インフルエンザはマスクでは予防にならない

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毎年の恒例だが、インフルエンザが流行期に入ったようだ。
以前にも書いたが、呪文のようにいわれる「手洗い・うがい・マスク」はインフルエンザの予防には、ほとんど効果はない。手洗い・うがい・マスクで感染が阻止できるのなら、流行しない年があってもいいようなものだが、流行しない年はない。

参照→「インフルエンザ対策の、うがい、手洗い、マスクの本当の予防効果は?

手洗い・うがい・マスクの励行を呼びかけるのは、石鹸や消毒液、うがい薬やマスクの需要を喚起しているのではと勘ぐりたくなる。予防接種は、重症化のリスクを軽減するということであって、接種していれば感染しないのではない。
いつになったら、「マスクは予防にならない」というのが常識になるのやら……
そんな関連記事。

ウイルスはマスクの穴をどれぐらい通り過ぎるのか? [医療情報・ニュース] All About

ウイルスがマスクを通り抜けるということは、イメージしにくいかもしれません。しかし、スーパーカミオカンデで測定しているニュートリノが、難なく地球を通りに抜けているということを考えると、ウイルスがマスクを通り抜けるということも考えられなくはありません。

今回は、“金魚すくい”に例えて、「ウイルス」と「マスクの穴」の関係について考えてみたいと思います。

(中略)

インフルエンザウイルスの大きさは0.1μm(マイクロメートル)、一般的なマスクの穴の大きさは5μmとなっています。ちなみに、1μmは1mmの1000分の1です。インフルエンザウイルスとマスクの穴の大きさの差はじつに50倍。

ニュートリノの例えには苦笑してしまった。それは例えが悪すぎというか、ぜんぜん違う話だし、スケールも違う。ニュートリノが地球をすり抜けてしまうのは、大きさが小さいからだけではなく、相互作用しにくいからだ。

マスクの隙間とウイルスの大きさ

マスクの隙間とウイルスの大きさ

記事中に、厚生労働省が作成した『新型インフルエンザ等対策ガイドライン(平成25年6月26日作成)』を引用しているが……

感染防止
感染した者がマスクをすることによって他の者への感染機会を減少させる効果は認められており、自らが発症した場合にはマスクは着用することが必要である。他方、まだ感染していない者がウイルスの吸い込みを完全に防ぐという明確な科学的根拠はないため、マスクを着用することのみによる防御を過信せず、手洗いの励行や人ごみを避けることなどの他の感染対策も講じる必要がある。

……と、厚労省もマスクが予防にならないことは認めているわけだ。
にもかかわらず、医療関係者や医療記事を書く人たちの中には、相変わらず「手洗い・うがい・マスク」を予防として奨励している。医療メーカーから袖の下でももらっているのかね?
上記記事と同じAll Aboutのサイトには、以下のようなインフルエンザ予防法を掲載している。

マスクは使い方次第で効果なし!? サイズ選びが重要 [医療情報・ニュース] All About

もう一度確認したいマスクの効果
マスクによる効果をおさらいしてみましょう。

まず、ウイルス・細菌・花粉・大気汚染物質などの口と鼻からの侵入を防ぎます。さらに、粘膜の乾燥を防ぐことができます。粘液が多いと、粘膜への感染しにくくなり、花粉も粘膜に達しにくくなります。そして、鼻や口を覆うことで、手に付着した花粉症、病原体が鼻や口に付着するのを防ぐことができます。

下線部の「細菌・花粉・大気汚染物質」は、マスクによっては防げるが、前述の通りウイルスは素通りだ。現場の医師ですら、こういう認識なのだからマスク神話は廃れないんだね。

先日、某テレビで「正しいうがいの仕方」というのをやっていた。うがいの仕方としては正しいかもしれないが、それでインフルエンザの予防になるとは思えない。
たとえば、学校や会社から帰宅後にうがいをするとする。そうすると、朝、家を出てから最大で8~9時間後に喉に付着したウイルスを洗い流そうということになる。
それでは、もはや手遅れだろう(笑)。
喉に付着したウイルスは、すでに体内の細胞内に侵入したあとだ。もし、うがいでウイルスを除去しようとするなら、5分おきとか10分おきにうがいしなければ意味がない気がする。
過去記事にも書いたが、マスクで口と鼻を覆っていても、目は露出している。ウイルスを含む飛沫が漂っているとすれば、目から侵入することも可能だ。N95マスクと合わせてゴーグルもしなければ進入路を防ぐことにはならない。ただし、N95マスクでも、0.3μmの密度なので0.1μmのインフルエンザウイルスは素通りだが。

手洗いについても同様で、帰宅後に洗っても、それ以前に鼻や口に手を当てていれば意味がない。
手に付着するかもしれないウイルスについては、手洗いよりも「手袋」の方がいいのではと思う。手術・実験用手袋とまではいわないまでも、普通の手袋でも直接ウイルスには触れにくくなるので、手洗いするよりも効果的ではないか? 手袋は複数用意しておいて、1日使ったら洗うか、煮沸して殺菌すればいい。
ちなみに、実験用手袋としては、↓こんなのもある。



神経質な人は、こういう使い捨ての手袋をして、電車等に乗るといいのかもね。

毎日の通勤電車に乗っていれば、感染者が何人か乗っているのは間違いない。大部分の人が、ウイルスにさらされているわけだが、全員が発症するわけでもない。免疫系の強い人と弱い人、抗体のある人とない人がいる。かかる人は毎年のようにかかるし、まったくかからない人もいる。
私はもう何十年も、インフルエンザにかかったことがない。予防のための「手洗い・うがい・マスク」はまったくしていない。かといって、体が人並み以上に丈夫というわけでもない。あえて挙げるなら、ヨーグルト好きで毎日のように食べていることくらいだ。腸内細菌環境は、健康や精神に大きな影響を及ぼすことがわかってきている。
腸内細菌については……
……と、それはまたの機会に。

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