携帯電話のリサイクル率が低くなっている……というニュースがあった。
その記事を最初に見たのは、「Yahoo!」のニュースページで、そのページにはコメントが書き込めるようになっていた。
多くのコメントが投稿されていたが、そこに書かれていたことは、リサイクルが進まないことを、ユーザーのせいだとするキャリアとメーカー側への文句と苦言だった。
記事そのものは、毎日新聞のページにある。
以下がそれ。
みんなのニュース:携帯電話リサイクル進まぬ日本 6割以上が手元に – 毎日jp(毎日新聞)
日本で古い端末を所有し続けるのは「コンテンツが移動できない」「メールなどのデータ(を利用する)」「個人情報(の漏洩が心配)」といった理由からだと分かり、対策を進める必要性が指摘された。村上講師は「端末にはレアメタルなどが使われており資源性がある。事業者と製造者の責任分担は難しいが、利用者に近い事業者が奨励策を講じてはどうか」と提案した。
使用済み携帯電話の回収数は、携帯電話各社と端末メーカーなど、計30社からなる「モバイル・リサイクル・ネットワーク」のデータでも、01年の約1310万台から、06年約660万台と半減している。端末メーカーの業界団体「情報通信ネットワーク産業協会」は、「利用者が端末にダウンロードした楽曲などが、著作権法によって新しい端末に移せない」ことも、リサイクルが進まない理由の一つに挙げる。
携帯電話キャリア3社は、自社の販売店で使用済み端末などを回収。NTTドコモは、コンビニエンスストア「am/pm」計50店舗に回収ボックスを設置している。また、NTTドコモとソフトバンクモバイルは、個人情報漏洩への不安を解消するため、客の前で電源部分などを破砕して回収しているが、NTTドコモによると、回収数は「まだ少ない」という。
この記事で書かれていることを読むと、リサイクルが進まないのは「ユーザーが手放さないから」と、ユーザー側のせいだと結論づけているようにも受け取れる。
コメント欄で書かれていたものに、
「キャリアのショップに持って行ったが、個人情報保護法の絡みで、受け取れないと言われ、拒否された」
「レアメタル欲しさに、ユーザーからタダで回収を強要するのは身勝手」
「買い取ってくれるのなら、出してもいい」
「中身のデータが、完全には消去できないらしい」
「思い出が詰まっているので、手放したくない」
……などといった書き込みがあった。
そもそも携帯端末は、シーズンごとに新機種が登場し、供給過剰だ。
3カ月とか6カ月で端末を代える人もいるかもしれないが、多くの人は数年は同じ機種を使い続けるだろう。
資源を大切にとか、リサイクルに協力を……などといっているわりには、キャリアとメーカー側は、次々と新しい製品を作りすぎる。その結果が、ユーザーの元に残ってしまう古い機種ではないのか?
資源の保護や環境問題をいうのなら、リサイクルを促す前に、新機種の投入サイクルを年単位で長くして、1つの端末を長い期間使ってもらう方が、理にかなっている。
とはいえ、結局、利益優先で環境問題とか資源の問題は、二の次になるのだろう。