地球外生命体による電波か?

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電波望遠鏡

アメリカ合衆国ニューメキシコ州ソコロに並ぶ超大型干渉電波望遠鏡群。

 広大な宇宙には無数の銀河があり、ひとつの銀河系には数千億の恒星があり、その恒星には惑星がある。恒星には小さなものから巨大なものまであるが、それぞれの恒星系で生命が存在できるであろうハビタブルゾーンがあり、そこに惑星や衛星があれば生命の可能性がある。
 私たちの太陽系内では、まだ地球以外での生命は発見されていないが、エウロパやかつての火星には生命は存在している(いた)可能性が高まっている。
 おそらく、生命の誕生は星の生成と成長過程での必然なのではと思う。
 その生命が、文明を築くほどの進化を遂げる確率は低くなるだろうが、星の数はあまりにも膨大なので、1億分の1だとしても、天の川銀河の中には知的生命体の存在する恒星系の数は2000個はあることになる。
 文明を築くほどのレベルであれば、通信手段として電波を使うだろう。人類がそうであるように。その電波が届いているかもしれない……という前提で、地球外知的生命を探そうとしている。
 その兆候を見つけたという研究発表があったそうだ。

遠い星から届く奇妙なメッセージは「おそらく宇宙人からのもの」と科学者が論文で発表 – GIGAZINE

人知をはるかに超え、無限の広さを持つとも言われる宇宙について人間はまだまだ知らないことが多すぎるといえます。その中には、地球以外の惑星における知的生命体の存在が含まれているのですが、カナダのケベックにあるラヴァル大学の研究チームは、深宇宙から届いた数々の不可思議な電波を分析して、「おそらく地球外生命体によって発信されたものだ」とする論文を発表しました。

Strange messages coming from the stars are ‘probably’ from aliens, scientists say | The Independent
http://www.independent.co.uk/news/science/aliens-proof-evidence-facts-stars-scientists-extraterrestrial-life-et-intelligence-a7377716.html

論文を発表したのは、ラヴァル大学で研究を行っているErmanno F. Borra氏とEric Trottier氏です。両名は宇宙から届く電波の研究の中で、特に地球から遠く離れた深宇宙から飛んでくる電波をフーリエ変換して調査したところ、特殊な変調が見られることを発見。その特異な変調パターンから、これらが地球外知的生命体によって発された存在を知らせるための電波である可能性があるとしています。

 問題は、その信号を解読できるかどうかだね。
 起源がまったく異なる知的生命体の、未知の言語を解読するのはかなり困難。数学は宇宙共通……という考え方もあるのだが、それすらも人類の思考パターンやロジックに依拠している。10進法や2進法などで記述される数学でも、未知の種族が数学を別の表現で形にしていたら、我々には理解できない。逆もしかり。

 ラジオ放送の初めての実験は1900年なので、116年前(現在年からは124年前)。そのときの電波が宇宙空間に飛んでいたとしても、まだ116光年しか届いていない。もっとも、このとき使用された火花式送信機は出力が弱く、遠距離には届かなかったので宇宙空間にまでは達していない。
 本格的なラジオ放送は1920年代からだが、100光年先で受信することはほぼ不可能だろう。現在では、様々な周波数で電波が飛び交っているが、それらが他の恒星系で受信されることがあるだろうか?
 かすかに届いていたとして、そこから意味あるメッセージを解読できるとは思えない。

 「地球から遠く離れた深宇宙から飛んでくる電波」というのが、何光年先なのか書かれていないが、距離は重要だろう。あまりに遠いと、発信源の電波はかなり強力でないと届かないからだ。
 また、日本語記事には書かれていないが、この論文の対象となった恒星は、恒星のスペクトルが「K1~F2スペクトルの太陽型恒星で234個から発見された」とソース元には記されている。
 さらに、「銀河ハローにおける非常に独特の化学組成に起因する可能性もあり」という可能性も示唆されている。
 なかなかに興味深いのだが、自然現象の可能性が高い気がする。というのも、地球においてすら、もっぱら受信することに精力を注いでいて、こちらから大出力の電波をどこかの恒星系に向けて積極的に発信しているわけではないからだ。

 知的生命体は宇宙のどこかにはいる。それは間違いない。なぜなら、私たち人類が存在しているからだ。
 銀河の数は、最近、2兆個と推定され直した。

CNN.co.jp : NASA、銀河の数を2兆個と発表 従来推定の10倍に

米航空宇宙局(NASA)は13日、観測可能な宇宙の範囲内にある銀河の数は2兆個と、これまで推定されてきた数の10倍に上ると発表した。英ノッティンガム大学の研究チームが数学モデルを駆使し、現在の望遠鏡では見ることのできない銀河の数も含め算出した。

 2兆個の銀河×2000億の恒星=4*10の23乗=4000垓(がい)
 人類の存在の確率が、1/4000垓というのはほとんどゼロ(不可能)に近いことになってしまう。
 おそらく、どんな恒星系でも惑星をもっていれば、バクテリアのレベルだとしても生命は存在するだろうし、生命は誕生したら進化するだろう。その進化がどこまで進むかは、生存環境がどれだけ安定しているかに左右される。地球ですら、全球凍結や恐竜絶滅の決定打となった小惑星の衝突などを経て、人類にまで辿り着いている。
 宇宙の隣人は、どこかにいる。
 ただ、それが電波を観測することで見つかるかどうかは、また別の問題。

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