タウリンが老化防止のカギ?

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 タウリンと聞くと、疲労回復などの栄養ドリンクを思い浮かべるが、老化防止にもなるという研究報告。
 ダイエットと並んで、老化防止は関心度が高いので、ちょっとしたブームになるかもね。

タウリンが老化防止のカギ? 毎日与えたマウスの健康寿命が伸びた:朝日新聞デジタル

タウリンを含むカキ

タウリンを含むカキ

魚介などさまざまな食品に含まれ、体内で合成もされる栄養素のタウリンに、動物の健康寿命を延ばす効果があると、米独などの国際研究グループが米科学誌サイエンスに8日発表した。

 タウリンには、加齢とともに増える免疫の衰えなどを改善するという報告がある。

 グループはまず、加齢に伴う血液中のタウリン濃度を調べた。15歳のサルは5歳に比べて85%減少し、60歳のヒトは5歳の3分の1程度に減少するなど、加齢によって大幅に減少することがわかった。

 老化の原因はタウリンの不足なのか、補えば老化を抑えられる可能性があるのか――。グループは、ヒトの40歳代にあたる14カ月のマウスに死ぬまで毎日タウリンを与えて調べた。寿命の中央値がメスで12%、オスで10%延びた。

 寿命を延ばすだけでなく、加齢で低下する体の働きを向上させるかどうかも調べた。タウリンを与えられたマウスは与えなかったマウスに比べて、エネルギー消費量が増え、骨量や筋力、免疫が衰えにくくなった。

 栄養ドリンク以外では、男性向けの精力剤としてサプリが販売されていたりする。
 たとえば、こんなの。

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 タウリンが男性に必要とされるのは、精子の活力に関係しているから。

精子のタウリン不足が不妊を招く ~精子が雌生殖器道内での浸透圧的ストレスを回避するメカニズムの発見~ – TSUKUBA JOURNAL

筑波大学生命環境系/つくば機能植物イノベーション研究センター 浅野敦之助教の研究グループは、コーネル大学のTravis教授およびStipanuk教授との共同研究により、精子が雌生殖器内で受ける浸透圧的ストレスに対する耐性を獲得するメカニズムの存在を明らかにしました。

精巣において形態的分化を終えた精子は、精巣上体管を通過しながら様々な機能性成分を取り込んだり、機能を終えた分子を放出することにより、受精機能を獲得します(精巣上体成熟)。タウリンは、精巣上体管内腔液に豊富に存在しており、一般的に細胞内浸透圧調整、抗酸化作用、細胞膜安定化など様々な機能を有していることが知られています。精子においても、タウリンには精機能性改善効果があることが古くから知られていました。しかし、その分子メカニズムは不明でした。

タウリン合成を制御する酵素であるシステインジオキシゲナーゼ(CDO)が欠損したマウスの雄が原因不明の赴任となることが報告されており、本研究では、その分子メカニズムの同定を試みました。その結果、CDOは精巣上体領域において豊富に発現してタウリン合成を司ること、また、精子は精巣上体管内腔液からタウリンを吸収することで、雌の生殖器道に侵入した際の浸透圧的ストレスに対する耐性を獲得することがわかりました。

 牡蠣には亜鉛も含まれているが、精子を作るのに亜鉛は不可欠で、亜鉛不足が不妊の一因になったりする。
 なので、タウリンと亜鉛は男性向けサプリとしてセットになっている。
 免疫力の改善にもなるということで、免疫が関係する病気の予防にもいいようだ。

 また、糖尿病の抑制にも効果が期待できるらしい。

カテゴリ 村上特命教授らの研究グループがタウリンによる血糖低下作用とその作用メカニズムを解明!| 福井県立大学

本学生物資源学部の村上茂特命教授らの研究グループは、マウス糖尿病モデルを用い、アミノ酸誘導体タウリンの血糖低下作用とその作用メカニズムを解明しました。

タウリンはドリンク剤の成分として知られていますが、ヒトを含む動物の体内にも豊富に存在し、浸透圧調節作用、タンパク質安定化作用、抗酸化作用などを介して、細胞の正常な機能維持において重要な役割を担っています。インスリンは、すい臓のβ細胞から分泌される体内で唯一の血糖低下作用を持つホルモンです。インスリンは筋肉や肝臓への糖(グルコース)の取り込みを促進することにより、血糖値を低下させます。すい臓β細胞が傷害されインスリン分泌が低下したり、筋肉や肝臓においてインスリンの作用の低下が起こると血糖値が上昇し、糖尿病が発症します。

今回、ストレプトゾトシンによりすい臓のβ細胞を傷害したマウスの糖尿病モデルにおいて、タウリン投与が血糖値を低下させ、この効果に肝臓での糖代謝改善と抗酸化作用によるすい臓β細胞の保護が関係していることを明らかにしました。

成果のポイント

(1) タウリンは抗酸化作用により、酸化ストレス等が引き起こすすい臓β細胞の組織傷害を低減し、インスリン分泌の低下を回復させる。
(2) タウリンは肝臓の糖輸送体(GLUT2)の発現を増加させることにより、肝臓の糖取り込みを増やしてグリコーゲン量の減少を抑制し、糖代謝を正常化する
(3) これらの作用により、タウリンは血糖値を低下させる。

 なんか、いいことづくめのようなタウリン。
 ただし、適量値はわかっていないらしく、たくさん摂取すればいいわけではないのは、他の栄養素と同じ。

 タウリン摂取で寿命が10〜12%伸びるとしたら、人間では8歳くらい寿命が伸びる計算だ。
 たかが8歳、されど8歳。
 健康寿命が延びるのならいいかもね。

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