バカな国でも、安全な国の方がいい

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経済や文化は「無駄」で成り立っている」の続き。
都知事の発言を、猪瀬氏がフォローしているような記事。

節電を機にライフスタイルの見直しを| nikkei BPnet 〈日経BPネット〉

 東京都知事選で4度目の当選を決めた翌日の4月11日、登庁したときのインタビューで、石原慎太郎知事は「軒並みに自動販売機が並んでいるバカな国は、世界中にないよ。パチンコ屋だってそうじゃないの。あんなギンギラギンギラ明かりをつけて、音楽を鳴らして。あまり文化的とはいえない生活様式を日本人は堪能しているんだろうけれど、そういうこと反省しないと駄目だ」と述べた。

これに対して、蓮舫節電啓発担当相は「自販機をなくすのか。そこで働いている人もいる」と反論したが、それは的を射たものではない。問題の本質は、飲料自販機とパチンコ屋が予想以上に電力を消費していて、その消費量が今のような緊急時に本当に妥当なものかどうかという点にある。

(中略)

節電といっても、戦後の貧しい時代に戻れというわけではない。節電で使用電力量が少し落ち込んだとしても、1990年よりは多い。せいぜい、この10年から20年くらいのライフスタイルを見直すだけでよい。しかも1日中電気を使うなというのではなく、ピーク時間の電力使用を分散化させればよいのである。

家庭においてできることもまだまだ多い。エアコンの設定温度を1度上げると、都内で計20万キロワットの節電になる。また、電化製品の待機電力を削減すると12万キロワットの節電、冷蔵庫の設定温度を弱めたり物を詰め込みすぎないようにすると11万キロワットの節電、照明をこまめに消すと5万~11万キロワットの節電だ。洗濯・掃除などを朝や晩に行うと、13万キロワットのピークシフトを実現できる。

う~む……、ものは考えよう。

「自販機が並んでいるバカな国」だけど、犯罪率が諸外国に比べて低く、市民が銃を持たない、安全でバカな国でもあると思う。「世界」というは欧米のことを主に指しているのだろうが、自販機がなくても銃がどこの家にもあるのが、世界の常識……なんてのも困ったものだと思う。

日本人は、護身のために銃を所持することではなく、いつでも飲み物が買える自販機を並べる治安の良い社会を選んだ……という考えかただってできる。

電力消費が大きいことは、猪瀬氏のいうとおりだろうが、自販機があってもそれがめったに盗まれることなく鎮座しているのは、平和な証拠でもある。
うちの近所のディスカウント店では、閉店時に屋外に置いてある商品に、ブルーシートを被せるだけで済ませている。誰も、それを略奪していかないのだ。ときどき盗人はいるが、盗まれることは希。
そういうバカな国の方がいい。

もっとも、私自身はパチンコはやらないし自販機もめったに利用しない。自販機を利用しないのは、食費を限界まで削っているので、無駄遣いをしないためだ。
ちなみに、間食はほとんどしない。外食もほとんどしない。外食は月に1度あるかないかだ。主食の米とパンは別として、土日を除く平日の1日の食費は500円未満である。極めて質素な(というより、貧乏な)食生活である(^_^)。

安月給なのだから、しょうがない。衣食住の「衣」と「食」を削りに削って、生きがいでもある趣味と猫にお金を回している。着るものは、もう3年くらい、新しいものは買っていない。ボタンが取れれば、私が自分で付け直すし、破れて着られなくなるまで辛抱する。
勤めている会社では、ポリポリとお菓子を食べながら仕事をしている人がいるが、私はいっさい食べない。社長自ら食べながら仕事をしているため、容認されているのだ。それもどうかと思うが……(^^;)

個人的にはパチンコや自販機がなくなっても、ぜんぜん困らない。

「ライフスタイルを見直す」というが、うちに限ってはこれ以上の貧乏は避けたい(^^;)
例に挙げられている節電について、うちの事情をいえば……

●エアコンの設定温度を1度上げる
昼間は会社にいるから、家は猫しかいない。ピーク時は昼間だから、あんまり関係ないよね。

●電化製品の待機電力を削減する
タイマーなどの時計が機能の一部になっている製品は、コンセントを抜くたびに時計合わせをしないといけなくなる。新しいものは内蔵電池で時計だけ動かすものはあるが、古いのは困った問題。
そもそも、待機電力を必要としない製品を作って欲しいもの。

●冷蔵庫の設定温度を弱めたり物を詰め込みすぎないようにする
うちの冷蔵庫は200リットルくらいの小さなものなので、もともとたいした量が入らない。
その中身も、さらに減らせと?
それも10年くらい使っているものだ。新しいものほど、消費電力が小さいことは承知しているが、新しいのを買う余裕がない。

●照明をこまめに消す
前述したとおり、昼間は家にいない。帰宅したあとの夜くらい、明かりを点けさせてくれよ。

●洗濯・掃除などを朝や晩に行う
マンション住まいでは、夜中に掃除機をかけたり洗濯機を回したりはできないよ。近所迷惑になる。

余談だが、震災後に食料の買い占めが起こったとき、うちはほんとうに食べるものがなくなって困った。
冷蔵庫は小さいから、もともと調味料以外に貯蔵しているものは少なかった。せいぜい残り物を、翌日まで保存する程度のことだからだ。

食料は、基本的に今日食べるものは、今日買う生活なので、スーパーの棚から食品がなくなったときは、ほんとに困った。
かろうじて、米といくつかの缶詰とパスタがあり、それでしのいでいたが、いよいよなくなって九州の実家から送ってもらった。ちなみに缶詰は、うちではいつも食費節約のための非常食だ。その缶詰まで買い占めされてしまったから、ほとほとまいった。

そういう意味では、猪瀬氏の想定している「一般家庭」に、うちは当てはまらないということだね。

都知事は「無駄」「必要ない」といっていたと思う。
終戦直後の焼け野原を例に挙げて。
あの時代、なにもなかったんだから、なくてもいい……という言い方だった。
それをいうなら、パソコンやインターネット、ケータイだってなかった。車や電話も、ごく一部の人たちの贅沢品だった。電車だって、路線は少なかった。
猪瀬氏のいうように、10年、20年前に戻す、というような発言とは違っていたと思うが?
終戦直後のことを例えに出すのなら、都の業務もパソコンなし、インターネットなし、ケータイなしで、すべての業務を紙と鉛筆の手作業でこなせばいい……という話になってしまう。
引き合いに出す例が、時代錯誤で理不尽だと思ったね。

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