日本の政治家は、演説が下手くそだ。
抽象的な表現が多く具体性に欠けるし、人々を感動させる要素がない。
その背景は、普段から自分の意見を表現する訓練ができていないからでもある。
国のトップの首相が、演説下手ではリーダーシップなど期待するのが無理というもの。
ウクライナのように、もし有事が発生したとき、日本はどう対抗するのか?
と、そんな記事。
メモを見て「遺憾砲」の岸田首相がゼレンスキー大統領に学ぶべきこと | DOL特別レポート | ダイヤモンド・オンライン
「極めて遺憾」「まことに遺憾」――。国際政治の舞台で、日本に不利益が生じた際に、首相や閣僚などが異口同音に発する決まり文句だ。しかし、何の実効性もなく、世間では「遺憾砲」とやゆされている。ウクライナで情報発信力を武器に国民を鼓舞し、世界を味方につけるウォロディミル・ゼレンスキー大統領に、日本のトップである岸田文雄首相は多くを学ぶべきではないか。
(中略)
ゼレンスキー大統領をはじめとするウクライナ首脳は、フェイスブックやツイッター、テレグラムなどのSNSで積極的に情報を発信。戦禍の動画を拡散し、強烈に視覚にも働きかける。厳しい情報統制下にあるロシアとは対照的で、その「見える化」によって劣勢を挽回したいとの強い意志が伝わる。「発信力」が戦力に位置づけられる今日、リーダーに求められる「情報戦」での能力は重要性を増す。
(中略)
防衛費増額に熱心な自民党は、相手国の基地などを攻撃する「敵基地攻撃能力」の保有に向けて、その名称を「反撃能力」に変更することにした。だが、軍事・非軍事の「ハイブリッド戦」が主流となる中、各国が注力する情報戦に対抗できるだけの「反撃能力」も向上する必要があるだろう。遠く離れた若きリーダーから岸田首相が学ぶべきことは多いようだ。
「遺憾砲」というのが面白い。
国内向けには多少は意味が通じるが、外国向けには意味不明だろうね。
日本の政治家は、国民のためではなく、自分の属する政党の利益を優先しているし、もっといえば自分の議席と特権を守るために活動している。
それゆえに、波風を立てず、なるべくなにもしないで穏便に済まそうとする。
体裁だけを整え、形ばかりの「やってます感」で誤魔化す。これはコロナ対策でも同様だった。
これは与党も野党も関係ない。彼らは議員という肩書きが欲しいだけなんだろう。
残念ながらというか、当たり前だが、遺憾砲は見かけだけで効果はゼロ。
それが世界に通じると思っている時点で、バカ丸出しだ。
国内向けに「遺憾砲」を撃てば、関係者が忖度して多少は効果がある。これはマスクを強制しなくても、国民の大部分が従うのと同じようなこと。お上のいうことには、逆らわないんだ。暗黙の了解というか、忖度政治を良しとしているからだ。
国会は議論をする場のはずだが、実際には質問は事前に提出し、官僚の用意した答弁書を読み上げるだけ。
議論ではなく、ただの朗読会だ。
これが民主主義だって? 笑っちゃうよ。
近い将来、中国は台湾に武力侵攻するだろう。なぜなら、習近平は自分が生きているうちに成果を上げたいと思っているだろうから、いつまでも待てない。
プーチンがウクライナに侵攻したのも、自分の健康問題もあって残された時間が少ないと考えてのことだと思われる。
独裁者とは、そういう思考だ。
日本がロシアや中国に攻められたら、ウクライナのように抵抗はできないことは明白。
遺憾砲をいくら撃っても、相手は痛くも痒くもない。
自衛隊が優秀だとしても、物量では負ける。
情報戦でも負ける。
岸田首相に、ゼレンスキー大統領のような演説はできない。
日本の論客の中には、ロシアのウクライナ侵攻について「さっさと降伏すればいい」みたいなことをいっている人がいたが、日本が攻められたら戦わずして白旗を揚げろというのかね?
だとしたら、日本は3日で陥落する。
首相はこういうのだ。
「遺憾ながら、国民の安全のために、降伏します」と。
太平洋戦争で負けて、アメリカに占領された経験があるから、占領されてもいいみたいな感覚があるのかもしれない。
アメリカは比較的良心的な占領者だったし、沖縄や小笠原諸島を日本に返還した。
しかし、ロシアは北方領土を返還する気など、さらさらない。
ゼレンスキー大統領の演説が心に響くのは、主張が明確で感情に訴える真摯さがあるからだ。
それは「ゼレンスキー主演のドラマ「国民の僕(しもべ)」」で取り上げたように、俳優としての表現力が生かされているからでもある。
岸田首相は、このドラマを見た方がいい。
人を感動させる演説とは、どういうものなのかがわかるだろう。
ゼレンスキー大統領に学ぶことは多いが、岸田首相には無理かもね。
演説が上手いというのは、才能のひとつだからだ。努力は必要だが、それは才能があることが前提。
岸田首相が大化けすることはない(^_^)b