ドタバタ劇となっているサッカー日本代表だが、ワールドカップロシア大会は来月、6月14日に開幕だ。
日本とコロンビアの初戦は、6月19日。
過去、日本がW杯に出場したときは、なにがしかの期待はしたものだ。それが淡い期待だとしても。
しかし今回は、個人的には期待するものがほとんどない……という気持ちで迎えるW杯になった。
絶望はしていないが、希望もない。
ただ、どういう試合になるのかを、見届けるだけ。
そんな、冷めた気分だ。

西野監督が選手選考で、誰を選ぶかで、ロシア大会の意味は変わると思う。

  • 目先のわずかな勝機に賭けて、ベテランを重用するのか。
  • ロシア大会を経験の場として考え、活きのいい若手を起用するのか。

私は、後者を選んで欲しいと思う。
かつて、若かりし岡田監督が、ベテランのカズや北沢を外したように、西野監督が本田や香川を外せるかどうか。
本田や香川を評価しないわけではない。しかし、彼らのピークは過ぎている。ブラジル大会でできなかったことが、4年分衰えた現状で、それ以上のことができるとも思えない。

もし、西野監督が本田や香川を中心にチームを作るとしたら、どういう戦い方になるかは想像ができる。それはブラジル大会の再現だ。それも4年分劣化した再現となる。
そして、結果は、4年前より悪くなるだろう。
そういう試合は見たくない。
負けるにしても、新しいチャレンジをした結果の敗北なら受け入れられる。ハリル監督は、そのチャレンジだったのだが……。

いずれにしても、ロシア大会は、予想外の奇跡が起きない限り、3戦3敗の可能性が高い。
ならば、ロシア大会後のことを考え方がいい。
一介のサッカーファンがなにをいっても注目されることはないのだが、とりあえず提言だけはしておこう(笑)。

サッカー協会関係者の発言として、「今後は日本人監督で」ということがいわれているらしい。
日本人監督であることについては、私も異論はない。日本代表というからには、監督も日本人であるのが自然、という理由からだ。外国人監督を招くことは、無理な背伸びをしていることでもあるわけで、身の丈にあった代表チームにすればよいと思う。

日本人監督にすることについて、「絶望」という人の記事があった。

日本サッカー協会は正しいKPIを提示せよ ハリルホジッチ監督解任から3週間が経過(村上アシシ) – 個人 – Yahoo!ニュース

PDCAサイクルのCheck(評価)ステップにおいて、間違った評価軸を用いているため、そこから形成される改善策(Act)が「次の監督もコミュニケーションが円滑に取れる日本人監督で」となってしまった。この方針変更は、絶望以外の何ものでもない。

グローバル化、ボーダレス化が叫ばれる21世紀において、今更「オールジャパン」という標語を使って、「鎖国路線」に舵を切ることがいかに愚策かは、論じるまでもない。

まさにJFAが陥っているのは「手段の目的化」である。目標に到達するためのプロセス(手段)に固執するあまり、手段そのものが目的化されてしまう由々しき事態である。

まぁ、気持ちはわかる。ビジネス的な切り口で論評しているのが面白かった。
「鎖国路線」を一概に悪いとはいえないと思うんだ。
繰り返すが、「身の丈にあった日本代表」でいいじゃないか……ということ。

日本はサッカー強豪国ではない。アジアではそこそこ勝てるが、世界では弱小チーム。そのことを自覚するなら、別に日本人監督で鎖国路線でもいい。世界のトップ10に入りたい……などという野望は持たなくていいのだ。
高校野球にたとえるなら、地方大会では強いが、甲子園に行くと初戦敗退。でも、甲子園に出られたという達成感は得られる。それで満足。優勝なんていう高望みはしない。

W杯は、今後48枠に拡大されることが決まっているが、2022年大会から前倒しして48枠になるかもしれないと議論されている。
そうすると、W杯出場のためのハードルは下がり、日本はそれほど苦労することなく出場できる可能性が高い。つまり、経験の乏しい日本人監督でも可能なのだ。

W杯に出場した日本人監督は、岡田監督だけではあるが、厳密にいうと4年間代表監督を務めた結果の出場ではない。岡田さんは2回とも途中交代だった。
ようするに、4年間代表監督を務めて、W杯に出場した日本人監督は、まだ1人もいないということだ。
W杯に複数回出場している選手はいても、監督としてW杯に出場した人が1人しかいないというのは、きわめてアンバランスだ。監督よりも選手の方がW杯で戦うことの雰囲気を知っているというのは、監督と選手の立場が逆転してしまう。

西野監督は、選手としてもW杯は未経験。それに対して、W杯が3回目という選手が何人かいる。W杯経験値では、選手の方が監督を上回り、このような関係性は好ましいとはいえない。「俺たちの方がW杯を知ってる」と、選手が監督の指示を聞かなくなる原因になりかねない。

