東京五輪の懸念は、選手が何人死ぬか

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東京五輪の懸念は、選手が何人死ぬか

暴走オリンピック列車は、ブレーキを掛けることなく突き進みそうだ。
何事もなく成功裏に終わる可能性よりも、問題が頻出する可能性の方が高い。
楽観視する関係者は多いが、どうなることやら。

東京五輪はもう止まらない?!巨額放映権料払う米NBC幹部が問題発言 「人々は開会式が始まれば問題(新型コロナ)を忘れ17日間を楽しむだろう」(Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE)

シェルCEOは、「すべての五輪で開幕に向けて人々が不安を抱える問題がある。私は(2012年のロンドン五輪のときには)ロンドンに住んでいたが、交通問題に、あらゆる人が不安を抱えていたし、前回(リオ五輪)はジカ熱の問題があった。だが、開会式が始まると、すべての人々が、その問題を忘れて17日間(の五輪)を楽しんだ。今回も同じようになると考えている」と楽観的な見通しを口にした。

(中略)

ロサンゼルスタイムズ紙は、「パンデミックの真っ只中に何千人もの世界のアスリートと(日本国内の)群衆を集めても安全かどうかという懸念があるにもかかわらず、1年延期となった東京五輪はわずか6週間後に迫っている。医療の専門家は(五輪開催によって)コロナの感染者数が再び急増した場合や、ウイルスの変種に対応できない可能性があると警告している。先月の時点で、日本国民のワクチンの接種は約2%だけで、世論調査では80%以上が夏季大会を中止するか、再び延期することを望むと答えている。そういう論争にもかかわらずCEOは開催に自信を示した。NBCユニバーサルにとって五輪はTVネットワークと、大規模な金儲けのイベントとして重要な瞬間なのだ」と、皮肉をこめて批判している。

カネのためのオリンピックというのが、如実に出ているね。
経済的な観点から五輪開催を主張する人たちは、人が1000人死んでも、1兆円の経済効果の方が価値があるという発想だ。命の値段は安いんだ。

現在は第4波と第5波の中間地点で、感染状況は停滞しているが、それでも毎日数十人が亡くなっている。
ワクチン接種は進んでいるものの、国民の半数以上に行き渡るにはまだまだ月日がかかる。
6月末から7月にかけて、第5波が盛り返してくると思われるので、感染状況が上昇傾向の中でオリンピックが開催されることになる。

五輪期間中も、コロナ死亡者は数十人から数百人で推移すると予想される。
それでも五輪が中止されることはないだろう。
IOCやNBCの関係者から見れば、自国の人間ではなく、無関係な日本人が何人死のうが、知ったことではないという感覚だと思われる。そこにはアジア人への蔑視が潜んでいる。

一番の問題になるとしたら、日本の一般国民の死亡者数ではなく、選手間で感染が発生して選手が死亡する場合だ。関係者として来る外国人の死亡は、その次に問題になる。

日本の病院では病床に空きがなく、十分な治療が受けられないとすると、欧米人は日本を非難するだろうことは想像がつく。彼らには潜在的に優越意識があるからだ。
「日本人は、我々を見殺しにした」とかなんとか。

インド株(デルタ株)は、すでに市中に広がっているようなので、選手の多くがワクチン接種をしていても、ブレイクスルー感染が起これば、深刻な事態に発展する可能性がある。
無名の日本人が100人死ぬよりも、有名な選手が1人死ぬ方が、インパクトは大きい。

また、COVID-19だけでなく、猛暑が予想されているので、熱中症による死亡リスクもある。
さらには、大型台風の直撃や大地震といった天災のリスクもゼロではない。

私が恐れているというか心配しているのは、選手の誰が、その死亡くじを引いてしまうかだ。
コロナで選手が死亡してしまったら、東京五輪は大失敗の烙印を押される。

東京五輪の成否は、綱渡りだと思う。

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