猫と暮らしていると、その鳴き声の違いによって、なにがしかの要求をしていることを感じとる。
ネコ語、あるいはイヌ語を翻訳するグッズがあったりするが、あれはほとんどジョーク商品でしかない。科学的根拠はなにもないからだ。
鳴き声は意思表示ではあるのだが、それはネコ語と呼べるようなものなのか?
そんな素朴な疑問を、科学的に調査しようという試み。
音声学者がネコ語の研究を本格始動 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
ネコは人間とコミュニケーションを取る時に、視覚と音声の両方のシグナルを使いますが、私たちの注意を引きたい場合には声を出します。他のネコとは、視覚と嗅覚でコミュニケーションを取ることが多いです。ネコが「ニャー」と鳴くのは、ほとんどの場合人間に話しかけているのであって、他のネコに対して鳴くことはあまりありません。
猫同士で鳴く場合は、ケンカのときと発情期のときだね。その目的は威嚇であったり感情の高まりの表現なので、言葉というよりは叫び声。人が、ジェットコースターに乗ったときに絶叫するのと同じ。
うちには現在6頭の猫がいる。
ピーク時は、一時預かりの猫も含めて、15頭いたことがある。一時預かりというのは、猫ボランティアの協力で、里親捜しの保護猫を預かることがあるからだ。
飼い猫の寿命は、10年~15年くらい。うちの猫で一番長生きしたのは18歳だった。ちなみに、野良猫の寿命は3~5年だ。栄養状態が悪かったり、ケガや病気、交通事故などがあるため、寿命は短くなる。
現在いる猫の最高齢は15歳の♀。見た目はあまり変わらないが、もうおばあちゃんだ。
猫にも個性があり、鳴き方もそれぞれで特徴がある。
猫たちが人間に対して、意思表示として鳴いているのは間違いない。鳴いているときは、「要求」があるからだ。
要求とは、基本的に2つ。
(1)お腹が減ったとき。
(2)甘えたいとき。
その要求には、程度がある。
(A)ものすごくお腹が減っている。
(B)少しお腹が減っている。
(C)もっと美味しいものが食べたい。
大別すると3段階くらい。
その違いを鳴き声で表現している……と思われる。
ただし、この鳴き方の違いは、猫の個体によって微妙に異なる。それはネコ語というよりは、こういう鳴き方をすると「ご飯がもらえる」と学習しているのだと思う。最初から使い分けていたわけではないからだ。
だから、方言というよりも、飼い主と猫との関係性で、鳴き方は違っていると思う。
うちでは、もっぱら私が通訳をしている。
「ンンニャァーー!」
「腹、減ったって」
「ニャーゥーー」
「おやつ欲しいって」
「ンニャ、ンニャーー」
「膝、乗りたいって」
「ニャニャー」
「かまってほしいって」
……等々。
当たらずとも遠からずの通訳だ(笑)。
猫たちの要求はシンプルなので、察することはできる。ただし、うちの猫に限ってだが。
猫には個性があるが、それには頭の良し悪しもある。賢い猫と、普通の猫と、おバカな猫だ。
賢い猫は、鳴き声の使い分けが細かい。学習能力が高いから、鳴き声を使い分けることで、要求を満たせることになる。おバカな猫は、なにを要求するにも、同じような鳴き方をする。
経験則で漠然とわかることではあるが、科学的に解明できることがあるとすれば面白い。
余談だが、猫は眠っているときに夢を見ているし、イビキもかく。
人が睡眠中に夢を見ているときは、眼球運動が起きるが、それと同じことが熟睡している猫にも起きる。どんな夢を見ているかわからないが、脳の中でなにがしかのイメージが再現されているようだ。
布団の中で一緒に寝る猫がいるのだが、今朝、妻にいわれた。
「あなたとカールがイビキかいてて、うるさかったのよ」
カールは一番年下の猫で、甘えん坊だ。
「ああ、そう」
オレは苦笑した。
そういう君も、イビキかいてるんだけどね。