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中国ではパクリやコピー商品が常態化して、知的財産に関する無神経ぶりは当たり前になっているが、試験でのカンニングや論文の不正などもよく話題になる。

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論文不正については、日本でもSTAP細胞の問題があったばかりで、他国のことはいえないのだが、ノーベル賞を受賞できる人が出てくるだけ、まだ救われている。

カンニング対策として、ドローンを使うなんて記事もあった。

ドローンでカンニングを監視する、中国の「全国統一入試」 ≪ WIRED.jp

多数の自殺者が出るほどの難関で、不正行為も多い試験として知られる中国の「高考」で、不正行為の発見にドローンが使われることになった。無線信号を探すことで、不正した者の位置を特定するという。

いやはや、ここまで来ると、なんのための試験なんだかわからなくなる。巧妙なカンニングをした者が、優秀な生徒になるみたいな感じだ(^_^)。勉強のために頭を使うのではなく、カンニングを成功させるために頭を使うのも、ある意味では能力の発揮なのだろう。

監視ドローンをハッキングするだけのスキルがあれば、たしかに優秀かもしれない。
無線通信は探知されやすいが、赤外線通信、あるいはレーザー通信であれば探知されにくい。ただ指向性は出てくるので、いかにして通信経路を確保するか……とか、そういう方向でカンニングする側は対抗してくるかも。……と、そういう問題じゃないんだけど。

人間のテストだけでなく、人工知能(AI)のテストでも不正があったらしい。

人工知能テスト結果で謝罪―中国・百度 – WSJ

 中国のネット検索最手の百度(バイドゥ)は2日、人工知能(AI)に関するテストで自社の性能がグーグルやマイクロソフトを上回ったとの論文を発表したことについて、誤解を与えるものだったと謝罪した。

(中略)

AI企業のクラリファイのマシュー・ザイラー最高経営責任者(CEO)は、「百度が行ったことはかなり悪質だ」と批判している。

なんとも中国らしい気がする(^_^)。
中国共産党の幹部の汚職なども問題になっているが、国の体制そのものが不正にまみれているのだから、企業や国民も上に習えで不正をすることにあまり罪悪感はないのではと思う。
ズルをしてでも、のし上がる……という体質。

驚異的な経済成長を遂げてきたとされる中国だが、当局の発表する経済指標も水増しや不正があるともいわれている。
真の姿が見えないのが、中国だろう。
AIテストの不正は、実体よりも大きく見せようとする中国の本質が現れている事例だと思う。

話は大きくそれるが……

共産主義を標榜しながらも、富裕層と貧困層が存在するのもおかしな話。共産党の一党独裁は、共産党という名前の衣を被った「王朝」なのだと思う。これは北朝鮮にもいえること。

天安門事件のときに、中国は変われるチャンスではあったが、潰された。
中国は覇権を握ろうとしているようなのだが、習近平の独裁体制がどこまで続くかにもよる。政敵を粛正しているが、内部の敵がいなくなるということは、有能な人材を失うことでもあるので、長期的に見ると組織としては弱体化していく。

民衆による第二の天安門事件は、起こりにくくなっていると思う。貧富の差は大きくなっているものの、富裕層が増えるということは、現状維持を望む国民が増えることにもなり、民衆による革命は広がりにくくなる。香港での「傘の革命」が、大きく広がらずに萎んでしまったのは、自由や平等よりも「お金」を望んだためだともいえる。

起こるとすれば、権力層からのクーデターかな。あるとすれば、軍事クーデターかもしれない。自由と平等のためのクーデターではなく、富と権力を手に入れるためのクーデターだ。

中国の影響力が増している昨今。
周辺諸国との対立や、アメリカとの関係も微妙になっているが、中国の敵は外部だけでなく内部にもある。不正や汚職が横行している現状は、内部から腐っていくのではと危惧する。

共産党の独裁が崩壊すると、中国は分裂するだろうからね。そうなると世界は大混乱に陥る。
良くも悪くも、中国は世界の潮流を左右する存在だと思う。

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