惑星の定義・続報

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 惑星の定義について、より詳しいレポートが出ていた。
「惑星」の定義の原案、公開へ

提案された定義に則した太陽系のイラスト。

提案された定義に則した太陽系のイラスト。

国際天文学連合では、惑星の定義を天文学的に定めるべく、これまで慎重に議論をすすめてきました。そして、8月16日、総会参加の天文学者に「惑星」の定義の原案が下記のように示されました(一部、日本語訳が定まっていないため、英語表記としています)。

(1)惑星とは、(a)十分な質量を持つために自己重力が固体としての力よりも勝る結果、重力平衡(ほとんど球状)の形を持ち、(b)恒星の周りを回る天体で、恒星でも、また衛星でもないものとする。

(2)黄道面上で、ほぼ円軌道を持つ、1900年以前に発見された8つのClassical Planets(古典的惑星)と、それ以外の太陽系の天体を区別する。後者は、すべて水星より小さい。また、セレスは上記(1)の定義から惑星であるが、歴史的理由により、他のClassical Planetsと区別するため、Dwarf Planet(矮(わい)惑星)と呼ぶことを推奨する。

(3)冥王星や、最近発見された1つまたは複数のトランス・ネプチュニアン天体は、上記(1)の定義から、惑星である。Classical Planetsと対比して、これらは典型的に大きく傾いた軌道傾斜と歪んだ楕円軌道を持ち、軌道周期は200年を超えている。われわれは、冥王星が典型例となるこれらの天体群を、新しいカテゴリーとして、Plutons(冥王星族)と呼ぶ。

(4)太陽を回る他のすべての天体は、まとめてSmall Solar System Bodies(太陽系小天体)と呼ぶこととする。

重力平衡形状となるのは、地球の質量の約1万分の1が目安です。小惑星セレスは惑星に昇格し、他の大きめの小惑星も、今後、観測が進み、重力平衡形状であることがわかれば、惑星に昇格するでしょう。また、衛星は惑星の周りを回る天体ですが、その共通重心が惑星の内部にあるものを指します。冥王星の衛星といわれてきたカロンの場合、共通重心が冥王星の外にありますから、どちらも惑星、つまり二重惑星となるわけです。ただし、どちらも「Pluton」です。これにより、太陽系には現在、12の惑星(水星、金星、地球、火星、セレス、木星、土星、天王星、海王星、冥王星、カロン、2003 UB313)があり、このうちClassical Planetsが8つ、Plutonsが3つということになります。
※(諫山:註)英語表記の和訳部分は、他の報道を参考にした

 ……ということで、冥王星とカロンの関係が、二重惑星となる、というのも新しい定義だ。
 つまり、惑星と衛星の定義も明確になったわけだ。

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