恋の障害は言葉

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恋の障害は言葉

恋を成就させるための薬が――媚薬。
古くからその効果を狙った媚薬と称するものが作られてきた。香水もそのひとつだが、劇的な効果にはほど遠い。

だが、その研究は今も続いている。

ニュース – 科学&宇宙 – 恋に効く、可能性を秘めた4種の媚薬 – ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト

ほれ薬

まず、“ほれ薬”はそもそも実現できるのかという点が問題となるが、それにはある小さな動物が鍵を握っているという。人間以外に一夫一妻制をとる数少ない哺乳類の一種にプレーリーハタネズミがいる。プレーリーハタネズミが生み出すホルモンは、性的魅力を増強し、一雌一雄関係や営巣行動を促進することが知られている。

ちょっと待て(^_^;
この前提は間違っていると思うぞ。

人間が一夫一婦制なのは、宗教的、法律的、社会習慣的な理由からであって、生物学的な理由ではない。
おしどり夫婦なんて言い方もあるが、オシドリも生涯一雌一雄ではないのだ。

雄と雌、男と女が関係を持つのは、子孫を残すという生物的な本能や潜在意識に起因しているが、より多くの遺伝子を残すには、一雌一雄ではリスクが大きい。たくさんの異性と関係を持った方が、生き残る確率も高くなる。

だからというわけではないが、人間も生物である以上、例外ではない。
まぁ、理由付けはいろいろだろうけどね。

週刊誌やワイドショーでは、芸能人の熱愛や結婚、不倫や愛人騒動が途切れることがない。それは多くの人の関心を呼ぶからだが、芸能人をステロタイプとした疑似体験をしているともいえる。

とはいえ、本当の媚薬は実現可能か?
というと、ヒット率100%の媚薬は無理だろう。

これが動物だったら、もっと単純だ。ジャコウは香水としても使われるが、もとはジャコウジカの分泌物……フェロモンである。ジャコウジカには有効な媚薬だが、人間には直接的な効果はない。
人間の恋は、動物ほどシンプルではない。

なぜなら、人間は「言葉」を持ってしまったからだ。言葉を持たない犬や猫たちは、ストレートに恋をする。相性の良し悪しは匂いや性格で決まり、下手な口説き文句も言い訳も必要ない。
だが、人間は言葉を駆使しなくてはいけない。

言葉は気持ちを伝える上で重要な手段となるが、同時に誤解やすれ違いもうむ。行動を起こすときに、理由付けとして理屈を考え、言葉を使わなくてはいけない。
それがうまくできないと、先に進まないのだ。
言葉とは、やっかいなものでもある。

人は言葉をもったことで恋愛小説や恋愛映画を作ることができるようになったが、言葉を持ったがために恋を難しくしてしまったともいえるのではないだろうか。

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