「暗黒光子(ダークフォトン)」は存在するか?……に関連した話題。

なにやらSFが現実になりそうなニュースが続く。
宇宙文明の手がかりを電波で探ろうという研究は、SETIを始めとして行われてきたが、それがヒットしたかもしれないという報告。
はたして……

深宇宙からの「強い信号」検知 地球外文明発見の期待高まる 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News

地球外生命体が存在する証拠を求めて宇宙観測を続けるロシアの電波望遠鏡が、「強い信号」を検知したことが明らかになり、科学者らの関心を集めている。

(中略)

この信号は地球から約95光年離れた恒星「HD164595」の方向から届いたとされる。この星は少なくとも1つの惑星を持つことが知られており、惑星の数はもっと多い可能性もある。

(中略)

ギルスター氏によると、信号を検出した研究チームは、ロシアの天文学者ニコライ・カルダシェフ(Nikolai Kardashev)氏が提唱した宇宙文明の進歩度を示す尺度を用い、この信号が等方性ビーコンからのものだった場合、地球文明よりもはるかに進歩した「タイプ2」の文明でなければありえない強さだと説明している。

ダークフォトンのエントリで書いたが、「タイプ2」の文明は恒星のエネルギーをまるまる消費するような超巨大な文明だ。現在の地球は「タイプ0」なので、とてつもなく進歩した文明ということになる。
そんな文明が、たった95光年先にあるとしたら、とんでもない話になってしまう。
ただ、タイプ2の文明が、通信手段として電波を使っているというのには疑問がある。電波は地球スケールであれば有効かつ効率的な通信手段ではあるが、惑星間通信では時間がかかり、ロスも多く効率的な通信手段とはならない。タイプ2文明から見たら、電波はローテクなのだ。
SFでは、時間ロスのない通信手段として、亜空間通信とか量子通信とかが出てくる。タイプ2文明であれば、自分が属する恒星系内はもとより、近傍の恒星系にまで進出するだけのテクノロジーは持っている可能性があるから、通信の即時性は重要な問題だろう。

太陽系からもっとも近い恒星系は、アルファ・ケンタウリだが、距離は4.39光年。ちなみに、アルファ・ケンタウリは、恒星が3つある三重連星で、不確定ながら惑星の存在も報告されている。
仮に、地球文明がレベル2にまで進歩したとして、アルファ・ケンタウリに植民地を築いた場合、通信に片道4年5カ月、往復8年10カ月もかかったのでは話にならない。文明圏あるいは経済圏として近傍の恒星系と連携していくためには、通信の即時性が不可欠になる。
逆にいえば、光速の制限に束縛されない通信の即時性が確保できないと、複数の恒星系を含む宇宙文明は成り立たないということだ。
その場合、電波は役に立たない。

もし、亜空間チャンネルがあり、そこで通信が行き交っているとしたら、人類はそのチャンネルを聞くための耳を持っていない。ラジオが発明される以前の時代に、電波の存在を知らず、手紙でやりとりしているようなものだ。
タイプ2、タイプ3の文明が、通信手段として電波を使っているという前提自体が間違っているのではないか?
捉えた電波に、意味ある情報が含まれている可能性は低いように思うが、なにがしかの痕跡は見つかるかもしれない。それが天体現象なのか、あるいは人為的(文明的)なものなのか。
続報を待ちたいと思う。

【追記】2016/09/01

なんだ、結局そういうオチか……という、続報。

CNN.co.jp : 「高度な文明から届いた信号」、実は地球由来だった? – (1/2)

しかし天文学者のユリア・ソトニコワ氏は31日、ロシア科学アカデミー特別天体物理観測所を通じて声明を出し、この信号について「地球に由来している可能性が最も大きいことが分かった」と発表した。

ロシア国営タス通信によると、ソトニコワ氏は信号の発信源については明らかにしなかったが、「地球のじょう乱」に起因する可能性が大きいと話している。

早合点とはこういうことだね。
残念といえば残念だが、当然といえば当然でもある。
地球外知性は夢であり願望にもなっているが、そうそう簡単には見つからないと思うよ。

LINEで送る
Pocket
LinkedIn にシェア