“都市の熱”が気候変動の主犯か?

LINEで送る
Pocket

Lots of skyscrapers breaking through the clouds

Lots of skyscrapers breaking through the clouds

気候変動(おもに温暖化)の主原因(主犯)は、二酸化炭素だとされているのだが、もしかしたら主犯は別にあるかも……という研究の記事。
それは都市部の出す「熱」だという。

ニュース – 環境 – 都市部の熱、北半球の気温に影響 – ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト(ナショジオ)

 新たに作成された大気モデルから、都市部で発生する大量の熱が、遠く離れた農村部の気温上昇につながる可能性が明らかになった。

都市の気温が郊外や農村より高い理由として、「ヒートアイランド現象」が引き合いに出される場合が多い。自動車やエアコンの室外機などの熱源や、建物や舗装道路などが熱の発散を妨げる結果、気温が上昇する現象だ。

しかし、カリフォルニア大学サンディエゴ校のスクリップス海洋研究所が作成したモデルでは、北半球の都市は遠くの農村部の温度を最大で摂氏1度上げている可能性が示唆された。

(中略)

北半球の86の主要な大都市圏は、地表面積の1.27%を占めるにすぎない。しかし、年間に消費するエネルギーは6.7テラワットで、全世界の消費量の42%に相当する。北半球の都市部が地球の気候に及ぼしている影響は大きいという。

大半の気候研究者は、温室効果ガスが気候変動の唯一の原因と考えてきた。ところが、一部の地域では予測を上回るペースで温暖化が進んでいる。

スクリップス海洋研究所の気象学者ガン・チャン(Guang Zhang)氏は、その一因はエネルギー消費が生み出す都市部の熱と推測。「これで原因不明の気温上昇を説明できる」。

ひとつの研究成果、説ではあるのだが、二酸化炭素は共犯ではあっても主犯は「都市の熱」かもしれない、というのがこの報告が示唆するところ。
夏のゲリラ豪雨は、ヒートアイランドが原因だともいわれているからね。

昨夏、原発の停止にともなって全国的に節電が行われたが、それによって都市から出る熱量は下がったと思われる。

冬場の節電も呼びかけられていて、電力需要が供給可能範囲に抑えられている。つまり、原発が稼働していた時期よりも、エネルギー消費量が減っているということで、その分、都市部から放出される熱量も下がっているはずだ。

都市部の放熱量が下がることで、寒気が例年よりも低緯度に降りてくることになり、それによって、この冬の冷え込みや豪雪を招いていると想像するのは、的外れだろうか?
このへんの相関関係の検証を、専門家の方たちにはやって欲しい気がする。

地球の気象は、まだまだ未解明なことが多いことは事実だ。
スパコンでシミュレーションするにしても、上記の記事のようなパラメーターが含まれていなければ、実態とはかけ離れたシミュレーションになってしまう。

いずれにしても、省エネにすることは、家計にも地球環境にもやさしいとはいえる。

人間の活動による環境問題、気候変動の根源は、人間の数が多すぎることだ。
世界の人口は、増加の一途を辿っているが、その上限に達しつつあるかもしれないというのが、以下の記事。

200年後、世界の人口は半分になる!? ≪ WIRED.jp

少し前から、インドや中国、ブラジルやメキシコでも、生まれる子どもの数が減ってきている。世界の人口増加のスピードは鈍っていて、計算によると70~80年後には増加が止まり、200年後には世界の人口が半分になるかもしれない。

人口が半分になれば、エネルギー消費量も半分になり、温暖化問題も200年後には自然に解決する。現在の半分というと、1960年代に相当する。日本は高度成長時代の初期であり、公害は問題になり始めていたが、温暖化問題はまだ誰も論じていなかった時代(最初に論じられたのは1988年だとされる)。60年代の電力消費量は、現在の約5分の1だったが、当時は一般家庭にエアコンもコンピュータもなかった。

地球温暖化をはじめ、人間の活動に起因する環境問題を低減するには、人口が減ればエネルギーの消費量が減り、排出される二酸化炭素や熱も減ることになり改善されていく。そう考えれば「少子化」は地球環境にとっては、よいことだともいえる。

日本の人口が現在の半分、約6000万人だったのは1920年代になる。関東大震災が1923年、大正から昭和になったのが1926年だ。

その当時の東京は、田畑や野山が多かった時代。私が今住んでいる所も人家の少ない、田んぼや原っぱだった頃。さすがに、写真でしか知らないが。
人口をそこまで巻き戻せば、環境問題は自然に解決する。

少子化が問題だとして、出生率を上げなければいけないといわれるのだが、これは生物の生存法則を無視している。

江戸時代の人口は3000万人くらいで安定していた。これは当時の生産能力では、それ以上の人口を養えなかったからだ。

少子化の原因として、経済的な理由、晩婚、育児環境が整っていないなどの理由が挙げられる。しかし、もっと根本的な原因は、人口が増えすぎたことだ。日本の国土面積、食料やエネルギーなどの生産や供給能力がこれ以上の人口を養えなくなっているという、生息環境としての限界だ。現在の人口の倍になったら、住むところも食べるものも足りなくなる。そうならないように、自然とブレーキがかかっている。

人間はなんでも自分の思い通りにできると過信してしまうのだが、人間もまた地球という環境システムの一部である。人間の意思で行っているようなことでも、じつは自然の法則に従っていたりする。

話がそれてしまったが、気候変動の原因として「都市の熱」をパラメーターに入れないと、今後の予測は的外れになってしまいそうだ。

犯罪捜査にたとえれば、新証拠が出てきて、別の共犯、もしくは真犯人が浮かび上がったようなものだ。
真相はいかに?

(Visited 14 times, 1 visits today)