学校でフェイスシールドの異常さ

LINEで送る
Pocket

過剰な対応も、ここまでくると異常に思える。
学校で、子供たちにマスクを付けさせ、さらにフェイスシールドを付けさせるという。
それ、必要か?

学校でフェイスシールドは必要なのか? 「明らかに過剰」「障害ある子どもに配慮を」

福岡県粕屋町の小中学校では全ての児童・生徒にマスクとフェイスシールドを着用させ、大阪市の松井一郎市長は、市立小中学校の全児童・生徒と教員に、フェイスシールドを着用させる考えを明らかにしている。

感染対策の最前線にいる医療者たちからは、「過剰だ」などと批判の声も相次いでいる。

(中略)

埼玉県立小児医療センター救急診療科長の植田育也さんは、「これは過剰だと思います。かえってこどもたちに要らぬ負担を強いることになると思います」

(中略)

植田さんは産科で新生児にもフェイスシールドを導入する動きが広がっているという報道を見て、それにも疑問を投げかける。

「産婦さんの不安、産科の先生の気持ちはわかるのですが、予防効果はないと思います。むしろ、外れてしまってシールドが顔にかかって窒息したり、紐で首が締まったりしないか。学校と同様、実害が出ないか心配です」

(中略)

それでは、フェイスシールドを学校に導入している自治体は、なぜそういう選択をしたのだろう。

全児童・生徒に「マスク+フェイスシールド」を着用されている福岡県粕屋町の学校教育課の課長は、「飛沫対策のために、念には念を入れて細心の警戒をしたということです」と説明する。毎日、使用したフェイスシールドは担任が集めて消毒する手間をかける。

しかし、熱中症の懸念や、保護者から「曇って見づらい」「口元が見えるようにしてほしい」などの指摘が相次いでいると言い、「6月からはマスクかフェイスシールドか自由に選択させることにした」と方針を変更したことを明かす。

「難聴や発達障害がある子への配慮は当初は考えていなかったが、その必要性も指摘されている。対応できるようにしたい」とこの課長は話す。

やはり全児童・生徒、教職員にフェイスシールドを配布し、マスクの上から着用させる方針だという大阪市教育委員会指導部は、「可能な限り感染拡大のリスクを下げるために、二重に防御することを決めた」と話す。

やはり、熱中症対策や、難聴や発達障害がある子どもへの配慮は念頭にはなかったという。

過剰というか異常だ。
異常を異常と感じなくなっているのが、さらに異常なのだが。

可能な限り感染拡大のリスクを下げるために、二重に防御することを決めた」というが、そこまでいうのなら、医療従事者と同じように防護服も着せるべきでは? その方が徹底している。
ソーシャルディスタンシングと同じで、やってることが中途半端。
富岳のシミュレーションで解明されたように、飛沫は広範囲に飛散する。顔だけでなく、露出している顔以外の部分にも、飛沫は付着する可能性がある。顔だけ防御しても十分ではないのだ。

「正しく恐れる」と、よくいわれるが、なにが正しいかわからなくなっているようだ。
新型コロナ(COVID-19)に対して、これほどまでに過剰防衛してしまうのは、テレビや専門家たちが「最悪のシナリオ」として脅し続けてきた結果だろう。

専門家たちに悪意はないのはわかるが、最悪のシナリオとして想定された状況は、人々に恐怖心を植え付けた。「最悪」や「最善」という前提はかき消されて、「何万人が死ぬ」というイメージだけが浸透してしまった。

ニュースでは重症患者の悲惨さがクローズアップされるため、感染するとみんながあの状態になると誤解されてしまった。有名人が亡くなったことが、それに拍車をかけた。

マスコミはあおることばかりに熱中して、冷静さを失ってしまった。
ヨーロッパやアメリカは、感染者数も死者数も激増したが、日本は理由は不明ながらも桁違いに少なかった。恐れていた数万人の死者にはならなかった。

第二波、第三波を警戒することは必要ではあるが、これからアメリカのように数万人の死者が出るとは考えにくい。

ファクターX……、それがなんであるにせよ、日本においてはCOVID-19はそれほど脅威ではないと思われる。

COVID-19による全世界での感染確認数は629万人、死者数は38万人に達している。
たいへんな数なのだが、例年のインフルエンザでは全世界で1億人超が感染して、死者数は25〜50万人と推定されている。
こういってはなんだが、「まだ、インフルエンザと同等くらい」ともいえる。日本国内では、インフルエンザよりも脅威度は低い。

新型コロナに対するリスク評価の更新を」で触れたが、100万人中の死者数の割合は、日本はわずか0.0006%で、交通事故死よりも少ない。リスクは極めて低いのだ。ビビることはない。

感染者数に対する死者数の割合から導き出される「致死率」は、抗体検査が進んでどの程度の感染者がいたかの推定が出ないとはっきりしないが、悪くて0.5%(ニューヨークの例)、よければ0.1%以下だろう。

0.1%前後であれば、インフルエンザと同等なので、去年までのインフル対策と同じでいいのだ。昨年(2019年)は、インフルによる直接的な死者数は3000人あまり。数千人がインフルで亡くなっていても、誰も気に留めなかっただろう?

抗体検査が進めば、おそらくかなりの割合で抗体を持っている人がいるという結果が出るのでは?……と思われる。抗体検査の精度そのものも問題視されてはいるが、日本でこれほどCOVID-19による死者が少なかったのは、抗体もしくは間接的な免疫(BCG有効仮説)を持っている人が多かったからではと推測される。

いずれにしても、感染しないようにするのではなく、感染して抗体を作ることの方が、先々のためには必要だろう。ワクチンができるまでは、自前で抗体を作るしかないのだから。

集団免疫を獲得する方向に、舵を切った方がいい気がする。
そうすれば、このクソ暑いのにマスクをする必要もなくなる。

(Visited 102 times, 1 visits today)