暴走列車「地球号」?…ではない

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暴走列車「地球号」?…ではない

地球温暖化対策について、危機感をあおる風潮が止まらない。
これは一種の終末論になっている。
閉塞感に満ちた世界情勢が、悲観的な未来を想像させるからだろう。
だが、冷静になれ。
世界は終わりはしない。

暴走列車、地球号を止められるか(ニュースソクラ) – Yahoo!ニュース

 地球温暖化対策を話し合うためのCOP25(第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議)は会期を延長して協議を続けたが,各国の利害が対立し、来年から始まるパリ協定のルールづくりを先送りするなど期待された成果が得られないまま15日閉幕した。

この一事からも明らかなように、私たちの住む地球は、今、断崖絶壁に向けてひた走る暴走列車のように見える。宇宙から見る地球は「ブループラネット」(青い惑星)として燦然と美しく輝いているそうだ。その地球も、内側から見ると縦横に亀裂が走りぼろぼろの状態だ。異常気象は日常化し世界各地で深刻な自然災害を引き起こしている。天然資源は枯渇し、生態系の多様性が失われ、海はマイクロプラスチックで溢れ、水不足、食糧不足も深刻だ。

(中略)

コップに水を注げば、いつか一杯になり水は溢れてしまう。地球も同じで、資源を使い続け、有害物質を排出し続ければ資源は枯渇し地球は壊れてしまう。

暴走する地球号を破局から救うためには、増え続ける人口を抑制し、「経済成長を善」とする発想から抜け出す知恵が必要だ。果たしてそれは可能だろうか。

この記事は、ソース元では有料記事だが、Yahoo!ニュースの転載記事は無料扱い。
それって、どうなのよ?

結論から言うと……

地球号は暴走列車ではない。

地球環境は、たかだか100年のスパンで考える問題ではないからだ。
環境少女のグレタさんは、騒ぎすぎだし近視眼的だ。
異常気象や災害は起きるだろうが、それで地球の全生物が滅びることはない。
気候変動は数万年のスパンで見なくてはならない。

何度も書いていることだが、数万年のスパンで見た場合、かつては現在以上に温暖化していた時代があった。そのお陰で、人類の祖先は繁栄の礎を築いた。氷河期には氷に閉ざされていた高緯度地域の氷が溶け、植物や動物が生息できるようになって、人類は生息圏を広げることができた。

そのときの温暖化で絶滅した種もあるが、新たな種が繁栄することにもなった。
温暖化は一時的にはマイナス面が現れるが、プラス面もある。
人為的な原因かどうかに関係なく、今後温暖化が進んでいくとすれば、過去の歴史と同様のことが起こるだろう。
環境に適応できない生物は絶滅する。一方、絶滅した種によって空いたニッチには、適応した種が台頭する。1万年後には、地球の生態系は一変しているはず。
そこに人類が生存しているかどうかは疑問だが。

記事中に……

コップに水を注げば、いつか一杯になり水は溢れてしまう。地球も同じで、資源を使い続け、有害物質を排出し続ければ資源は枯渇し地球は壊れてしまう。

……とある。
コップの例えは、私も書いたように思うが、ひとつ違うのは、地球が壊れることはないということ。
生物誕生以前の地球は、生物の生存に適さない有害物質だらけの環境だった。どの時代を基準にするかで、見え方は変わる。原初の生物は、廃棄物として酸素を放出した。酸素は酸化をうながす毒だったのだ。
有害物質とされるものを分解する細菌やバクテリアは存在する。プラスチックを分解する微生物も発見されている。もしかしたら、それらの生物が、遠い未来に進化する生物のもとになるかもしれない。

また……

暴走する地球号を破局から救うためには、増え続ける人口を抑制し、

……とあるが、抑制ではだめなのだ。
抑制とは、増えるペースを落とすだけで、増え続けることに変わりはない。結局、コップの水はあふれてしまう。
求められるのは、人口を減らすこと。
危機的な状況だというのなら、短期間で劇的に減らさなくてはいけない。
産業革命以前の状態に戻したいのなら……
1802年 10億人 → 2015年 73億人
……と、約7分の1に減らす必要がある。63億人の削減だ。
石油や石炭の消費量、エネルギーの消費量、環境汚染、食糧問題も、すべてはこの多すぎる人口ゆえだ。地球で養える人口を超えているともいえる。

現実的にとりうる方法としては、少子化を奨励することだ。
人口減少に転じた日本は、環境問題に対してはプラスなのだ。
そのことをもっとアピールしてもいい。

はっきりしていることは、人類が今後も数億年にわたって繁栄することはないだろうということ。
人類は自滅しそうなのだが、進化の歴史を1からやり直す時間は残されている。
人類の絶滅後、1億年もあれば地球はリセットされる。
新たに知性を獲得する種が出現するには十分な時間だ。

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