著作権をないがしろにする画像提供サービスは許されるのか?

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著作権をないがしろにする画像提供サービスは許されるのか? ユーザーが自由に画像をアップロードして、無料で配布できて共有できるというサービスがある。
 このサイトに掲載されている画像には、ストックフォトで販売されている写真、芸能人の写真、アニメの画像なども多数ある。
 つまり、著作権や肖像権など無視して、勝手に画像をアップし、無料でばらまいているというわけだ。
 運営会社は、そうした実情を知ってか知らずか、放置しているようだ。
 以下が、そのサイト。

画像★検索プリ画像 – プリキャン革命!

 このサイトの利用規約には、以下のような一文がある。
利用規約 | 検索プリ画像 プリキャン革命!

第10条(禁止行為)
利用者が本サービスを利用するにあたり、弊社は以下の行為を禁止します。利用者がこれらの禁止行為を行った場合、即時に、弊社が必要と判断する範囲内で利用者情報や利用者が本サービス上で利用する画像、テキスト等の全部もしくは一部の削除または修正もしくは追加を行い、当該利用者の本サービスの使用を禁止、制限、IDの削除をする場合がありますが、その場合においても利用者は、弊社に対し何ら不服を唱えないものとします。

1)虚偽の情報で利用者登録を行う行為。
2)他の利用者、第三者もしくは弊社が保有する、知的財産権その他の財産権、および、その他の権利を侵害する行為、または、侵害するおそれのある行為。
3)他の利用者、第三者もしくは弊社が保有する財産もしくはプライバシーもしくは肖像権を侵害する行為、または、侵害するおそれのある行為。
4)他の利用者、第三者もしくは弊社に不利益もしくは損害を与える行為、または、そのおそれのある行為。

 規約では禁止しているが、事実上、野放しになっている。
 まったく管理ができていない状態だ。
 投稿された画像が、投稿者のオリジナルだという保証はなく、確認しようもない。ネットで拾ってきた画像をアップしても、それが誰のものであるかを確認するのは困難だ。
 健全なユーザーもいるだろうが、他人の作品やネットや雑誌等からコピーした画像をアップしている人が相当数いる。
 それらの著作権者、肖像権者は、このことを了承しているのだろうか?
 試しに、有名なアイドルの名前やアニメの作品名を検索してみれば、たいていはヒットする。AKB関連やジャニーズ関連など、相当な数に上る。これを事務所が容認しているとは思えない。一部、「公式アルバム」として承認されているものもあるようだが、公式のものとそうでないものの区別がつきにくい。

 著作権を尊重し守るというのは、ユーザーの意識に委ねられるところが大きい。
 たとえ、無料で配布しているとしても、このサイトは広告で成り立っているわけだから、運営会社は著作権が侵害されていることを承知で利益を上げていることになる。
 責任は、ユーザーにある……という「免責」を盾にしているのかもしれない。運営会社は投稿できるシステムを提供しているだけだと、言い逃れするのだろう。

 だが、それでいいのだろうか?

 これは企業としてのモラル、コンプライアンスの問題だ。
 著作権や肖像権を侵害される可能性が高いサービスを提供しているのだから、それらに違反していないかどうかのチェック体制を整えるのが、企業としての努めだろう。
 それができないのなら、こういうサービスをすべきではない。言い方は悪いが、現状では盗品売買(無料ではあるが広告の報酬はある)の仲介をしているようなものだと思う。

 かつて、YouTubeでもテレビ番組などが勝手にアップされて、問題になったことがあったが、チェック体制を厳しくして無断アップロードの数は減った。
 おそらく、このサイトの存在は、まだあまり知られていないため、芸能プロダクションやアニメ制作会社、漫画家や写真家の人たち、ストックフォト会社の人たちは、無断使用されていることを知らずにいる。
 ストックフォトに関しては、写真仲間のひとりが、自分の写真が勝手にアップされていることを発見した。探してみると、各社の写真があたかも投稿者が撮ったかのごとくアップされていた。ストックフォトサイトにあるサンプル画像は、勝手に使ってもいいという画像ではないのだ。

 これは大問題なのだ。
 コピペが簡単にできるデジタルの時代だけに、軽い気持ちで画像を拾ってきてアップしてしまう。著作権の「ち」の字も意識することなく、無断使用が横行しているのだ。
 このことは、著作権者にとって大きな損失であるだけでなく、無断で使用してはいけないというユーザーの意識を低下させる。
 他人の撮った写真などを無断で使用することは「盗み」である。
 万引きと同じだという意識が、欠けているように思う。

 デジタルネイティブの時代……などといわれるようになって久しいが、著作権に対する意識については、まだまだレベルが低いのが現状だ。
 ユーザーレベルでは教育や啓蒙をしていくしかないが、企業レベルではもっと厳しい対処が必要だろう。「免責」として責任逃れをするような姿勢ではなく、著作権の侵害が生じた場合には、運営会社にも責任を取らせるだけの厳しい法律が必要だと思う。
 その責任を取る覚悟がないのだったら、このようなサービスをするべきではないのだ。

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