絶望的なワクチンシステムが悲しい

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絶望的なワクチンシステムが悲しい

日本のIT化の遅れは、世界から10年、いや20年遅れているようだ。
デジタル庁が聞いて呆れる。
効率と正確性を担保するはずのシステムが、逆に足を引っ張っているという情けない話。

「バーコード読み取れず」「役立たずのタブレット」…ワクチンシステムに自治体職員の怒り | デイリー新潮

「いま、地方自治体の現場では通常業務に加えて、各種の給付業務、ワクチンの予約、接種、本当にたくさんの問い合わせでパンク状態です。何日の何時にワクチンが届くか分からない。厚労省のHER-SYS(感染者等情報・管理支援システム)やら、V-SYS(ワクチン接種円滑化システム)、内閣官房のVRS(ワクチン接種記録システム)など、現場では使い勝手の悪いシステムを使うことを強いられています。『政府によるシステムハラスメントだ』という怒りの声も聞こえてくるほどです」

(中略)

「VRSは、国民に配布されたワクチン接種券に記載されているOCRラインを読み取ることで、誰がいつ接種したのかを記録する仕組みです。ところが内閣官房のIT総合戦略室は、当初、『(VRSは)バーコードも読み取り可能』だからと、各自治体に『ワクチン接種券にはOCRに加え、バーコードも印字する』よう指示を出していました。

そのため我が自治体では、印刷会社と再契約してバーコードを印字してもらったのですが、実際に使ってみると、バーコードを読み取ることができなかったのです」

(中略)

伊藤議員の調査によれば、厚労省をはじめ政府が開発したコロナ対策のシステムは、すでに総額257億円を超えていると見られている。

不具合が長期間放置され全く利用者が増えない接触確認アプリのCOCOAの開発費は6.9億円。海外観戦客の受け入れ断念にもかかわらず、未だに開発が続けられているオリパラアプリには73億円超が投じられている。

V-SYSの開発費が39.6億円に対し、VRSは3.8億円。価格が抑えられたのは、受注したのが新興企業だったからとみられている。

ところが、価格を抑えたにもかかわらず、VRSに接種状況を記録するためと、内閣官房が自治体にタブレットを配布したことで、さらに経費が積み上がった。そのタブレットを供給し、通信システムを提供したのはNTTドコモとNTTコミュニケーションズだが、その受注額は60億円を超えたという。

このタブレットがこれまた不評で、会議室に使われないまま積み上げられている自治体もある。4月26日付の読売新聞によれば、タブレットを使用することに懐疑的なさいたま市では支給の申請すらされておらず、約1000人の接種が終わった時点でVRSへの入力はゼロだった。

NHKをはじめ各報道機関は、高齢者のワクチンの接種状況を報道しているが、その数字はVRSに記録された接種件数だ。これを正確な接種情報と捉えるには、何とも心もとない。

教育現場でのタブレット導入も同様だが、ここでもとりあえずタブレットを突っ込んどけ……みたいな感じになっている。
なんだか「タブレット万能」みたいだ。これはデジャヴだね。

かつて、1980年代にMS-DOSのパーソナルコンピュータが登場すると、パソコンならなんでもできると勘違いした無知な経営者が、流行だからととりあえずパソコンを導入した。
当時のパソコンは8ビットもしくは16ビットで、メモリが数百KBしかないような非力なものだった。OSがMS-DOSだから、できることは限られ、「なんでもできる」には到底及ばなかった。だが、当時の認識は「コンピュータはすごい」というイメージだけが先行していたのだ。

パソコンを買ったはいいが、なにに使うかの目的が曖昧だったから、使いこなせずに埃を被ることになった。結果、パソコンは一部のマニアのガジェットとなり、一般に浸透することはなかった。皮肉なことに、文章を書くことに特化したワープロが普及したことで、パソコンは限定的な業務に使われるに留まってしまった。

そして、ワープロが衰退すると、パソコンはますますマニアックな方向に向かい、普通の学校でパソコンを教えることにはならなかった。
1990年代以降に、小中学校からパソコン教育をしていれば、日本はデジタル先進国になれていたはずだ。その先見性というか未来への投資をしてこなったツケが、今の混乱を招いているといっても過言ではない。

システムの使い勝手が悪いとかエラーが出るのは、開発に携わったエンジニアやプログラマのレベルが低いからだ。ようするに、クソ(^_^)b
そんなクソシステムに何億もつぎ込むのはアホ。
COCOAよりも優れた補完アプリを個人が作って無償で発表していたが、優秀な人ならひとりでも作れてしまう。

バーコードが読み取れないなんて、仕様書に書いてあったとしたら、組み込みを忘れたか、満たしていないんだろう。凡ミスというより、手抜きだね。

いっそのこと、必要な仕様を示して、アプリ製作を公募した方がいい。
採用されたら賞金3億円とかにすれば、優秀なアプリがたくさん応募されると思う。
ほんとうに優秀な人はいるんだ。人材を発掘する意味でも有意義だ。

それにしても、タブレットを売りつけて60億円とか、ボロい商売してるな。
コロナで苦境に陥っている事業者がいる一方で、コロナで儲けている事業者もいる。
神様がいるのなら不誠実を裁いてほしいものだが、残念ながら神様はいない。

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