしくは無症状の人たちで、重症者はあまり出ていない。
それは、感染力は強くなっているものの、重症化しにくいウイルスに変異しているからだと思われる。

新型コロナのワクチンは無駄かもしれない」で書いたが、ウイルスの生存戦略としては宿主を死に至らしめる強毒化よりも、発症させずに感染する弱毒化の方が、ウイルスは生き残れる。免疫系と戦うよりも、うまく共存する方がウイルスは増殖できる。しごくまっとうな進化の淘汰だろう。

つまり、感染者数の数が問題なのではなく、ウイルスの毒性が問題なのであり、人数が同等であっても、第二波(4〜5月)と第三波(6〜7月)では、中身が違うということだ。
そのへんを、きちんと認識しないと、対応が適切ではなくなる。

また、新宿“舞台クラスター”が問題になっているが、この事例は別の意味で参考になる実験だったともいえる。

というのは、観客は全員がマスクをしていて、公演中にマスクを外す人はいなかったと証言されている。
つまり、マスクが感染の予防になるかどうかの実験を、新型コロナで検証したことになる。こういうのは、実際に人を対象として実験はなかなかできないものだ。だから、推論するしかなかった。
結果は、マスクをしていても感染するというのを証明した。

誰もこの点を指摘していないのが不思議。
なぜマスクが予防にならなかったのかといえば、空気感染だろう。
新型コロナ、空気感染の可能性
微細な飛沫核はマスクを素通りなので、マスクは無意味。
はからずも、空気感染の可能性を間接的に証明することにもなった。

東京都の感染者数が200人超えで、あたふたと大騒ぎしているが、その中身というか意味を科学的に分析する必要がある。人数の表層だけとらえて「大変だ、大変だ」と騒ぐのは愚かである。

山中教授まで、これから10万人が死ぬとか言い出してしまって、パニックをあおっている。
そうじゃなくて、「現在広がっているウイルスは、感染力は強いものの毒性は弱まった」という認識を広めた方がいいのではないか?

テレビに出てくる専門家たちは、ことさらに最悪の事態を強調しすぎる。
パニック増幅装置に加担してどうする?
「正しく恐れる」というのは、恐怖感をあおることではないはずだ。
恐れる情報だけでなく、安心できる情報も提供すべき。

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