政府やお役人のやることは、とにかく手続きと時間がかかる。
すぐにも必要なのに、即断即決、迅速な対応ができない。
新型コロナウイルスの検査を、わずか15分でできるという新しい検査機器があるという。
ところが……
現状6時間→15分で感染判断 新検査機器、来月導入へ [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
新型肺炎が国内で広がっている現状を受けて厚生労働省は26日、ウイルス検査を短時間でできる検査機器を来月にも導入する方針を示した。現在、検査には約6時間かかっているが、新しい検査機器では15分ほどで結果がわかるという。
現在、新型コロナウイルスへの感染の有無については、「PCR検査」というのどの粘液やたんからウイルスの遺伝物質を検出する方法で調べている。ただ、機械にかけて遺伝物質の量を増やさなければならず、結果が出るまでに6時間程度が必要だった。
新しい検査機器は、産業技術総合研究所が開発した、遺伝物質の増幅を早める技術を使い、約15分で結果が出せるという。持ち運べる大きさで、最大4人分を同時に検査できる。価格は1台数百万円という。
なんと、導入するのは「来月にも」からだというではないか。
「来月にも」とは、「来月中」という意味合いになる。
アホか?
バカなのか?
どこまで呑気なんだ?
医療関係者の多くが、ここ1〜2週間が感染拡大かどうかの山場だといっている。
来月末では、楽観的には終息に向かっているだろうし、悲観的には感染拡大で手遅れになっている……かもしれない。
この検査機器を、いま調達できるだけ調達して、必要な病院等に割り振らないと、医療現場は大変だろう。
こういうときこそ、首相の鶴の一声で命ずるべきなのに。
某学園や某会には、自身の利益のために一声を発するのに、国難に際しては影響力を行使しないのだろうか?
支持率を上げる点数稼ぎにもなるんだから、この検査機器を1000台一括購入するくらいの大盤振る舞いをしても、国民は文句をいわないと思うよ。
東京オリンピックは、5月までの経過を見て、開催の是非を検討するとかいってるし、もし中止とかになったら、経済的な損失だけでなく、オリンピックの歴史に大会中止という二度目の汚点を残すことになる。
災害時の対応もそうだが、後手に回ってしまうのは、危機感が乏しいからだ。
最悪の事態を想定すべきなのだが、できれば最小の事態で乗り切りたい(金も手間もかけたくない)という願望があるから、対応が鈍くなる。
現在のところ、致死率はインフルエンザ並みのようで、それほどリスクは高くないともいわれている。
たしかに、数字的にはそうなのだろう。
では、重篤な人や、すでに亡くなった人に、「致死率は低いから、死に至るのは運が悪かっただけ」と慰めの言葉をかけてあげるかね?
致死率が低いというのは、ゼロではないのだから、死に至る人が一定数いるということだ。
致死率2%であれば、100人中2人、100万人中2万人……と、2万人はしょうがないといい切れるか?
数字だけで見ていると、命の重さが羽毛のように軽くなってしまう。