日本人監督にすることの第一の意義は、W杯経験監督を育てることだ。監督にW杯経験がなければ、選手に対する説得力というか、監督としての資質が問われる。フランス大会(1998年)以降の、W杯に出場した選手が監督になる年齢になってきたので、その世代が代表監督になれば理想的だ。そういう意味では、現在、Jリーグで監督をしている中心世代(50〜60歳代)は、はざまの世代でもある。宮本恒靖(41歳)氏あたりが、代表監督になるといいのだが、年功序列的な空気はあるので、なかなか難しいとは思う。

個人的には、ロシア大会は捨て石でいいと思う。
そこは腹をくくって、若手を連れて行って欲しい。スポンサーの意向で、ベテラン勢を選べという圧力があったとしても、ロシア大会後の日本チームのことを、少しでも危惧するのなら、4年後に主力になるであろう可能性のある若手を連れていくべき。
ただ、西野監督にそんな英断ができるかどうかは疑わしいが……。

若手のチームでボロ負けするのなら、4年後の糧になると考えることはできる。
しかし、30歳前後のベテラン選手にとっては、今回が最後のW杯だろう。最後の舞台としての意気込みはあるにしても、4年後にはつながらない。彼らには悪いが、そこに可能性はない。
ベテラン主体のチームで負ければ、「やっぱりね」という想定内の失望を味わうことになる。
ベテラン主体のチームで勝てるか?
私の予想を覆すような活躍をしてくれるだろうか?
香川がハットトリックを達成し、本田がフリーキックをバンバン決めてくれるか?
だが……そのイメージが湧かないんだ。

いや、奇跡は起きるかもしれないと、心の片隅で思っていることは事実だ。
どんなことも、可能性はゼロではない。ただし、限りなくゼロには近い。

日本代表は応援する。
私たちの代表だからだ。しかし、強い日本チームは期待していない。弱いチームなりに、どれだけ奮闘するかを応援するんだ。高校野球で地元チームを応援するのと、気持ちは同じ。

福田正博氏は、「部活動じゃないですから」といったそうだが……

福田正博氏「部活動じゃないですから…」ハリル解任理由にぼう然/サッカー/デイリースポーツ online

 元サッカー日本代表の福田正博氏が10日、テレビ朝日系「グッド!モーニング」で、バヒド・ハリルホジッチ監督を突然解任した理由が「コミュニケーション不足と信頼関係が薄らいできた」とされたことに「部活動じゃないですから」とあきれる声を上げた。

福田氏は皮肉でいったのだと思うが、じつのところ、これは本質を突いていると思う。
少年サッカー〜高校サッカーにいたる、プロ以前の選手育成は、基本的に部活に依存している。それぞれの学校で、それぞれに一貫性のない育成をしているわけで、将来を担う選手を育成するという土壌になっていない。

将来の日本サッカーを考えるのなら、もっと力を入れるべきは、この年代への育成だ。サッカーの英才教育をしなくてはいけない。フィジカルの育成もこの時期にやるべきことだ。前エントリに書いたように、身長が伸びる時期に、適切な食生活と肉体強化をしなくてはならない。それは個人でできるものではなく、スポーツ医学に基づいた指導が必要だということ。それをやっていけば、10年後には体格的に欧米人と互角になれるし、「身長が低い日本人選手」という劣等感からも解放される。

日本チームが、ヨーロッパ、南米、アフリカのチームと対戦するとき、一番の弱点は体格的に劣るというコンプレックスと現実だ。海外経験の乏しい選手ほど、コンプレックスを抱きやすい。フィジカル的な差は、見た目の威圧感もあるし、足の長さの差、背の高さの差は、埋めようがない。わずかな差ではあるものの、簡単には埋められない差でもあるからだ。

日本人は、もうひとつのコンプレックスがある。
それは言語だ。英語が話せないというコンプレックス。
英語が堪能な選手は少ない。海外移籍では、最初の難関が言語の壁であり、英語すら話せないことで苦労する。
海外チームと対戦するとき、審判に抗議をいうのも、相手選手に文句をいうのも、日本語では通じない。最低限、英語で抗議ができるほどにはしゃべれることが望ましい。
そのためには、サッカー選手は英会話必須にするくらいの教育は必要。

日本のサッカーは、部活の延長線に留まっている。
いちおうプロではあるが、名ばかりのプロであり、やってることのレベルは部活と大差ない。それはJリーグと、欧州リーグのサッカーを見ていれば、自明のことだ。
レベルが違いすぎる。

12年後を見すえて、現在、小学生〜中学生であるサッカー少年の中から、将来性のある子供をピックアップして、英才教育を施していく。個々の家庭にまかせるのではなく、全寮制のサッカーエリートのための学校を作り、経済的な負担はサッカー協会が持ち、サッカーを主体としつつ体作りと学問の教育もしていく。学問の中では、英会話に注力することは必須。

2022年、2026年のW杯は、日本人監督で出場することだけを目標とし、日本人監督に経験を積ませる期間とする。
そして、12年後の2030年。
サッカーエリートとして育成された彼らは、小さな日本人ではなく、平均身長185㎝の日本代表となる。もう、フィジカルで負けることはない。欧米人とのハンデはなくなる。
こうなったとき、初めて世界のトップクラスを目指すスタートラインにつける。

このくらいのスパンで、日本代表を考えないとだめだと思う。

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