2020年冬アニメ寸評(2)

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2020年冬アニメ寸評(1)の続き。

毎シーズンで、テーマや設定が似通った作品がいくつか出てくる。
一種のトレンドというか、傾向のバッティングでもある。
企画・制作は個別に進められるから、蓋を開けてみたら被っていた……ということなのだろう。

pet

総合評価:★★★☆☆
超能力+犯罪もの。その超能力が記憶を操るということらしい。
記憶を操作された人が錯乱的な妄想に陥るという表現は、「イド:インヴェイデッド」に似ている。
このようなジャンルを「脳内トリップもの」とでも呼ぼうか。
紹介記事の解説によると……

人の脳内に潜り込み、記憶を操る能力を持つ者達がいた。
人は恐れ、蔑み、彼らを「pet」と呼ぶ。
能力者である“ヒロキ”と“司”は特別な絆で結ばれていた。
彼らは互いに縛り合うことで、自身をも蝕むその力から脆く危うい心を守った。
『ただ、一緒にいたいだけ』
そんな彼らのささやかな願いを裏社会の組織“会社”は無情にも利用し、翻弄する。
歪んでしまった2人の”絆”がもたらす結末とは──?

……ということ。
第1話のストーリー中では設定についての説明はほとんどなく、なにがどうなっているのかよくわからなかった。徐々に明かされていくのだろうが、とっつきにくさにもなっている。
面白いか?と問われたら、「んん……」と返答に困る作品(^^)。

プランダラ

総合評価:★★☆☆(2.5)
前半がつまらなくて、見るのをやめようかと思った(^_^)b
とりあえず我慢して後半を見て、とりあえず残すことにした。原作に忠実なのかもしれないが、キャラ描写がステロタイプで退屈。
別にエロが嫌いなわけではないが、やたらとエロ描写があり、レイプまがいのエロ描写は不快である。
後半で、少し展開が面白そうに感じられた。
妻と協議して、とりあえず続きを見てみようとなった。

空挺ドラゴンズ

総合評価:★★★★★
面白い作品というのは、最初の1分で面白そうと感じられるものだ。
空を飛ぶ龍(ドラゴン)を飛行船で狩る人たちの物語。龍はクジラの置き換えで、捕鯨を空中でやっている。アクションとして緊張感もあり、なかなかいい感じ。
期待感を込めて★5つ。

余談だが、龍が雲に潜るシーンを、あたかも海中に潜るクジラのように描写しているが、雲は間近で見ると境界線はわからない。雲の輪郭は遠くから見たときに、くっきりと区別できるだけ。ナウシカにもそういうシーンが出てくるが、飛行機に乗って雲の中を飛ぶ様子を見た経験があれば、雲は間近では霧なのだとわかる。イメージとしてはわかるが、その描写はリアルではないんだ。

痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。

総合評価:★★★☆☆
ゲーム世界の異世界ファンタジーもの。防御力だけをひたすら上げていく女の子が面白い。
ゲーム世界ものはひとつのジャンルになっているが、パターン化しているので基本設定としての違いを出すのは難しくなっている。そこで枝葉末節をいかに際立たせるかという方向になっている。
世界観そのものを1から構築するのは、なにかと大変だからだろう。
欧米のファンタジー作品(例:指輪物語)だと、宗教的な要素が入ってくるが、和製ファンタジーは無宗教で、形だけ借りてくるものが多い。世界観のバックグランドには、宗教観は必要なんだけどね。

インフィニット・デンドログラム

総合評価:★★☆☆(2.5)
これもゲーム世界もの。「ダイブ型VRMMO」で没入感のあるゲーム世界に入っていく……というのは、前出の「防振り」と同じ。「ソードアート・オンライン」とも同じだが、ここ最近はこの手の作品が多くなっている。
とはいえ、頭にヘルメット型の端末を被るだけで、全身没入感のあるダイブはできないだろうけどね。脳にアクセスして……という設定はわからないでもないが、脳とコンピュータとでは情報の扱い方が違うので、相互通信は簡単ではない。そこまで進歩するには、少なくとも50年はかかりそう。
SFとしては、安直すぎだよ。

宝石商リチャード氏の謎鑑定

総合評価:★★☆☆(2.5)
宝石を媒介した人間模様の物語で、かなり地味。派手さはないが、ドラマとしてはよくできていた。この地味さで、どこまで見続けられるか?……だね。とりあえず残した。

ソマリと森の神様

総合評価:★★★★
人間以外の動物型異種族がたくさん出てくるファンタジーものだが、森を守護するゴーレムと呼ばれるロボットのようなものも出てくる。
どこか「ラビュタ」のロボットを感じさせ、世界観も似ている。
主人公の女の子は人間だが、人間は種族としては滅びかけているらしい。育ての親となったゴーレムとともに、人間たちを探す旅の物語。

推しが武道館いってくれたら死ぬ

総合評価:★★☆☆
地下アイドルのファンたちの話。あるあるの話なのかもしれないが、野郎のオタクたちばかりだったら辟易するところに、女性キャラがいることで救われている。
アイドルものの作品は少なくないが、アイドルの方ではなくファンの方を主人公にしているのが面白い。評価は★2つと低くしたのは、このテンションでどういう展開に持っていくのか、疑問に思ったから。

地縛少年花子くん

総合評価:★★★☆☆
幽霊学園もの。独特の絵柄が新鮮だった。
紹介文によると、「誰も見たことのないハートフル便所コメディ」だそうな。


と、(2)はここまで。
続きは来週に。

2020年冬アニメ寸評(3)に続く。

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