気候変動問題での対処方法は、いろいろと提案されるが、これといった決め手がない。
IPCCが主導する二酸化炭素削減の指針は、経済的な損失を出さずに達成することは不可能だし、仮に達成しても効果の保証はない。
科学者や知識人といわれる人たちは、天才や秀才ばかりだと思うのだが、頭のいい人たちでも決定的な解決策を見いだせないようだ。
この地球に「1兆本を植樹」すれば気候変動に対処できる? 正論に見えるアイデアに潜む根本的な問題点|WIRED.jp
「1兆本の木で地球が救える」「新しい農業メソッドで炭素を1兆トン吸収できる」といった研究や提案が、科学者たちからの激しい批判に晒されている。こうした提案がもつ問題点は、その裏にある数字の怪しさだけではない。画期的と思える解決策の提唱によって、実は失われるものがある。
リンク先の文章は長いので、興味のある方は読んでみて欲しい。
一言で言えば……
ばからしい(^_^)b
こんなのは科学でも何でもなくて、カルト宗教の類いだ。
非現実的であるだけでなく、科学的な説明をしているようで、ぜんぜん科学的じゃない。
環境保護団体などは、こういうわかりやすくて極端な提案に乗りやすいんだよね。
シンプルで効果的であるかのように錯覚するから。
環境少女のグレタさんが飛びつきそうなアイデアだ。
二酸化炭素の排出量を削減しようと、環境保護のスローガンになっているが、なぜこれほどまでにCO2の排出量が多くなっているか?
CO2が温暖化の原因かどうかは、とりあえず脇に置く。
理由は、人口が多いからだ。
現在の世界人口(2019年現在で約77億人)が、生活し活動することでCO2は生じている。
これを劇的に減らすには、人口を減らすのがもっとも効果的だ。人口が10分の1になれば、排出量も10分の1になる。
頭のいい科学者たちはわかっているはずだが、誰もそのことを口には出さない。というより、出せない。人口削減を提案することは、人道的、倫理的にできないからだ。
人口が劇的に減るシナリオは3通りある。
- 世界規模の自然災害。たとえば、イエローストーンが大爆発するとか、小惑星が衝突するようなこと。
- 致死率が高く感染力の強いウイルスによるパンデミック。新型コロナウイルスがこれに該当するかどうかは、今後数ヶ月の様子を見る必要がある。
- 核兵器を使用する第三次世界大戦。世界の主要都市は、核ミサイルで壊滅。
3つのいずれも、数十年〜数百年以内に起きそうなことだ。
新型コロナウイルスで大騒ぎになっているが、これは増えすぎた人間への自然界からの警鐘かもしれない。人間は自然から独立して、自分たちが地球の支配者であるかのように錯覚しているが、じつのところ、地球という閉じられたシステムの中に組み込まれているにすぎない。どんなに悪あがきをしても、人間もまた地球システムの一部なのだ。気候変動や新種の伝染病は、増えすぎた人間を減らすための調整とも考えられる。
過去の大量絶滅は、地球システムがリセットスイッチを押したようなものだ。
5度目のリセットでは、1億年あまりにわたって繁栄した恐竜を絶滅させた。
まるで「もう恐竜はおしまい。次は哺乳類の進化を試す番」とでもいったかのように。
その6度目のリセットが、近づいているかもしれない。
気候変動に対する対処方法は、どれも近視眼的で効果のほどは軽微だ。化石燃料の使用量を半分に減らしても、人口が倍になれば意味がない。化石燃料の代わりに原発を使うと、放射性廃棄物が蓄積していく。この放射性廃棄物は、未来への大きな負の遺産になる。
燃料電池、太陽光発電、風力発電などの、いわゆる再生可能エネルギーは環境にやさしいようで、その製造過程ではけっして環境にやさしくない。
燃料電池や太陽光発電を作るための希少元素は、資源として採掘しなければならないから、山や森を切り開き、地面をほじくり返すことになる。
太陽光発電は本当に環境に優しいか? | ナショナルジオグラフィック日本版サイト
ソーラーパネルの製造が環境にむしろ悪影響を及ぼしている可能性が現在指摘されている。 パネルの製造には水酸化ナトリウムやフッ化水素酸といった腐食剤の使用が欠かせない。また製造過程で水や電力が消費されるため、温室効果ガスの排出は避けられず、廃棄物も出るのが実状だ。
風力発電を建設するためには、金属、コンクリート、プラスチックなど、さまざまな資材を必要とする。それらはどこから調達しているか?
なにかを作るためには、材料となるなにかを壊さなくてはならない。文明とはクラッシュアンドビルドなのだ。で、壊されるのは自然だ。
結局のところ、なにをしても焼け石に水。
人口増加が、すべての努力を台無しにしてしまう。
1兆本の木を植えるなど愚の骨頂で、それをすることによる弊害は計り知れない。そもそも人間が自然をコントロールできると思っているのが間違い。よかれと思ったやったことが、想定外の事態を招くことはよくある。人間は自然のことを理解しているつもりになっているが、それは驕りだ。
では、方法はないのか?
というと、もっとも効果的な方法がある。
それは……
「なにもしないこと」だ。
前にも書いたが、もろもろの人間由来の諸問題は、100万年後には解決している。
人類は滅びているかもしれないが、恐竜が哺乳類に王座を譲ったように、人類は次なる進化の種に地球の王座を託すのだ。
地球が誕生してからの46億年。
そして、これから太陽が赤色巨星化するまでの60億年。
合計106億年の地球の生涯の中で、100万年など一瞬にすぎない。
ケ・セラ・セラ
人類が末期がん患者だとするなら、残された時間を有意義に過ごすのが賢明だと思うよ。