「一個人が一つの放送局を持ってしまう怖さ」←それは勘違い

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「一個人が一つの放送局を持ってしまう怖さ」←それは勘違い

Lukas BieriによるPixabayからの画像

前エントリ『「ヤフコメ」の暗部ばかりを報道するのも問題』に関連した話題。

テレビのMCやコメンテーターは、ネットの状況について現状を把握していないというか、勘違いな発言をすることが多い。
以下は、その典型。

坂上忍 DaiGo騒動で提起 「一個人が一つの放送局を持ってしまう怖さ。整備されないと同じ事起きる」― スポニチ Sponichi Annex 芸能

さらに、SNSやYouTubeなど個人が自由に発信できるツールはメリットも多い一方で「一個人が一つの放送局を持ってしまう怖さ。もうちょっと整備されないとまた同じこと起きるのでは」と問題提起した。「僕らだっていろんなハードルを経て、この3時間の放送やってるわけで。それを個人の判断で到底できるもんじゃないと思うけどね」を考えを語った。

ちゃうちゃう(^_^)b
そんなアホというか無知な発言をするなよ、といいたい。

「ネットは誰でも自由に発信できる」……というのは間違いないが、同時に、
「発信しても、ほとんど誰の目にも入らない」……というのも現実。

つまり、「一個人が一つの放送局を持ってしまう怖さ」にはならないんだ。
ほとんどの一個人は、無数の個人の中に埋没しているから。

影響力のあるインフルエンサーやYouTuberは、多く見積もってもネット人口の0.0025%くらい。
ほんのわずかだ。
そもそもYouTuberと呼ばれるには、数十万人以上のチャンネル登録者がいなければ、影響力はないし、収益力もない。

私のブログを見る人は、1日当たり平均150人程度なので、ゼロではないが微々たるもの。私の発するメッセージは、ネットの荒海に落ちた雨粒のひとつにすぎない。
99.9975%のネットユーザーが、同じような状況。
こんなのを放送局とはいわないよ。

DaiGo氏が影響力を持つに至ったのは、マスコミや出版社が持ち上げて、書籍を出版したりテレビに出したりしたからだろう。
ようするに、マスコミや出版社は協力関係にあり、共犯者でもあるということ。
彼を有名人にし、彼の優越意識にお墨付きを与えたともいえる。

トップ・ユーチューバーといわれる少数の人たちは、なんらかの形でマスコミや出版社と関わりがあり、直接的・間接的に持ちつ持たれつの関係にある。
純粋に「一個人」でやってる人は、少数派なんだ。

そういう意味でも、「一個人が一つの放送局を持ってしまう怖さ」という認識は違う。

ワイドショーなんて上っ面だけの薄っぺらい番組なんだろうけど、だからってトンチンカンな勘違い発言はしないでもらいたい。

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