3Dプリンターというのがある。
3DCGとして、ディスプレイ上に作った3Dモデルを、実体のある手に持てる実物として出力できるものだ。
その最先端技術と応用に関する記事が以下だ。
これには驚きとともに、強い興味をひかれた。

アートから臓器まで立体プリント:未来へようこそ! CGを現実に変える「3Dプリンタ」最新事情 (1/2) – ITmedia PC USER

1990年代にインターネットが普及して以降、2000年代中ごろのソーシャルメディアとスマートフォンの登場は世界を大きく変えた。それでは、この次の革命は何か? と聞かれたら、筆者は昨年来、迷わず「3D革命」と答えてきた。

(中略)

この医療分野に関しては、十数年後には、さらに大きな飛躍がありそうだ。2011年3月、TEDというカンファレンスで人間の腎臓が3Dプリンタで印刷されるというデモが行われた。スフェロイドという、どのような組織にもなりうるものを3Dプリンタを使って印刷すれば、なんと移植可能な臓器も、いずれ3Dプリンタで作れるようになってしまうのだ。

模型としての3Dプリントだけでなく、使える実物まで可能になるというのには驚きだ。
これが可能になったら、医療分野では革命的なことになる。壊れた肉体の部品を3Dプリントして、交換(移植)が可能になるという、SFの世界が現実化する。夢のような話ではあるが、不可能ではないという未来が見えてくる。

映像としての3Dは、擬似的な立体感を表現している。
3Dテレビはあまり普及せず、メーカーの目論見は外れてしまった。そもそもメガネをかけなくてはいけないテレビでは、普及するはずもなかった。このことについては過去記事にも書いている。

参照→「裸眼で見える3Dディスプレイ

所詮、平面ディスプレイに3Dを表現することに無理がある。
映画では「アバター」の成功もあって、そこそこ3D映画は好評ではあるが、それも映画館だからという特殊事情だろう。

映画館で観る映画は、2時間くらいの時間を拘束される。映画を観る以外のことはできないから、2時間くらいの集中力を強制されても堪えられる。

しかし、テレビでは基本的に「ながら」なので、テレビの前にメガネをかけて座っていることを強制されるのは向かない。裸眼の3Dテレビもあるにはあるが、見え方の制限はある。どこから見ても3Dになるというものにはなっていない。

先週、映画『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』を観てきたのだが、それを観ていて3D映像に感じる「違和感」の理由がわかった気がする。
3D映画は「アバター」以来の2本目。
観たのはIMAX方式の3Dだったが、RealD方式よりはいくぶんマシに感じたものの、根本的な違和感は同じだった。

第一に「」だ。
もともとメガネ使用者なので、メガネonメガネでは3Dメガネが安定せず、ぐらぐらして落ち着かない。これがあるからメガネ3Dは嫌いだ。

第二に……というか、これが一番なのだが……

画面の焦点は、撮影されたときのカメラの焦点に固定されているため、背景や前景の任意の場所に焦点を合わせることができない。

……ということだ。

擬似的に奥行き感を出しているのが3D映画の「売り」なのだが、焦点は俳優の顔にある。しかし、なまじ奥行き感があるから、背景の奥の方を見たいと思っても、そこはピントがボケているのだ。合わせられないピントに強烈な違和感を感じる。

見たいところが見えないというのは、ストレスがたまる。
こういうことは現実の三次元空間では起きない。
視線を向け、近くでも遠くでも、見たいところに目のピントを合わせられる。
それが本当の3Dなのだ。

現在の3D映像にはそれができない。ピントは撮影されたカメラのピントにしか合っていない。
3D映像の課題としては、全方位、全ての遠近にピントを合わせることだ。観客が見たいところを見られる映像にすることが、映像における3D革命になる。

話を戻して、3Dプリンターについて。
私は3DCGを作ったりもするが、それは画面の中の仮想空間でのこと。画面の中にあるフィギュアを、ぐるぐる回すことはできるが、取り出して触れることはできない。

それが実体として「出力」できるようになったら、オリジナルのフィギュアなりモデルなりを、画面の中から取り出せるということだ。
それは素晴らしいというか、とてつもなく魅力的だ!(笑)

将来的には、キャラクターのフィギュアなんかを、3Dデータとして配信して、自宅の3Dプリンターで実体に出力する……というサービスが出てくるのだろう。
音楽や電子ブックをダウンロードするように、フィギュアもダウンロードして3Dプリンターで実体化させる。
素材の制約はあるだろうが、食器くらいは何とかなりそうな気がする。

もっと進歩したら、服なんかも可能かもしれない。
なんとなく、スタートレックのレプリケーターを想像する。さすがに食べものは無理だろうが、実物を複製するレプリケーターの初期型みたいだ。

コンピュータとネットの普及で、リアルからバーチャルにシフトしているのが現在だが、技術の進歩はバーチャルからリアルに世界を戻していくのだと思う。
3Dプリンターは、そんな未来をちょっとだけ垣間見せてくれる気がする。

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