インフルエンザ対策の、うがい、手洗い、マスクの本当の予防効果は?


インフルエンザが流行期に入ったという。
毎年のことではあるが、その予防策として「うがい」「手洗い」「マスク」「予防接種」が奨励される。

がしかし、その4つの方法で流行が防げたことがない。
マスクをしている人を多く見かけるようになったが、それでも流行は止まらない。
いったい、予防方法にどれだけの効果があるのか疑問に思う。

【ウイルスにご用心】(8-4)栄養を摂取、体の免疫力を高める (1/2ページ) – SankeiBiz(サンケイビズ)

 ◆外出後の手洗い、うがい

冬のウイルスに感染しないためにはどうしたらいいのだろうか。

ウイルスはとても身近なところに存在し、どこにでもあるのだから、それを体内に取り入れないということが基本的な予防策となる。

何といっても効果的なのが、よく知られている外出後の手洗い、うがいだ。

せっけんによる手洗いは、手指など体についたウイルスを流水で30秒以上流すことで、ある程度除去することができる。また、インフルエンザウイルスならアルコールやヨウ素系薬品、ノロウイルスやロタウイルスなら塩素系薬品を使って消毒をする方法も効果がある。

下線を引いた部分の、効果を示すデータはどこにあるんだろう?
予防接種に関しては、以下のような検証結果があった。

園乳児、園幼児、小学校低学年でインフルエンザワクチンの有効性を認める | nikkei BPnet 〈日経BPネット〉:日経BPオールジャンルまとめ読みサイト

 2011/12シーズンにおけるインフルエンザワクチンの効果を検討したところ、園乳児組、園幼児組、小学校低学年でインフルエンザワクチンの有効性が認められた。特に園乳児組では有効性が高く、未接種群のインフルエンザ罹患率が36.4%だったのに対し、園乳児組の1回接種群が22.2%、2回接種群が15.7%だった。

罹患率で書かれるとイメージしにくいが、予防接種をしていなかった場合には10人中・約4人が罹患し、1回の接種で10人中・約2人2回接種で10人中・1.5人……ということになる。

ちなみに、感染罹患の違いは、感染は発症しなくてもウイルスの保菌者になっている場合も含むが、罹患は発症してインフルエンザの症状が顕著になった場合をいう。
これは園児の場合だが、大人の場合はどうなのかというと……

インフルエンザ予防接種

  最近の論文では、成人の場合、1回接種だと予防効果が64%、2回接種だと94%とされています。2回接種した方が予防効果は高まりますが、逆に言うと2回接種しても6%の人はインフルエンザにかかってしまうということです。

同様に換算すると、1回接種で10人中・4人が罹患し、2回接種で10人中・0.6人、ということになる。まぁ、子どもとあまり大差ないといえる。

一般的に成人はある程度の免疫をもっているため、インフルエンザにはかかりにくいとされている。とはいえ、予防接種をすれば感染しないということにはならない。
そもそも予防接種についての効果を疑問視する報告もある。

前橋レポート(前橋市インフルエンザ研究班/1987年1月)
ワクチン非接種地域におけるインフルエンザ流行状況

全体として見て,罹患率は1984年度は40%台であり,1985年度は20%台で,1984年度の方が流行は大きかったと言える。1984年度の罹患率には最高11.8%の差があり,1985年度には8.1%の差があるが,流行の地域差と見るべき程度のものであり,かつ大きな差とは言いがたい。さらにこれをワクチン非接種地域と接種地域に分けて比較して見ても,両年度において大きな差はない。

しかし,接種地域のワクチン接種区分別各群の罹患率を見ると,「非接種群」「一回接種群」「二回接種群」の順で罹患率は低くなり,もしも一般に広く行われているごとく,「非接種群」を対照群としてワクチン有効率を計算して見れば,高崎市,桐生市,伊勢崎市の順に,1984年度は29%,24%,16%となり,1985年度は40%,29%,36%となる。確かに接種率80%以上の高崎市は有効率が高いが,接種率が60%以下と低い桐生市,伊勢崎市については,接種率や流行規模と一定の関係は認められない。だが公称70%以上と言われるワクチン有効率と比較して,何と低い値ではないかと言わざるを得ない。

しかし問題は,この低い有効率でさえも,そのままワクチン有効率と見なしていいかというところにある。

学術的な文章なのでわかりにくいが、要約すればワクチンを接種してもしなくても大きな差はない、ということらしい。

ワクチンについてはこうした疫学的な調査があるのだが、「うがい」「手洗い」「マスク」については、疫学的な調査がないようだ。
たぶん予防できるはず……という憶測的なものでしかない。

「うがい」は喉に付着したウイルスを除去するため……なのだが、喉にウイルスが付着した時点で、もうアウトである。ウイルスが付着した直後に、うがいをするわけではないからだ。

「手洗い」は手に付着したウイルスを殺菌・洗浄するため……なのだが、手を洗う前に食べものを手に取ったり、口に手を当てたり目をこすったりしたらアウトだ。そういう動作は無意識にしているから、気がつかないうちに体の他の部分には触れている。

「マスク」は、保菌者が咳などでウイルスを飛散させないため、あるいは飛沫感染を防ぐため……なのだが、マスクで完全に防御できるわけでもない。サージカルマスクといわれる医療用基準を満たしたものは、粒子径4.0~5.0マイクロメートルを除去できる割合が95~99%などとされているが、インフルエンザウイルスは直径80~120nm(ナノメートル)程度(0.08~0.12マイクロメートル)ということで、ウイルスそのものはスルーしてしまう。
実際には、ウイルス単体では感染しにくいとされていて、飛沫感染での体液のしぶきを防ぐためのものがマスクだ。とはいえ、咳などの飛沫は見えないから、防げているのかどうかはわかりようがない。

正しいマスクの使い方 / 財団法人 労働科学研究所

一日一枚、使い捨て、が原則です。

というように、毎日新しいマスクを使用することを勧めているが、毎日同じものを使い回している人が多いのではないだろうか? ウイルスが付着したマスクを使っていれば、培養しているようなものだ。

飛沫感染で盲点になっているのは、口や鼻をマスクで覆っていても「目」は露出していることだ。目に見えない飛沫は目からも侵入できる。マスクはしていてもゴーグルまでしている人はいない。

過去、新型インフルエンザの国内侵入が騒がれたとき、疑いのある飛行機に入った検疫官はマスクにゴーグルをしていた。防護するにはマスクだけではダメだということだ。

※過去記事参照→新型インフル…感染シナリオとその根拠の疑問

新型インフルエンザの検疫官

新型インフルエンザの検疫官


……と、自分の書いた過去記事をみたら、4年前にも同じようなことを書いていたんだな(笑)。

ともあれ、「うがい」「手洗い」「マスク」「予防接種」のうち、予防接種については効果の検証がある程度行われているが、「うがい」「手洗い」「マスク」については具体的な検証がない。

かくいう私は、食事の前に手洗いくらいはするが、その他の予防策はしていない。それでも成人してからインフルエンザにかかったことがない。満員の通勤電車の中には、インフルエンザの保菌者が何人かはいるはずだから、ウイルスにはさらされていると思う。

「うがい」「手洗い」「マスク」の本当の有効性を検証しないと、無駄なことをしているのかもしれない。衛生用品、医療品のメーカーにとっては、稼ぎ時なのだと思うが……。

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