新型コロナの空気感染の可能性は、度々取り上げているが、それが証明されたという研究報告。
こりゃ、感染対策のもろもろはゲームセットだな。
マスク着用も2メートル程度のソーシャルディスタンシングも、ほぼ無意味になってしまうからだ。
新型コロナ、マイクロ飛沫で空気感染の可能性 米大が論文 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
新型コロナウイルス感染症の患者が放出するマイクロ飛沫(ひまつ)にウイルスが浮遊している可能性があることは、数か月前から専門家らは認識していた。しかし、これらの飛沫によって感染が起きるのかどうかは、これまで証明されてこなかった。
(中略)
論文によると、科学者らはベッドで治療を受けているコロナ患者がいる五つの部屋で、ベッドの脚から約30センチの高さの空気サンプルを採取。
ネブラスカ大学医学センター(University of Nebraska Medical Center)のジョシュア・サンタルピア(Joshua Santarpia)准教授によると、サンプル採取は「実際かなり難しい」といい、研究チームは携帯電話サイズの機器を使用したが、「一般的に濃度は非常に低く、物質を回収できる見込みは低い」という。
研究チームは何とか直径1マイクロメートルほどの飛沫を採取。これらのサンプルを培養基に入れたところ、18サンプルのうち3サンプルが増殖可能であることが分かった。
この結果は、せきやくしゃみだけでなく、通常の会話や呼吸も感染拡大の原因となるとの説や、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)で定められている2メートルよりもはるかに長い距離をウイルスが移動できるという説を後押ししている。
この報告の肝は、推論ではなくサンプルを取り、ウイルスが増殖できることを確認したこと。
この結果、これまで取られてきた対策は、限定的な効果しかないことになる。
- マスクに予防効果は期待できない。直径1マイクロメートルは通常のマスクを素通りする。
- ソーシャルディスタンシングは2メートルでは足りない。
- 3密回避は、各人が半径10メートル以上空けなければ意味がない。
- 換気をしていても、マイクロ飛沫が少しでも滞留していれば、リスクは生じる。
- 咳をしていなくても、呼気からもマイクロ飛沫は発生する可能性がある。
……とまぁ、呪文のように呼びかけられてきた感染対策は、対策になっていなかったともいえる。
感染経路不明の事例が多くなるのは当然だ。知らず知らずのうちに、空気感染しているのだから。
これで俄然疑われるのは、電車だ。それも満員電車。
マスクは飾りにしかなってないから、電車内に無症状感染者がいれば、マイクロ飛沫が漂っていることになる。ウイルスはマスクなどものともせず、人々の呼吸で吸い込まれていくのだ。
まぁ、イメージを想像すると、ゾッとするけどね。でも、たぶん、それが起こっている。
だからといって、怖がれといっているのではない。
もはや防ぎようがないのだから、ジタバタしても始まらない。毎年のインフルエンザが流行しても、いつもと変わらない日常を送ってきたではないか。
新型コロナでも、そうするしかないってこと。
ワクチンや治療薬がなくても、私たちには免疫力がある。免疫力を高めておけば、感染しにくくなるし、感染しても軽症で済む。
抗体を作るワクチンよりも、免疫系のT細胞によるウイルス撃退の方が効果を期待できるとの報告も出ている。
アメリカは日本に比べると桁違いに感染者が増加しているが、4〜5月に比べると医療機関は逼迫していないようだ。おそらく軽症者が大半なのだろう。
ウイルスは指数関数的に増えるといわれるが、それでも無限にではない。
ある時期を境にピークアウトする。
ウイルスも生命のひとつである以上、無限に増え続けることはできないからだ。
日本は今、見かけ上、感染者が増えている。
見かけ上というのは、PCR検査数を増やしているからだ。陽性率がある一定の割合ならば、検査数が増えれば陽性者数も増える。検査数が倍になれば、陽性者数も倍になる。単純な話。
それを「増えた! 大変だ!」と騒いでいる。
今日の検査報告で陽性になった人は、少なくとも2週間前に感染した人たち。
そして、感染したら2週間程度の隔離が求められている。
つまり、2週間前に感染した人は、陽性反応は出たものの、軽症や無症状であれば、そろそろ回復して陰性になる時期でもあるともいえる。
すでに東京はピークアウトしているはず、との説もあり、今後は減少傾向になるのかもしれない。
ともあれ、「空気感染確定」となると、感染防止対策はかなり難しくなる。