コインチェック事件のその後は、NEMがどこにあるかは追跡されているものの、どうやって取り戻すかまでは至っていない様子。
口座は特定できても、匿名性のために誰の口座かはわからないという。
NEMのままでは、犯人にとっても儲けにはならないわけで、リアルマネーに換金しないと、犯罪は完結しない。
被害者にとっては、NEMが戻ってくるか、リアルマネーによる補償が求められているわけだが、それも簡単にはいきそうにない気配。
コインチェック、保険補償受けられぬ可能性 大規模流出は対象外の見通し / [SankeiBiz]
約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した問題で、取引所大手コインチェックが加入するサイバー保険では、同社の被害の補償が受けられない可能性が高いことが31日、分かった。同社はネムの保有者26万人全員に日本円で計約463億円を補償する方針だが、資金の裏付けは不透明な状況となっている。保険で補償されなければ自己資金で賄う必要があり、返金方法や時期について同社の説明責任が改めて問われそうだ。
というわけで、コインチェックが自身の銀行口座に463億円を持っているか、株式などの資産で相応の金額を持っていないと、補償の原資がないことになる。
そもそもそんな資産を持っているのなら、セキュリティ対策のための資金はあるわけで、そのための人材を雇うことだって可能だったはず。
なぜ、それをしなかったのかが不思議。
で、仮想通貨の専門家たちが口を揃えていっているのは、
「換金すれば、足がつく」
ということ。
NEMを他の通貨に換金して引き出そうとすれば、記録が残るから犯人が割れる……ということらしい。
理屈の上ではそうなのだろう。
しかし、たとえ記録が残ったとしても、正体がばれない方法というのはあるものだ。
まず、考えられるのは、どこかの取引所とグルになって、換金してしまう方法。
分け前を半分やるとかいう条件を出されたら、誘いに乗る奴はいるかもしれない。半分でも巨額だから、悪くない話。
次に考えられるのは、犯人が凄腕のハッカーで、追跡プログラムを無効あるいは攪乱できるアンチ追跡プログラムを作れる場合。攪乱されたマーカーによって、無数のアカウントが追跡対象となったら、どれが本丸かわからなくなってしまうのではないか?
第三は、ありえない仮定かも知れないが、犯人がマイナーで、マイニングに使用されている計算能力の過半数を支配していれば、取引履歴は改竄可能となり、二重支払いが可能になる場合。
ま、ここまで大事(おおごと)にはならないだろうけど(^_^)。
第四は、現実的かもしれない方法。
奪ったNEMを人質にして、コインチェックに買い取りを要求する場合。
その際の支払い方法には、スイス銀行のプライベートバンクを利用する。スイス銀行は、各国の権力者や、富豪たちが秘密口座として利用している。匿名性は高く、秘密取引には適している。
とまぁ、成功するかどうかはともかく、換金の方法はありそう。
ただ、犯人がチマチマとやっている行動を見ると、どこか幼稚な感じがする。恐れるほどの知能犯ではないようにも思える。犯人が判明したら、高校生だった……なんてこともあるかもしれない。