すでに閉幕しているが、ひっそりと行われていたVRイベント「バーチャルマーケット4」。
ほとんどニュースの話題になることもなかったのだが、チラッとテレビで紹介があった。
なんというか……、私も妻も苦笑してしまった。
来場者は50万人を突破!VRイベント「バーチャルマーケット4」5/10まで開催中 | VR Inside
株式会社HIKKYは2、5月10日(日)までVR空間上で開催されている世界最大級のイベント「バーチャルマーケット4」の様子を公開しました。
今回のイベントでは、初日から5月5日までに、50万人の来場を記録しています。
(中略)
ファッション業界から出展している「三越伊勢丹ホールディングス」や「WEGO」では、販売員が自宅や事務所などからバーチャルで接客を行っています。
YouTubeに紹介動画がいくつかあるので、概要は見られる。
テレビの紹介では、これからのビジネス展開の意気込みが語られていた。
この展開はデジャブだね。
セカンドライフのときと似ている。
技術的な進歩もあって、セカンドライフよりは芸が細かくなって進歩は見られる。
だが、相変わらずチープなんだ。
バーチャルな世界、サイバーな世界で、求められているのはコレじゃない。
これはAIにも共通した問題で、今、実現できていることと、将来実現できることがごっちゃまぜになっていて、コレじゃない感が強くなる。
アバターを操って、バーチャルショップで買い物……というが、クソゲーのようなチープさにガッカリだ。
アバターが周囲のオブジェクトを突き抜けてしまったり、腕の関節が変に曲がったり、違和感ありまくり(^_^)b
オブジェクト同士の衝突判定とか物理演算はされていないのだろうが、そういう些細なことがリアリティになる。それが無視されると、とたんに興ざめになる。
映画やアニメで、VR世界の完成形というか理想像を、私たちは見せられている。
映画であれば『マトリックス』、アニメであれば『ソードアート・オンライン』など。
これらの作品は、VR世界はこうあるべきのイメージになっている。
全身没入型のVRであり、五感がVRと違和感なく連動する。2次元のディスプレイを見ながら、マウスやコントローラーを操作するものではないのだ。
それゆえ、今現在のVR技術のレベルの低さに失望してしまう。
発展途上というのはわかるが、コレが広く浸透することはないように思う。
まずは、チープさをなくさないと。
FFのゲームより劣るグラフィックや操作性ではダメだ。
新しい体験、今までにないVR世界を構築しないと、パラダイムシフトは起きない。
VRってこの程度か……と、いうのが率直な感想だ。
表現技術がチープだというのとユーザを惹き付ける仕組みとしてチープだというのは別だと思う。
VTuberも技術的には「チープ」で、表情の同期なんかもぜんぜん十分とは言えないけれどキャズムを超えることができたし。
ただVRChat等がユーザを惹き付ける仕組みとしてもチープだと思う。
コンテンツがおしゃべりとUGCワールドめぐり程度で、SecondLifeから何も進歩していないというかむしろ機能としては後退している。
VRがうまくいっているように見えるのは、ハイプ・サイクルの過度な期待からいっこうにフェーズが進まないせいという気がする。