仮想通貨の落とし穴

LINEで送る
Pocket

仮想通貨取引所のコインチェックが、580億円相当を盗まれたニュース。
どうやらセキュリティがザルだったようだが、起こるべくして起こった事件でもある。

仮想通貨データ、「人材が不足し…」ネットから遮断せず

バブル的なブームが続く仮想通貨で、取引所「コインチェック」から顧客の580億円分もの通貨が消える事態が発生した。4年前の「マウント・ゴックス」での465億円分を超え、仮想通貨トラブルでは過去最大規模だ。記者会見では通貨のデータを保管する体制の不備が明らかになり、顧客の資産が戻るかは見通せない。仮想通貨を巡る法整備は徐々に進むが、取引の危うさが露呈した。

マウント・ゴックスの教訓は生かされず、またまた発生したデータのハッキング。このような事態は、かねてより危惧されていたことだが、再び起こってしまった。

仮想通貨は「早い者勝ち」的なところがあり、参入を急いだ結果、セキュリティを二の次にして飛びこんだのだろう。

物理的な盗難ではなく、実体のないデータの盗難なので、当のコインチェックにしても「盗まれた」という感覚は乏しいのではと思う。
気がついたら、なかった……
複製ができないことになっているデータなので、消えてしまうと取り戻せない。
完璧なセキュリティなどというのは、ほぼありえないので、ハッキングを防ぐことはほぼ不可能に近い。

おそらく、今後もこうしたハッキング事件は起きる。
仮想通貨を使えるようにするためには、ネットと接続して入口を開けておかなくてはいけないのだから、完全に遮断することは無理。鍵をかけていても、開ける鍵があるのなら条件さえそろえば開けられる。そこに暗号が絡むわけだが、解けない暗号はないので、完璧な鍵というのもない。

AIブームの昨今だが、AIが高度になればなるほど、AIを犯罪に利用する者も現れる。
セキュリティホールを簡単に見つけてしまうAIが出てきても驚かない。
AIハッカーが登場するのは必然だろう。

過去記事にも書いたが、仮想通貨をリアルマネーに換金できるようにしたのが間違い。
ブロックチェーン技術はいろいろと使い道があるにしても、そこにリアルマネーの価値を意味づけしたのは人間だ。その意味づけがなければ、仮想通貨はただのデータに過ぎなかった。

580億円相当の損失といっても、おそらく実感は希薄なのではないだろうか?
金庫から札束がなくなったわけではなく、データがどこかに移動しただけで、実体がなにもないことは変わらない。
ところが、仮想通貨がなくなったことで、損失の補償のためにリアルな580億円相当を用意する必要が生じた。札束を積み上げるわけではないにしても、どこかから現金を持ってこなくてはいけない。

どこから580億円相当を持ってくるか?

大元をたどれば、日本銀行から持ってくることになる。市場に出回っている現金から、580億円相当を調達しなくてはならず、採掘して掘り出すわけにもいかない。それが調達できなければ、会社は破産だろう。

コインチェックは、CMをガンガン出していた。
出川哲郎さんの出演するCMは、なかなかインパクトがあり、この事件が起きてしまったことで、意味深な内容にもなった。
兄さんは、ほんとのところは知らなかったのだ。

コインチェックCM

コインチェックCM

この兄弟は、いま、こんな会話をしているのだろう(^_^)。

(Visited 17 times, 1 visits today)