「スケープゴートにされる自販機」の続き。
【地震】石原都知事、夏の節電めぐり蓮舫大臣を痛烈批判 | RBB TODAY (ブロードバンド、回線・サービスのニュース)
――都民にとっては、あまりに唐突だなと思った方が多いかと思うが、2つの業種を選ぶことになったのは?
典型的な無駄だと思うからだ。他にも無駄はいろいろあるでしょう。だけどね、自販機はね、こんなものは(他の国には)生活の様式としてもあまりありませんよ。パチンコもない。こうこうと明かりをつけて音楽ならしてやってる国は他にないと思うね。
自販機が「無駄」ということは、自販機で生計を立てている人たちも「無駄」だと切り捨てるということか?
それも乱暴な論理な気がするが?
ちなみに、パチンコ業界は税収の大口顧客でもある。また、最近のテレビCMでもお得意様だ。ギャンブルゆえに問題が多いことも事実だが、都の財政の一端を担っていることには違いない。
ただ、自販機とパチンコを「無駄」とひとくくりにしているものの、本音の部分では両者に対する意図が違うようだが……。
そもそも経済は「無駄」で成り立っていると思う。
生活に最低限必要な衣食住だけでは、世の中の経済は成り立たない。無駄を廃した需要と供給だけだと、自給自足するだけで、経済成長というのは望めないだろう。
それがないと生きていけないわけではないが、あると便利、あると生活が楽になる、あると楽しいことができる、ちょっと贅沢……という、それらのモノは「無駄」といえるようなものばかりだ。
ケータイはなくても生きていける、都心では車はなくても生きていける、映画や演劇は見なくても生きていける……と、生きていくのに必要不可欠でないものは、「無駄」と断じることはできてしまう。
だが、経済や文化は「無駄」を許容することで、発展・成長する。
無駄を容認できない社会は、閉塞した社会だ。
なんでもかんでも「無駄」だという理由で、切り捨てることが安易に行われるようになってしまうことを危惧する。
私のやっている仕事だって、なくては困るものかというと、ぜんぜんそんなことはなくて、娯楽関係だったり広告関係だったりするので、生活必需品ではない。そういう意味では、都知事の言う「無駄」な業種だろう。
生活に必需じゃない業種は、みんな「無駄」として切り捨てるのか?
都の職員数は約17万人ということだが、そのうち本庁に勤めているのは1万人くらいだろうか?
いっそのこと、都の職員は節電のために、全員が徒歩か自転車通勤にしたらどうだろう?
1万~17万人が電車を利用しないとなると、朝のラッシュ時の緩和にもなる。
「電車なんか乗らなくても通勤できる」
と、都知事の論法なら言えると思うのだが?(^_^)