富岳すげぇ〜という記事。
飛沫の飛び方をシミュレーションした動画が公開された。
レーザーを飛沫に当てるなどの実験もあったが、比較的大きな飛沫しか捉えることができず、検証としては不十分だった。
その点、物理シミュレーションでは、粒子の大きさによる広がり方が「見える化」された。
神戸新聞NEXT|映像・写真|動画一覧|最新動画|コロナ飛沫の飛び方は スパコン富岳の予測動画公開 理研
新型コロナウイルスの感染「第2波」に備えるためのデータの一つとして、理化学研究所(理研)が神戸・ポートアイランドに整備中のスーパーコンピューター「富岳」を使って計算していた、せきなどで飛び散る飛沫経路予測の一部の結果が、3日明らかになった。通勤電車や小規模オフィス、教室や病室といった閉鎖環境を想定している。
▲マスクをしていても、飛沫は漏れてくるという結果に。
「結局、マスクは飾りにしかならない?」で取り上げた、マスクの漏れ率を裏付けるシミュレーションではある。
つまるところ、マイクロ飛沫を防ぐことはできないということか。
▲対面での場合。
まぁ、これはわかりやすい。ただし、これだとソーシャルディスタンシングが2メートルでは足りないね。
▲仕切りがある場合。
直撃は防げても、回り込みがあるということ。これは「レジ前のビニールカーテンは無意味」に該当しそう。
▲くしゃみや咳をした場合のようだが、注目はその飛散範囲。
軽く3メートルは広がってる。2メートルでは不十分だということ。
そもそもソーシャルディスタンシングの元となった実験では、飛沫は3メートル以上飛んでいた。それがなぜか2メートルに短縮されて定着した。3メートルを開けるのは現実的ではないから、2メートルにしておこうという、恣意的なものだったのだろう。
ところが、最近では飲食店や劇場、あるいは海水浴場などで、1メートルの間を開けるという展開になっている。
2メートルがさらに短縮されて1メートル?
そこに科学的根拠はない。間を開ければいいという、テキトウな理由だ。
そのうち、1メートルが50センチに、さらに25センチに……と、短縮していくのか?(^_^)b
感染防止対策としてのソーシャルディスタンシングであるならば、今一度原点に戻ろう。
ソーシャルディスタンシングは最低3メートルは必要。
富岳のシミュレーションでもわかるように、3メートルが科学的エビデンスだ。
それと、くどいようだが「半径3メートル」であって、前後だけ、左右だけの3メートルではない。
関連して、飛沫が滞空する時間についての記事。
おしゃべりで飛んだ飛沫は空中に8~14分漂う | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
おしゃべりをしたとき、口から飛び出した飛沫は、その後空中に8分以上漂っていることが、最新の実験により明らかになった。米ペンシルベニア大学や米国立衛生研究所(NIH)の研究者らが行ったもので、結果は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されている。
(中略)
ウイルスに感染している人が大声で話した場合、ウイルス粒子が含まれる飛沫は、1分あたり1000粒以上に達すると推測した。
こうした飛沫は、口から飛び出た後、空中に8~14分の間、漂うことが分かった。もしそこにいる誰かがそれを吸い込んだ場合、飛沫に含まれるウイルスから感染する可能性があると研究チームは指摘。そのため、通常の会話でも、閉め切った場所であればウイルスに感染する可能性は大いにあるとしている。
ただし研究チームは今回の数値について、かなり保守的に出していると説明している。実際には、前述の4月の実験で示された平均的な数値よりも感染力が高い人もおり、その場合、ウイルス粒子を含む飛沫は、1分あたり10万粒以上に及ぶ可能性もあるとしている。
飛沫はすぐに落下する……という、これまでの定説を覆す研究報告だ。
富岳のシミュレーションとも符合する。
飛沫感染は飛沫を吸い込むことで感染する場合をいうが、マイクロ飛沫は一般的なマスクでは防御できないし、感染者がマスクをしていても飛沫は漏れ出てくることがわかってきた。
はたして、マスクの有効性はどの程度なのか?
調査によると、国内での最近のマスク着用率は94%に及ぶという。
ほどんどの人がマスクをしているわけだが、「結局、マスクは飾りにしかならない?」で触れたように、布マスクやウレタンマスクはほとんど効果がない。
サージカルマスクでも効果は限定的。
効果を期待できるのは、N95マスクだけ。
予防的対策として「マスク着用」を掲げるだけでは不十分で、「サージカルマスクもしくはN95マスク限定」にしないと、実質的な意味がない。
ただ、そうするとアベノマスクは役立たずということになるから、政府としては言えないんだろうね。