パワハラやセクハラがなにかと問題になる。
しかし、パワハラ・セクハラがまったくない会社や職場(公務員等)は、ほぼ皆無だと思う。
程度の差こそあれど、パワハラ・セクハラは常態化している。
パワハラ自殺で遺族に2度謝罪、豊田章男氏の心中 | 災害・事件・裁判 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
トヨタ自動車の若手男性社員(当時28歳)が2017年に自殺したのは、上司のパワハラが原因だったとトヨタが認め、社長の豊田章男氏が2019年11月と今年4月の2度にわたって遺族に直接謝罪した。遺族とは今年4月7日付で訴訟外の和解が成立しており、トヨタは人事制度の見直しなど再発防止策を進めている。
(中略)
章男氏には自身が社長として社員をパワハラから守れなかったという事実が突き付けられた。なぜパワハラの情報が上がってこなかったのか。なぜ周囲の従業員はパワハラに知らん顔を決め込んだのか。どうしてパワハラは許されたのか。考えれば考えるほど、愕然としたのだ。
経営者としての章男氏は、「従業員は家族だ」と考えている。大事な従業員を守ることができなかったのは、これまでのトヨタのやり方が間違っていたからではないのか。
「従業員は家族だ」と思っているのは、章男氏だけだろうね(^_^)b
従業員の本音を聞いてみてごらん……といっても、本音は上司にはいわないものだが。
パワハラ自殺が起きてしまったのは、従業員同士では「家族」とは思っていなかったからだ。
上司と部下という上下関係は、主従関係でもあり、階級でもあり、格差でもある。
「家族」にそんな関係が存在するかね?
一般的な家族では、夫婦、親と子、兄弟姉妹、という関係性はあるが、それは階級ではないし待遇に差が生じる格差ではない。保護者と被保護者という立場の違いはあるが、基本的に家族関係は対価の発生しない無償の愛の上に成り立っている。
しかし会社では、明確な階級があり、賃金の格差があり、与えられる待遇や権限にも差がある。
上下関係によって命令系統が作られ、組織として統率を執る。
そこにあるのは主従関係であって、家族関係ではない。
会社では業績が悪化すると、経費削減のためにリストラをする。
では、家族の家計が厳しくなったからと、家族関係を切って家から放り出すだろうか?
章男氏のいう家族は、年老いた親は重荷だから姥捨山に捨て、働けない子供は役に立たないから捨て子にするのだろうか?
「従業員は家族だ」なんていうのなら、リストラなんてするな。
ブラック企業として悪名高い某飲食業の社長も、「従業員は家族だ」みたいなことをいってたね。
その実、低賃金で酷使して、逆らえないように洗脳教育をしていたようだが。
経営者が「従業員は家族だ」なんていうのは、自分に都合のいい意味での家族であり、不要になったら切り捨てる家族だ。
それは家族という名の幻想だよ。
うちの妻が勤める某大手企業のグループ会社でも、パワハラは日常茶飯事だよ。
私は彼女の愚痴を毎日のように聞かされる。
毎日のパワハラに耐えかねて、辞めていく人も多いという。
そんな実態を、経営者は把握していないか、知っていたとしても黙認している。
会社のホームページには、偉そうにコンプライアンスを掲げているが、絵に描いた餅にしかなっていない。
大企業ほど、階級のヒエラルキーが大きく、上下間の力関係も強いので、パワハラは起こりやすい。
会社の人たちと、家族のようにつきあうなんていうのは難しい。
プライベートの場であっても、会社での上下関係は無縁ではなく、密接に結びついている。平社員は上司には頭が上がらないし、上司も部下を自分の子分だと思っている。
トヨタはまだマシな方だと思うが、社長が「従業員は家族だ」などというとしたら、私は胡散臭くて信用しないね。
そんな綺麗事が常に通るとは思えないからだ。