Netflixのアニメ『The Liberator』

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11月11日から公開されていた、『The Liberator』を見た。
宣伝らしい宣伝はされていなかったと思うが、なかなか興味深い作品だった。

第二次世界大戦を描いたNetflixのアニメ『The Liberator』、公式予告編が公開

四部構成の歴史ドラマについて、Netflixは以下のように解説している。「『The Liberator』では、第二次世界大戦の勝利へと進む、最も残酷で、最も劇的な道のりを描いています。部隊で唯一の生き残りとなる、合衆国陸軍将校、フェリックス・スパークスと彼の歩兵隊がヨーロッパを解放するまでの500日以上にわたる戦場体験です」

『The Liberator』の独特なアニメーションは「Enhanced Hybrid Animation」と呼ばれる、特許出願中の新しい技術。CGIと実写の演技を組み合わせて作られている。シリーズはアレックス・カーショの小説『The Liberator: One World War II Soldier’s 500-Day Odyssey from the Beaches of Sicily to the Gates of Dachau』をもとに、『ダイ・ハード』や『逃亡者』のジェブ・スチュアートがテレビアニメとして制作した。

IGNではスチュアートにメールでインタビューを行い、『The Liberator』の制作にアニメーションを使用することが重要だった理由をたずねた。「Trioscopeはハイブリッドアニメーション技術で、実写でやりたいと思うのと同じくらいのスケールの大きさで第二次世界大戦のドラマを語ることができます」とスチュアートは述べ、「物語の感情のニュアンスを犠牲にすることもまったくありません」と加えている。 


いちおう「アニメ」ということになっているのだが、実写映像をアニメっぽく加工しているので、「ほぼ実写」だ(^_^)b
いくつか、予告編からスクリーンショットを拾ってみると……

と、こんな感じ。
手描き風の輪郭線と、影部分等に斜線の描写が入り、筆で色塗りしたようなタッチになる……というのが基本的な処理みたいだ。

昔のロトスコープの手法を、デジタルで処理しているようなものだね。
背景やメカなどがCGだと思われるので、実写映像をベースにした処理映像と馴染みがいいというのはあるかもしれないが、CGはやっぱりCGとわかってしまうんだ(^o^)

正直、この手法を使う必然性があるドラマとは思えなかった。
ここまで作りこんでいる実写なら、そのまま実写でもよかったのでは?
この手法が生きる作品としては、ファンタジーものの方が向いている気がする。そういう絵柄だしね。
リアルな戦争物でこの手法は、ちょっと合わなかったように思う。

手法的なことを脇に置けば、ドラマとしての内容はかなりよかった
だから、逆にもったいないのだ。
アニメ化された映像は、どこかしっくりこなくて、ドラマの迫真性が薄められてしまっている。

思い出したのは、昔のTVドラマシリーズの「コンバット」だ。
ヨーロッパの戦線を転々とする、サンダース軍曹たちの物語に似ている。

元となった実話は、500日間に及ぶ戦いだったということだから、4話で終わらせるのではなく、通常の1シーズンの24話でも展開できたのではないかな。そうするならば、実写ドラマがいい。

表現としての試みは面白いけど、作品の内容にはちょっと合っていなかった……という評価だ。
ただし、繰り返すが、ドラマ部分(ストーリー)はかなりよい。

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