ロボット開発のOSで、日本は主導権を握れるか?

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 SoftBankがロボットを発売するというニュースが話題になったが、そのとき思ったこと。

「OSはなにを使ってるんだろう?」

 愛嬌のある姿や受け答えばかりが注目されて、OSについて報じているニュースはなかった。
 私の疑問に答えてくれた記事が以下。

ロボット開発の分業化・効率化を目指す:ソフトバンクのロボット事業、本命は「Pepper」ではなく「V-Sido OS」か!? (1/4) – MONOist(モノイスト)

 2014年6月11日、ソフトバンクの100%子会社であるアスラテックは、「新規ロボット事業」に関する記者説明会を開催(関連記事:ソフトバンクがロボット事業で二の矢を放つ、人とロボの橋渡しをする「V-Sido OS」)。ロボット制御ソフトウェア「V-Sido OS」およびV-Sido OSの一部機能を1枚の基板に実装したマイコンボード「V-Sido CONNECT」を主軸とした事業戦略について発表した。アスラテックがソフトバンクグループとして大々的にロボット事業に関する発表を行ったのはこれが初めてとなる。

 既にご存じの方もいるかと思うが、 「V-Sido(ブシドー)」とは、当時、奈良先端科学技術大学院大学の学生だった吉崎航氏が1人で開発したロボット制御ソフトウェアである。

 なんと、国産OSだったのか!
 これはすごいことになりそうな予感。
 パソコンのOSは、WindowsやMACに凌駕されてしまったが、かつてTRONという国産OSが存在した。いや、厳密には現在でも存在しているのだが、表には出てこなくなった。存在を知られることなく、自動車や家電製品などに、組みこみシステムとして『ITRON』や後継の『T-Kernel』が使われている。小惑星探査機の『はやぶさ』にも組みこまれていたという。
 設計志向は先進的だったのだが、表舞台の世界標準にはなれなかった。TRONの子どもたちは、縁の下の力持ちとして、人知れず世界を動かしている。

 ロボット産業といえば、工業用ロボットを思い浮かべるが、汎用というか民生用ロボットの市場はこれからの成長分野になりそうだ。
 そのロボットを動かすためのOSになにが使われるかが重要だというのは、パソコンの例を見れば明らか。V-Sido OSが主流となれば、ロボット業界を席巻できるかもしれない。
 ロボットのOSが開発各社ごとに違っていると、汎用性がなくなるし、アプリケーションの融通も利かない。かつて、テレビゲームはハードごとに違っていたため、ソフト開発はそれぞれのハード向けに作らなければならなかった。最盛期には5種類くらいのハードがあったが、ゲーム業界がにぎやかにはなったものの、やがては淘汰された。OSを1つに絞る必要はないが、有力なロボットOSとしてV-Sido OSが広まるといい。

V-Sido OSでのサブアームを使ったロボットの操縦

V-Sido OSでのサブアームを使ったロボットの操縦

 とはいえ、海外勢はあなどれない。
 OSのシェアを獲得することは、ロボット業界のシェアを獲得する手段にもなるだろうから、対抗するOSを出してくるかもしれない。あるいは、買収という方法もある。
 国産ロボットOSをいかにして、世界標準にしていくか。
 それが課題かもしれない。

 PS4のハードは売れ行き好調だが、国産のゲームソフトは苦戦しているようだ。ディスプレイ上のゲームとしてではなく、ロボットを介したゲームというのも出てくるように思う。
 ロボットとゲームの親和性は高い。
 そうなったとき、OSになにが使われているかというのは、重要な要素だろう。
 今後の展開に注目したい。

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